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【Solidworks】配線やパイプを簡単に描く方法

こんにちは、『あったらいいね!』と申します。

Solidworks 使用歴27年生の設計者です。

ここでは実際の設計現場では、「こんな使い方もしているよ」という
実践的な使い方 をご紹介します。

今回は 3次元CAD「Solidworks」で、【配線やハイプを簡単に描く】方法のご紹介です。


1.配線って 意外と難しくないですか?

製品の設計を行っていると、基板やモーター、センサーといった 電気部品も配置しながら検討を行います。

その時、つい疎かになってしまうのが、【配線】です。

電気部品には必ず 配線が必要になります。
そして『どこを、どうやって通すか』の配線ルートを決めておかないと、後で無理やり繋いで、痛い目を見たりします。

この【配線ルート】をCADで決めるのって、意外と難しくないですか?

私が主に使っているのは、Solidworks の「standard」版です。

Solidworks にはその他、「professional」「Premium」2つラインナップがあり、上位版ほど沢山の機能を使用することが出来ます。

そして最上位の「Premium」なら、『Solidworks Routing』という、配管や配線に特化した機能が使えます。

使ったことが無いので予想ですが、この『Solidworks Routing』ならば きっと、配線を簡単に書くことが出来るのでしょうかね。

でも弊社のように、「上位版を使うほど、使用頻度は無いんだけど・・・」という場合もあるのではないでしょうか。

「standard」と「Premium」の値段差は、約1.5倍。
その差額に見合うだけの業務量が無いのであれば、どうにか工夫をして「standard」で対応したい所ですよね。

そこで今回は 「Standard」の機能だけで、配線やパイプ設計の効率化を図りたいと思います。



2.「3D」スケッチだけでルート決めは難しい

Solidworks で配線(ワイヤーケーブル)を描くコマンドとして、「3Dスケッチ」があります。

「3Dスケッチ」は、3次元空間に自由にスケッチが出来る便利な機能です。

X,Y,Zの各軸に跨ったルートなどは、簡単に作ることが出来ます。
「これを使えば、配管や配線の設計は簡単なのでは?」と思うのですが・・・・

しかし実際の設計では、「3Dスケッチ」の前に 2つの座標軸を交互に見比べスペース確認します。

それで問題なければ「3Dスケッチ」を使って、X,Y,Zの各軸に跨ったスケッチを作成しています。

この手順は、
 2つの座標軸を交互に見ることで、頭の中に3次元ルートをまず作る。

「3Dスケッチ」で頭の中で決定したルートをトレース。
となります。

この『2つの座標を交互に見比べる』のが結構大変で、空間を斜めに横切る」などの場合などは、別途、斜めの断面を作るなど手間を掛けないと確認が出来ない場合もあります。

このように3Dスケッチをする場合、2次元画面を切換えながら、頭の中で3次元化をする必要があるので難しく感じるのただと思います。

個人的な感想ですが、「すでに配線設計が出来ていて、それをモデリングする」のであれば、3Dスケッチは有効です。

しかし「空間を見ながら配線位置を決めていく」には、まだまだ使いにくい機能と感じます。


3. ポイントは2つのスケッチを組み合わせる

実設計においての配線設計は、上から見たり横から見たりと、空いた空間を探しながらルートを決めます。

上から見てルートの狙いを付け、横から見て奥行を確認するという、2面を見て3次元の確認をしているのです。

それならば、「上からのスケッチと横からのスケッチを一緒にすればいいのでは?」と思う方。

その通りです!

そしてSolidworks には、そのコマンドが備わっています。


では早速『2つの2Dスケッチから、1つの3Dスケッチ』を描いてみます。

題材として図の赤線のように、左下側のボリュームと右上側のケーブル出口を繋ぐ配線ルートを作ってみます。


4.まず上からのスケッチを描く

まずはケースの上面から見て、通したいルートをスケッチします。

ケーブル(緑の部品)の<部品編集>をクリックして正面を選びスケッチします。
この時、ケーブルの面でなくとも、上面視の方向ならケース面でもどこの面でもokです。

図では適当に経路を書きましたが、実際の設計ではモーターがあったりギヤを避けたりと、もう少し複雑になると思います。


5.右側面のスケッチを描く

次に右側面から見て、通したいルートをスケッチします。

ケーブル(緑の部品)の右側面を選びスケッチします。


『3Dスケッチ』の場合、上面からと側面からの 2面を交互に比べながら、3次元空間にスケッチを描きます。

この方法の場合には、2つの側面から見て避けるべき部品を逃げたルートを描くだけです。
奥行方向は考慮する必要はありません


6. 2つのスケッチを投影する

2つのスケッチを1つにするコマンドは『投影』です。

<挿入>→<カーブ>→<投影>を選びます。

<選択アイテム>で<スケッチ上にスケッチ>を選び、2つのスケッチをクリックします。

これで3Dスケッチができました。

図中の黄色い線が、2つのスケッチを1つにした『3Dスケッチ』です。


7. 断面を描いてスイープすれば完成

ケーブル端面にハーネス断面をスケッチして、先ほど投影したスケッチとで<スイープ>すれば、3次元の配線が出来上がります。

何も無い空間に適当にルートを決めるなら<3Dスケッチ>のほうが早いです。

でも部品を避けたり、フッキングの場所が決まっていたり、設計要件が増えると、こちらのやり方が早い場合が多いと思います。

両方を上手く使い分けて、配線/配管のルーティングを効率化してください


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