権太夫(┰д┰)

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【閻惠昌と香港中楽団】今日行ったコンサートの感想:令和05年(2023年)03月31日(金)【2023 Japan Tour】

指揮:閻惠昌  チューニングを聴いているだけで、ああ! 中華ファンタジー! と期待が高まった。二胡の官能的な音色、横笛の鄙びた音色、どれも美しい! 「革胡」という、中華チェロ、及びコントラバスを初めて知りました。あれはいつ開発された楽器なのだろう。伝統楽器なのだろうか。そして設置された巨大な笙! あれも口で吹くんですね! 洋楽器としてティンパニとシンバル、チューブラー・ベルズとヴィブラフォンがいましたが、馴染んでました。 伍卓賢『真』(「極」第6楽章)  今日の曲目の中で

    • 【伶楽舎】今日行ったコンサートの感想:令和05年(2023年)01月28日(土)【第十六回雅楽演奏会】

      管絃『太食調音取』『仙遊霞』『合歓塩』  パンフレットの解説がかなり詳しい。寺内直子なだけある。『太食調音取』だけで1ページ以上ある。中国の調式や教会旋法などを動員している。私もやった。まとめると、「太食調はホ長調に近いので、箏のGis音に注目してね!」ということ。  『合歓塩』って『太平楽急』だったんですね。知りませんでした。「太平楽道行 = 朝小子」「太平楽破 = 武昌楽」「太平楽急 = 合歓塩」だそうです。 舞楽『春庭花』  春の調子・双調の曲。新春に良いですね。今日

      • 【日本音楽集団】今日行ったコンサートの感想:令和05年(2023年)01月20日(金)【作曲家との火花】

         日本作曲家協議会との共催企画で全曲新曲初演。挑戦的なプログラム。これからも攻めて行って欲しい。 山本 準『いざ出でむ雪見にころぶ所まで 邦楽七重奏のための』公募選出 初演  5音音階だったのかな。作曲技法が調的で単純だと思いました。夏の楽章は攻めてて好きだった。 遠藤 雅夫『ランドスケープ 秋和 邦楽アンサンブルのために』公募選出 初演  始まると巫女鈴を持った人が入って来る。場の空気が引き締められるというか、緊張感のある音がする。メインの楽器は琵琶弾き語り。声ネタがあ

        • 【東京楽所】今日行ったコンサートの感想:令和05年(2023年)01月14日(土)【春鶯囀一具】

          出演:東京楽所 『振鉾三節』  省略されることの多い『振鉾』をきちんと三節まで聴けるとはありがたい。絶対見た方が良い。左舞の龍笛、右舞の高麗笛が、ただでさえヘテロフォニーでカオスなのに、三節では同時に演奏される。ミヨーの絃楽四重奏曲に、第14番と第15番を同時に演奏することで絃楽八重奏曲になる、というものがあって、それを思い出した。舞は、左舞の赤、右舞の緑が良い対比になっていた。左右が同時に舞台に上がるって、他には無いよね。面白いものを見ました。 『春鶯囀一具』  余りに

        【閻惠昌と香港中楽団】今日行ったコンサートの感想:令和05年(2023年)03月31日(金)【2023 Japan Tour】

        • 【伶楽舎】今日行ったコンサートの感想:令和05年(2023年)01月28日(土)【第十六回雅楽演奏会】

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          【諸井三郎】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)12月11日(日)【糀場富美子】

          設立20周年記念連続演奏会Ⅱ 指揮:野平一郎 ピアノ:阪田知樹 管絃楽:オーケストラ・ニッポニカ 藤家溪子『思い出す ひとびとのしぐさを』平成06年(1994年)  よく分からない。せっかくオーケストラという、普遍的・抽象的・中立的な媒体を使っているんだから、突然チャイニーズ・シンバルを鳴らして京劇にしたり、スチール・ドラムを鳴らしてカリブ海にしないで欲しい。民族性の主張の内、悪い部類に入る。 藤倉大『トカール・イ・ルチャール』平成22/23年(2010/2011年)

