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詩 少女性

黄色い花弁が風に揺れる
それは髪をなびかせる少女のよう
物憂げに揺れる細い身体
悩ましげに微かに俯くその姿

あれは あの夏に取り残してきた少女性だ

夏の熱にうなされて 陽炎の彼方に淡く輝く
幼いままの私を 大人たちは許してくれなかった

遠くなる雷鳴が 少女時代に終わりを告げる
もう少しこのままでいられるなら
夕立に濡れてたたずもう
きっとすぐに止んでしまうのだろうけど

少女性を纏った向日葵が
今年もまた揺れている
わたしはそれに背を向けて
街の中に今日も繰り出す

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