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【エッセイ】虚無の時間の過ごし方

アポが終わり、束の間のカフェでのランチタイム。
転職エージェントから送られた求人を見ながらキノコのサラダを食べる。


この年末はいつも以上に激動の毎日だった。

転職エージェントに登録したその日から、
なぜか仕事が好調だった。


プロジェクトのリーダーに抜擢され、初めの役割に翻弄され、営業のアポイントも次々と入いり、それに比例して契約も3日に1度取れた。

さらに資産家のご婦人から「20年経っても担当でいて欲しい」とのありがたい言葉。

まるで運命が転職させないように作用しているみたいだった。


おまけに電車の中では友達の会社のSNS投稿の手伝い。転職する暇も、大好きな怖い話を読む時間もなかった。

やっとそんな日々に、一区切りがつき、数ヶ月ぶりのランチタイムだ。

この数ヶ月虚無の時間を持てていなかったことに気づく。

虚無の時間は、将来への不安をさらに増幅させる。
あえて、虚無の時間を持とうとしていなかったのかもしれない。
目の前の仕事で埋まればこの不安は一時的に消えていく。会社員にとってふりかかる仕事は、麻薬のようだ。
そこに甘えていれば、何も感じずにいられる。

いつも現状に不満を感じている私を見兼ねて、あるとき後輩のギャルが言った言葉を思い出す。「何が不満なのか全く分からない。私は全く現状に不満なんてないですけどね。憧れとかないですもん」

なるほど、私は人に憧れてるから現状に不満がつのるのか。

だとしたら私は誰に対して憧れを抱いているんだろう。

①センスの良い人?
②スタイルの良い人?

なんだか冒頭の趣旨(将来への不安)とは違う流れになりそうな気がするが、面白そうなので、掘り下げてみよう。

①私はそもそも収集癖がある。
好きなブランドは、新作が出ると欲しくなる。
ただある時気づいた。いや、うすうす前から分かっていた。同一のブランドで固めるのは、「なんとかの一つ覚え」のようだなと。


センスのある人はその季節に流行りのブランドアイテムをさりげなく身に付けている。

そういう人を見かけた時に、あーセンスのある人には敵わないなと感じる。

流行りを知っているなら、それを買えば良いではないかと思うかもしれないが、

何故か私が買って身に付けると急にダサくなるのだ。

もはや自分のセンスは信用していない。


②スタイルの良い人
これに関しては、産後太りがひどく、自分でも産後から4年に渡りずっとダイエットをしているがなかなか痩せないためである。

お風呂前はプランク3〜5分
お風呂に入ってる間は顔の体操。足のマッサージ
お風呂をあがってからは、1時間くらい掛けて、フォームローラー、ストレッチに時間を費やしている。(4歳の娘も横でやってる)

毎日これを繰り返してもう1年は経とうとしているが、産後5キロくらいしか落ちていない。

産前と比べると10キロくらい増えたはずなのに、おかしい、、。


食事制限(夜の白ご飯抜き、昼サラダチキン)生活も続けているが、

なかなか減らない。
数ヶ月ぶりに会ったママ友に痩せたねーと言われたが、そのママ友はケーキを1日3つ食べ、くら寿司を10皿食べ、3人の子供を生んでいるのに、私より8キロは細い。
足の細さはNiziUのレベルだ。

もう、もともと華奢な人にはもう敵わない。


①②を兼ね備えた人に対しては憧れを持っているが、私の感じてる不満はそこなのか?


45分が経とうとしている。昼休みは1時間だ。そろそろカフェを出ねばならない。

せっかくの虚無の時間をくだらない妄想で終えてしまう。

当初の予定の転職活動はどこへいったのか。
また将来への不安から目を背けてしまった。


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