          【諸井三郎】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)12月11日(日)【糀場富美子】

          【雅楽下熊健】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)11月19日(土)【雅楽稀曲の試み】

          下宮弘聖 熊井戸啓貴 岡庭健(雅楽下熊健) 安齋省吾(客演) 藤脇亮 カニササレアヤコ 音無史哉 〆野護元(助演) 雅楽稀曲の試み 謡物 平調音取(ひょうじょうのねとり)  今日は越天楽ではありませんが、雅楽と言えば越天楽、越天楽と言えば平調、というわけで一番多く聴くのが平調の音取だと思います。私も一応習ったんですけど、イタリア語で言ってしまいますが「シーラシーファーミーシ」の下のミが出ません。篳篥をめらすのは難しいのです。 催馬楽「西寺」(さいばら「にしでら」)  

          【雅楽下熊健】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)11月19日(土)【雅楽稀曲の試み】

          【一柳慧】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)10月25日(火)【ヴァレーズ】

              指揮:シルヴァン・カンブルラン ヴァイオリン:成田 達輝    三味線:本條 秀慈郎    管絃楽:読売日本交響楽団 ドビュッシー『遊戯』  Not for me. 一柳慧『ヴァイオリンと三味線の為の二重協奏曲』  小さな編成、大人しい音楽。伴奏は絃5部と打楽器が4人、管楽器は無し。ヴァイオリンも三絃も激しくソロを掻き鳴らすということはなかった。ヴァイオリンが重音奏法を聞かせてくれると、私は簡単に喜んでしまう。三味線は決して民族的ではなかった。抽象的な音楽の鑑。一

          【一柳慧】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)10月25日(火)【ヴァレーズ】

          【別宮貞雄】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)09月30日(金)【生誕100年記念:協奏三景】

                 指揮:下野 竜也    ヴァイオリン:南 紫音      ヴィオラ:ティモシー・リダウト       チェロ:岡本 侑也 コンサートマスター:山本 友重       管絃楽:東京都交響楽団 『チェロ協奏曲「秋」』(1997/2001)  別宮貞雄の中で最も美しい音楽ではないでしょうか。寂しい。悲しい。叙情的。つらい思い出も、それらを乗り越えて、前を向いて行きていかなくてはならないのです。  前々から古典的だなとは思っていましたが、編成が2管編成でトロンボーンも

          【別宮貞雄】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)09月30日(金)【生誕100年記念:協奏三景】

          【カムイチカプ交響曲】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)09月25日(日)【ケンタウルス・ユニット】

           コントラバスが左にいた。そしてチェロも左にいた。第2ヴァイオリンは対向配置でした。ヴィオラも内側にいて大満足。 『チカプ』op. 14a  オリジナル版はフルート15本だそうです。今日はフルートだけ4人いる、モーツァルトくらいの小さめのオーケストラ。「チカプ」とは、アイヌ語で「鳥」という意味。デビュー作と言える『朱鷺によせる哀歌』がop. 12なので、近い時期のかなり初期の曲。フルートがぽつぽつと音を出し始め、それが鳥のさえずりになり、木管全体に波及していく。絃楽器は鳥の

          【カムイチカプ交響曲】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)09月25日(日)【ケンタウルス・ユニット】

          Versus AudioのKontakt音源【筑前琵琶】を買いました。

           Versus AudioのKontakt音源【筑前琵琶】を買いました。定価で買ってしまいましたが、結構50%オフセールをやっているようです。  筑前琵琶の解説:琵琶 「筑前四弦琵琶と五弦琵琶」 ~伝統音楽デジタルライブラリー  ちなみに、武満徹の『ノヴェンバー・ステップス』 で使っているのは薩摩琵琶です。  まずはじめに、何もいじらずMIDIノートを置いてみたところ、一番低い音がA2でした。しかし、これはデフォルトのチューニングである〈壱越調〉でした。”SETTING”

          Versus AudioのKontakt音源【筑前琵琶】を買いました。

          【第32回芥川也寸志サントリー作曲賞】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)08月27日(土)【サントリーサマーフェスティバル】

          小野田健太〈第30回受賞記念委嘱作品〉『綺羅星』  うーん。なんというか、フランス系ですね。始めは単音の旋律、後半は和音の応酬でしたが、2台もピアノがいてそれかよ、みたいな。音が燦めいているのは分かりましたが、静かな部分も美しくないし、早い部分も無くて盛り上がりに欠ける。2年前の受賞作もつまらなかったし、仕方無い。 波立裕矢『失われたイノセンスを追う。Ⅱ』  ヒンデミットのワーグナーみたいだったな。コンセプトがベリオの『シンフォニア』的。坂東祐大『ダミエ & ミスマッチ J

