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【読書感想文#23】 丁寧道  著者:武田双雲

面白かった!

理由は3つある

①道という概念
②老子と孔子と時代の話
③自分のいい感覚を日常に広げていく

面白かった理由①
道という概念

武田双雲さんは元々書道家である。そのため"道"とは何か?!を調べたという事が書いてある。道の期限は中国の思想家の老子が提唱した道(タオ)から来ているとの事。曰く、道とは『作為的(主観的・意図的)ではないのに何かを為している』という事だそうだ。よくわからないため本書の中では自然の例え話がある。森や川や海は何かをしようとしていないがあるだけで人を癒したりあるだけで大きな役割りを為していたりする。ただそれを森や川などはそれを作為的にしてませんよね。みたいな例え話がある。丁寧道とは丁寧にするからどうとか何かを得られるとかやり方の話ではなく。あり方の話。

日本には神道、華道、茶道、空手道、、、様々な物が道(どう)として捉えられ伝えられてきた。道(どう)の概念はなんとなくは知っていたが言語化されて整理された。この本では丁寧にする!という事を道と捉え丁寧道とするところが面白かった。


面白かった理由②
老子と孔子と時代の話

本の中で老子と孔子の話が出てくる。老子と孔子はどちらかと言うと正反対の概念を掲げている。そしてそれはどちらがいいとか悪いではなく時代と共に流行り廃りがある。本書の中で明治から昭和の時代にかけてはどちらかと言うと孔子的な考え方の"何者かになる""社会的に偉くなる""こうあらねば"といった外側に答えを求める時代だったが平成以降はそれに行き詰まりを感じどちらかと言うと老子的な"あるがまま"といった考え方やあり方に立ち返るときではないかと提言している。


面白かった理由③
自分のいい感覚を日常に広げていく

この丁寧道に至った経緯を著者である武田双雲さんは自身の経験を元に書いている。元々武田早雲さんは『落ち着きがない、集中力がない』と通信簿に書かれるような子供でADHDの傾向があると専門医に言われていろいろと腑に落ちたと仰っている。そんな落ち着きがなく集中力がない多動性を持った武田双雲さんでも書道をする時は心が落ち着き丁寧に心が穏やかになる時間だったとの事。30代になった時に武田双雲さんは『日常生活に書道の感覚を応用すればいいのではないか』とハッと気づいたという。それがこの丁寧道の始まりでその時から歯磨きや食事や着替えなどの所作を書道の時のように丁寧に始めたとのこと。

誰しも自分の特性がありいい時やいい感覚がある。それが著者の場合は書道だった。自分も自分にとってのいい感覚を再現しそれを日常生活に応用する。いい感覚で過ごし心を整える丁寧に暮らし丁寧に生きる。それが丁寧道なのかもしれないな。とか思った。

自分も少し丁寧を意識したくなった。

面白かった。

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