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国産コーヒーは存在するの?
結論から申し上げると、存在はしていますが日本国内生産のコーヒー豆はごくわずかです。
世の中に流通しているほとんどが外国産で、なぜ国内生産のコーヒー豆が希少なのでしょうか?その理由はコーヒー豆が収穫されるコーヒーノキの栽培条件にあります。
この記事ではコーヒーノキについてや、コーヒー豆の産地についてご紹介していきます!
コーヒーができるまで
普段口にしているコーヒーがどのようにできるのか、皆さんご存じでしょうか?コーヒーノキから豆を収穫して完成というわけではありません。
飲み物としてのコーヒーができるまでは、大まかにこのような工程となっています。
コーヒーノキの栽培
コーヒーノキから種子を収穫
収穫した種子を精製 ←ここで「生豆」が精製されます
生豆を焙煎して「コーヒー豆」を製造
コーヒー豆を粉砕、抽出→コーヒーの完成!
今回は1.コーヒーノキの栽培について解説していきますね。
コーヒーノキとは?
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コーヒーノキとはアカネ科の常緑樹です。コーヒーの見た目とは反して色鮮やかな緑色の葉と赤い果肉を熟しています。
観葉植物としても人気が高く、園芸店などに行くと苗木が売られていることもあります。
一概にコーヒーノキと言っても大きく3種類に分かれます。
世界で最初のコーヒー、アラビカ種
コーヒーノキの中でも一番メジャーな種類で、全世界の75%~80%を占める栽培率を誇っています。世界で初のコーヒーと言われています。
普段コーヒーショップで販売されている焙煎豆や、カフェで提供されるコーヒーのほとんどはこのアラビカ種です。
エチオピアのアビシニア高原が原産とされています。
香りや風味が良いとされていますが、病虫害に弱いというのが特徴です。
病気に強いカネフォーラ種
ロブスタ種とも呼ばれているカネフォーラ種は、アラビカ種と比べて耐病性に優れており、栽培しやすく収穫量が多いのが特徴です。
世界的にみると流通量が20%~30%とアラビカ種に続いて2位の位置づけです。
栽培しやすい一方で香りや味わいがイマイチだとされており、安く取引されています。その原因は独特の土臭さやカフェインの含有量と言われていますね。
一般的にはインスタントコーヒーや缶コーヒーに使われています。
さび病に強いリベリカ種
アラビカ種、カネフォーラ種と並んでコーヒーの三原種と呼ばれているリベリカ種。香りや風味はアラビカ種とカネフォーラ種の中間と言われています。
ほぼ世界には流通しておらず、西アフリカやフィリピン、インドネシアで栽培、流通しています。
100種類以上存在しているコーヒーノキ
今や世界には100種類以上のコーヒーノキが存在しているとされています。
より収穫できる、より簡単に栽培できる、よりおいしくできる様に品種改良がおこなわれています。
コーヒーノキは”わがまま”!?厳しい栽培条件
コーヒーノキを栽培するには、雨量・温度・日当たり・土壌の4つの条件が必須だといわれています。
(1)雨が降りすぎても、降らなすぎてもダメ
コーヒーノキの成長に水は欠かせません。適量とされている雨量は、年間1,500~2,500mmとされています。
大切なことは乾季と雨期が分かれていることで、収穫時に乾燥していないといけないといった理由から、そういわれています。
(2)暑くても寒くてもダメ
コーヒーノキの適温は15℃~20℃とされています。特に寒さには弱く、5℃と下回ってしまうと枯れてしまいます…。
特にアラビカ種は高温多湿を嫌い、急斜面の標高1,000m~2,000mでしか栽培できないといわれているほどです。
(3)日光は欠かせない、しかし浴びすぎもダメ
植物の生長には日光が欠かせませんが、コーヒーノキは日光を浴びすぎると元気をなくしてしまうといった特性があります。
そのためバナナといった背の高い樹木(シェードツリー)と一緒に植える、シェード栽培が有名です。
(4)土質が良くないとダメ
土壌についてはこう定義されています。
有機性に富んだ火山灰土質。湿り気のある水はけの良い肥沃。
小難しい言葉が多いですが、「栄養素に富んだ水はけの良い火山灰質の土」が適しているということですね。
コーヒーノキが生産できる地域 コーヒーベルト
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厳しい栽培条件をクリアする場所は限られており、コーヒノキを栽培している国々をコーヒーベルトと呼んでいます。
南回帰線から北回帰線までの熱帯・亜熱帯地域が挙げられます。
アフリカや東南アジア、中南米、ハワイが代表的です。
ですが、そのほとんどが自生しているわけではなく、17世紀以降に人の手によって持ち込まれたものです。
野生のコーヒーノキはアフリカ大陸、インド半島沿岸部からオーストラリア北東部にかけて分布されています。
日本はコーヒーベルトに含まれていない?
厳密には日本はコーヒーベルトには含まれていません。
しかし、沖縄や小笠原諸島などでは栽培可能です。
明治時代には小笠原諸島で栽培が開始されました。
さらに沖縄や日本統治時代の台湾などでも栽培が試みられましたが、定着するまでの成果がみられませんでした。
そのため、日本国産のコーヒー豆は数が少ないということです。
貴重な国産コーヒー豆のご紹介
ここからは日本国内で栽培しているコーヒー豆のご紹介をしていきます!
小笠原コーヒー
日本で初めてコーヒーノキが栽培されたのが小笠原諸島と言われています。
現在も、野瀬農園さんがコーヒーノキを栽培しています。
2023年7月16日現在、生豆・焙煎豆ともに現地でツアーに参加しないと購入できない幻の一品と呼ばれるコーヒーです!
沖縄コーヒー
日本国内で最も盛んなコーヒー栽培と言っても過言ではない、沖縄コーヒー。
2007年に一般社団法人沖縄コーヒー協会が設立され、2020年にはコーヒーサミットが開催されました!
2023年7月16日現在、生豆の販売はされていますが、台風被害で生産量が安定しないため300gまでとなっています。
その他地域
鹿児島県の沖永良部島でもコーヒーノキが栽培されていたりなど、南国を中心にコーヒーノキが栽培されています!
まとめ
ここまでコーヒーノキの栽培条件や産地についてご紹介してきました。
国産コーヒー豆は数は少ないものの、栽培・販売されています!
ぜひ気になる方は購入されてみてはいかがでしょうか!?
筆者はもう少し焙煎が上手になったら、国産コーヒー豆の焙煎に挑戦してみようと思っています!!!
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!