【雅楽千年の伝統】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)08月09日(火)【雅楽下熊健 主催公演】
纐纈拓也(龍笛・朗詠三句)
小島篤美(笙)
間東優香(龍笛・鉦鼓)
岡庭健(篳篥)
下宮弘聖(鞨鼓・朗詠一句・琵琶)
熊井戸啓貴(箏・朗詠二句・太鼓)
『平調音取』
今日の始まりは平調から。平調の音取ね。篳篥で習いました。吹けませんでした。もう唱歌も覚えていないのでイタリア語で言ってしまいますが、「シーラシファーミシ」の低い「ミ」!!! そんな低くめらせないよ!!! 『日本楽器法』にもそんな低音出るって書いてないよ!!! でも、プロは出せるんですねえ。
『越天楽 残楽 二返』
平調の越天楽です。残楽は「三返」がよくCDになっていますが、今日は「二返」でした。前半のプログラムは打ち物がいなかったので、全体的にコンパクトでした。残楽の聴きどころは、篳篥の旋律の切れ目と、箏の普段見せない装飾性です。1巡目はしっかり吹くのでメロディを覚えましょう。2巡目からは笙が黙り、龍笛も黙り、そして篳篥はところどころ黙ります。その切れ目に、頭の中で「あんなメロディだったな」というのを思い浮かべながら聴く、ということをします。これが残楽。ついには篳篥も完全に黙り、琵琶も弾き終え、残るは箏のみ。グリッサンドを交えて終盤の主役になります。
一番前の席で見ていたのですが、琵琶は本当に開放絃の半音上は出ないのですね。だって柱が無いからね。箏の指の鶏足を見ました。本当、なんであんなポーズをとるんでしょうか。お作法なんですねえ。
『朗詠春過』
歌物はあまり好まないので普段CDでも聴かないのですが、漢詩を歌う朗詠です。メリスマ~! って感じでした。渦を巻くように唸るんですねえ。あれは歌詞を聴くものというよりは、歌声を聴くものなんじゃないかな。朗々と歌っていました。良い声でした。
『陵王一具』
蘭陵王。FGOのサーヴァントです。大体いつもは当曲だけやるんじゃないですか? 今日は全部です。龍笛と打ち物だけが伴奏する中、舞人が入って来て、舞います。いつ見てもお面が怖い。目玉ギョロギョロ、鼻もとんがって、天辺に龍が付いてる。「囀」という部分を今日プログラムで初めて知ったのですが、あれはどこだったのかな。無音部分かな。舞人の息遣いが聞こえて来ました。45分舞い続けるって凄くない? 恰好良かったです。ところで、舞人は誰だったんだろう。司会者は「時空を超えて蘭陵王本人をお呼びしました」って言ってたよ。
『太食調音取』『長慶子』
舞楽の締めというと長慶子。1000年前に源博雅が作った曲だよ。今でも名前が残って、演奏されてるんですねえ。私も1000年先に名前を残したい。