【エッセイ】学資保険と6月の白花
「父親が亡くなりました。」
一通のメッセージが入る。
私は通勤のため乗っていた電車を飛び降り、
急いでメッセージの送り主に電話をかける。
声の主は、3年前に学資保険に加入された原田さんの娘さんだった。
私は原田さんの資産運用相談の担当だった。
学資保険は親から子へかけることが多いが、当時68歳だった原田さんはお孫さんへ学資保険をかけたいとのご意向だった。
原田さんの奥様は早くに他界し、男手ひとつで娘さんを育てられ、その娘さんは未婚の母だった。
原田さんは淡路島で農家をしおり