          【第32回芥川也寸志サントリー作曲賞】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)08月27日(土)【サントリーサマーフェスティバル】

          【雅楽千年の伝統】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)08月09日(火)【雅楽下熊健 主催公演】

          纐纈拓也(龍笛・朗詠三句) 小島篤美(笙) 間東優香(龍笛・鉦鼓) 岡庭健(篳篥) 下宮弘聖(鞨鼓・朗詠一句・琵琶) 熊井戸啓貴(箏・朗詠二句・太鼓) 『平調音取』  今日の始まりは平調から。平調の音取ね。篳篥で習いました。吹けませんでした。もう唱歌も覚えていないのでイタリア語で言ってしまいますが、「シーラシファーミシ」の低い「ミ」!!! そんな低くめらせないよ!!! 『日本楽器法』にもそんな低音出るって書いてないよ!!! でも、プロは出せるんですねえ。 『越天楽 残楽

          【雅楽千年の伝統】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)08月09日(火)【雅楽下熊健 主催公演】

          【湯浅譲二】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)07月09日(日)【水戸芸術館】

          湯浅譲二(おはなし) 高橋アキ(ピアノ) 工藤あかね(ソプラノ) 木ノ脇道元(フルート) 内山貴博(フルート) 尾池亜美(ヴァイオリン) 山澤慧(チェロ) 安江佐和子(パーカッション) 藤元高輝(指揮) 磯部英彬(エレクトロニクス) 片山杜秀(ナビゲーター) 『ホワイト・ノイズによるイコン』電子音楽(1967)  サーッというホワイト・ノイズ。DTMをしているときにどうしても入ってしまって、どうにかして取り除けないかとオーディオ・インターフェイスを弄ってみたりすることでお馴

          【湯浅譲二】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)07月09日(日)【水戸芸術館】

          【ムソルグスキー】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)06月26日(日)【ボロディン】

          ヴァイオリン:マルク・ブシュコフ 指揮:三ツ橋敬子 演奏:神奈川フィルハーモニー管弦楽団 ムソルグスキー『交響詩「禿山の一夜」』原典版  原典版を初めて聴きましたが、馴染みが無いので面食らった。モソモソしている。そして長い。楽譜を演奏するという観点では素晴らしい演奏だったと思います。しかし、楽譜を作曲するという観点では、これ、良い曲なんですかね? リムスキー=コルサコフ版の方がまとまりもあるし、洗練されてて好きだな……。いや、それも「慣れ」の問題なのかも知れないけど。聴き込

          【ムソルグスキー】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)06月26日(日)【ボロディン】

          【吉松隆】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)06月18日(土)【ベートーヴェン】

          ヴァイオリン:周防亮介 指揮:キンボー・イシイ 演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団 ベートーヴェン『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調』Op. 61  古典派だねって感じ。ホルンも2人しかいないし、ティンパニも主音と属音の2台だけ。昔、「長調の曲は聴く気が起きない」と言っていたら、Cyさんから「長調の曲ですが短調の展開が多いのでどうですか」と勧められたのだった。聴いてみて、結構好みでした。今回のカデンツァは誰のだったのかな。G線の低音から高音まで縦横無尽でした。重音奏法が恰好良か

          【吉松隆】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)06月18日(土)【ベートーヴェン】

          【武満徹作曲賞】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)05月29日(日)【審査員:ブライアン・ファーニホウ】

          室元拓人(日本)『ケベス─火群の環』  ギリシャ語か何かかな? と思ったら日本語でした。大分県にケベス祭というのがあるそうです。  絃楽の配置が特殊。左右対称で、コントラバスが左にもいた。チェロは奥まった位置にいました。  クライマックスはダイナミックなユニゾンのパルス! 静かなシーンでは梱包材のプチプチを鳴らしていました。  バス・クラリネットは目立っていましたが、バリトン・サクソフォンは、いたの? 用意した割には全然聞こえなかった。 アンドレア・マッテヴィ(イタリア)『

          【武満徹作曲賞】今日行ったコンサートの感想:令和04年(2022年)05月29日(日)【審査員:ブライアン・ファーニホウ】