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【ちょいネタバレあり】Card Shark

 18世紀のフランスを舞台に(たぶん実在する)イカサマをするだけのゲーム……と思いきや、ストーリーもしっかりしていて、翻訳も良く、おすすめです。生まれつき話せない主人公が謎多き魅力的な悪党サンジェルマン伯爵と出会い、イカサマを仕込まれながら旅をして、王の私生児にまつわる秘密に迫っていくお話。裏切りと陰謀渦巻く世界ですが、グラフィックとBGMのおかげでドロドロした雰囲気にはなっていません。

 カードのルールを理解する必要はなくてイカサマ成功=勝利ですが、素早く正確な操作、記憶力、トリックの理解力は求められ、けっこう難しいです。難易度を下げてもそこまで簡単にはなりませんので練習は必要になります。まあ、その失敗は許されない一瞬の操作がイカサマ師っぽいスリル感になっているのは間違いないです。(トリック部分を飛ばしてストーリーを進める救済措置はあります)

 最後の勝負で、主人公はイカサマで誰を勝たせるか選べる状況になり、誰を選んだかでエンディングが変わります。全て見るのに周回する必要はなく、クリアしても最後の勝負直前のセーブデータが残っている親切設計です。

 その後、他人のテーブルでイカサマを目撃した主人公が、カードを手に取るか、見なかったことにするか、という選択があります。どちらを選んでもエンドロールに行くだけの一見無意味な選択ですが、ここがすごく良いなと思いました。カードもイカサマも遠い過去なのか、まだ彼の中に生きているのか、それを決めるのは二人と共に旅をしたプレイヤー自身なのでしょう。



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