「矯正治療が当たり前」価値観アップデートへの挑戦
世界中の人に最善の矯正治療を届けるため、オンラインで歯科矯正をサポートするBrace。「新しい歯科の常識」を日本の当たり前にすべく、事業をスタートした代表の吉住へのインタビューです。
サービスを開始して3ヵ月です。順調ですか?
開始前に市場調査をしている時から手応えは感じていました。実際にサービスを紹介したクリニックは、事業のアイデアやサービス内容に共感し、導入して下さっていると強く感じています。
今はb-orthoを患者さんに届けていくため、サービスレベルを確立させているフェーズです。これから拡大する時には、多くのクリニックから問い合わせをいただける手応えはあります。
これまで全国で矯正治療をされてきました。クリニックからどんなご相談が多いですか?
東京歯科大学矯正科にいる頃は、大学で週3−4日臨床しながら、残りの日は矯正歯科医として様々なクリニックに出向いていました。全国から需要があり、熊本、四国など遠方も含めて毎月7-8箇所通っていましたね。
GPの先生のご相談は、当時から大きく変わっていません。「矯正治療の需要はあるけれど自分で治療できない」「自分で矯正治療をしたいけれど対応できる範囲がわからない」というものです。また、開業医の場合、治療の他にも経営課題がたくさんあります。包括的な医療を提供する際に、矯正治療も武器にしたいと考えている先生、新しいことをインプットし、アウトプットもできる先生は、b-orthoのサービスと相性が良いと思います。
なぜ矯正歯科のDXに取り組もうと思ったのですか?
以前から矯正歯科はデジタルと相性が良いと思っていました。なぜなら、外科処置をする歯科医師と異なり、矯正歯科は手技も大事ですが、考えることが多く、診断や患者さんとのコミュニケーションが最も大事だからです。
開業後に治療と経営の全てをこなす中で「有限な自分の時間を患者さんに向き合う時間にあてたい、それ以外の時間を減らしたい」と強く思うようになりました。矯正治療の期間は長いので、患者さんの人生に向き合うような感覚です。だからこそ、自分ではなくデジタルにできることは置き換えたい。その問題意識と挑戦が今に繋がっています。
いつ頃からの構想ですか?今後はどうしますか?
考え始めたのは8年くらい前から。高校時代から哲学が好きで、ICU(国際基督教大学)では哲学を専攻していました。矯正歯科医を目指すきっかけは、アメリカ留学時代に矯正治療で知り合った先生に影響を受けて、コミュニケーションに興味を持ったことが大きいです。人間にしかできない人間らしさを仕事で出していきたい、人と人とのコミュニケーションを増やしていくために、そうでないものをデジタルに置き換えたいと思うようになりました。
米国と日本の矯正治療の差は、いまだに大きく開いています。規制の多い日本ですので、新しいことをする時は、様々なところに働きかけて、理解者を増やし、徐々に常識として定着させていきたい。矯正歯科はデジタルと相性が良いのは事実です。多くの患者さんにサービスを届けるために、手が届く価格帯で提供することも大事だと思っていて、b-orthoは解決できると自負しています。
Braceドクターやスタッフの働き方について思うことは?
サービス内容がオンライン中心のため、社員の業務もオンラインで全て完結できる内容になります。そのため、場所はどこでも関係ありません。
開業してから職場は女性ばかりだったので、ライフステージの変化で離職してしまうことが多く、課題を持っていました。Braceは、プロ人材がオンラインで働くプラットフォームのように、働きやすい環境に整えていきたい。
働くことで社会とつながりますし、仲間がいればより楽しく仕事ができます。また、歯科勤務者が株式会社に属することは、今までと違う社会経験ができて、新たな気持ちでやりがいにもつながると思います。
法人として一つの方向に向かって、リモートでもチームワークで仕事をすることは、これからの新しい働き方になるのではないでしょうか。
グローバル展開については?
Braceとして、海外でサービスを展開できるようにしていきたいです。矯正の先生がいないエリアに、先生がいる場合と同等の医療をオンラインでサポートすることができます。テクノロジーの発達で、言葉の壁は少なくなってきているため、オンラインで通信が途絶えずコミュニケーションできる環境さえ整えば、絶対に実現できると思っています。
日本のサービスとして海外に展開し、矯正治療が身近にできるという価値観を世界中に広げていきたい。日本人は歯並びが悪いこともあって、矯正歯科のレベルが高いと言われます。矯正治療のオンラインサポートは、日本人だからこそできるサービスであり、価値観だと思います。まずはアジアから取り組み、しっかり準備をして5年以内には世界に広げたいと考えています。
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