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赤い本を集めてみた
イントロダクション
少しずつ秋の訪れを感じながら、以前書いた記事を思い出していました。
秋はどうしてこうも人を優しく包んでくれるのでしょうか。銀杏や金木犀のような色や香りだけでなく、空気がきっとそうさせるのだと思います。
この空気を感じること、それは五感を通して得られる第2の感性(第六感とはまた違う意味での)ともいえるのではないでしょうか。それらを身に付けた時、人生の彩りがより濃くなるように思うのです。
その感性自体が、季節の移ろいを求めるのか、はたまた季節がその感性を引き出すのか、考えれば考えるほど抽象的で、哲学的でとても面白いと思うのです。
そしてその考えの営みが、日本語を通して行われることは、日本語の美しさや、たおやかさを感じるきっかけにもなっている気がします。
さて、そんな待ち遠しい秋を待つ今、ふとある「色」が頭に浮かびました。それは、「赤」です。
日本にいると紅葉の赤の濃さに目を奪われます。今、外国にいるからこそ、多くの海外からの観光客が、日本の紅葉の美しさを求めて訪れる気持ちが本当によくわかります。
さらに日本語には、たくさんの赤色がありますね。深紅、朱、茜、色彩豊かな四季がある「日本ならでは」なのでしょうか。
百人一首にも、いくつか紅葉を詠んだ句がありますね。私がとりわけ好きなのは
小倉山 峰のもみぢ葉心あらば 今ひとたびのみゆき 待たなむ
中学生の時、国語の時間にこの句を教えてもらいました。百人一首をすべて空で覚えるくらい勉強させられたとも言いますが・・・。
紅葉に意思があるのなら、という感性そのものがノスタルジックで、ロマンチックで素敵だな、と子どもながらに思ったものです。
さて、そろそろ本題に行きましょうか。そんな秋を象徴する「赤」にあやかって「赤い本」を自分の視点で集めてみました。たまにはこういう選書もいいかなとにやりとしています。
「赤い指」 東野 圭吾
1冊目は、タイトルまんまの「赤い指」、東野圭吾さんの作品です。日本にいたころ、読書メーターでおすすめしてもらい、某フリマアプリにて購入しました。
フリマアプリは、今振り返るととっても便利だったなあと思います。ブックオフなどの古書店で購入してもよいのですが、家にいながらっていうのが、利便性を高めていると思います。
おすすめしていただいたので、読んでみました。『希望の糸』の後に読みましたが、やはりセットで読むとさらに奥深かった。タイトルの赤い指が事件解決の一手となっているところが良かった。 一つの家族が向き合った先にあった真実は、誰もが見逃してはいけないものであり、自分たちの手でやり直さなければいけないものだと感じた。加賀父子の謎も解けたのでスッキリした。
赤と青のエスキース 青山 美智子
青山さんの作品が好きで、この作品の後に刊行された作品も読み続けています。
作者の前作が好きで購入した。物語を包み込むかのような「赤」と「青」そのコントラストから色々な想像が広がっていく展開がとても気に入った。愛をテーマにした単なる青春小説かと読み始めは思ったが、この「愛」は非常に普遍的であり、情熱的な赤でもあり、凪いだ海のような青でもあり、様々な年代の人に読んでもらいたいと思った。
やはり、「赤」といえば情熱の赤も想起しますね。赤く燃える炎のような、温かさ。そしてそれははかなく、一瞬のことの時もあるのかもしれません。
赤と青のガウン 彬子女王
話題に挙がっていたので読了。彬子女王によるオックスフォード留学記です。流れるような文体のエッセイに感銘、そして学び続けることの大切さを改めて教えてくれた1冊でもあります。
今から、10年以上前になるが、自分も少なからず留学経験がある。しかし、その経験を凌駕する体験と勉学の積み重ねをこの作品から学ぶことができた。私のちっぽけな経験とは比べ物にはならないほど、一人の人間としてのたくましさと、強さそしてひたむきさに、ただただ、脱帽である。そして、彬子女王という固有名詞を越えた彼女自身との本を通しての出会いに感謝である。私も、もう少し海外の地で頑張っていきたい。そして自分の学び、その研鑽の積み重ねを彼女に重ねられるような人になる。苦学力行、石の上にも3年。自分を作ることを忘れずに。
はっきりとした色だから
エッセイではないので、コンクルージョンとはいきませんが「赤」をテーマにいくつか選書をしてみました。
選書をして、読書録を振り返ることで自分の中のそれぞれの本に対する感想や、想いもより鮮明に思い出すことができます。
それは「赤」にも似た性質を感じます。子どものころ一番好きだった色「赤」今はそうでもないけれど、そんな懐かしさを胸に抱きながら、書き収めたいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。秋はまだまだ続きます。読書の秋にちなんで選書を続けていきたいと思います。
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