YWT法(リフレクション/内省フレームワークの紹介)
YWT法は、日本能率協会コンサルティング(JMAC)にて開発された内省・リフレクションフレームワークです。日本にて開発されたフレームワークであることもあり、日本において、広く利用されている内省フレームワークの一つです。
YWT法とは?
YWT法における、Yは、やったこと、Wは、わかったこと、Tは、次にやることを指します。日本能率協会コンサルティングのホームページでの紹介によると、「YWTの最大の特徴は、業務を軸としたものではなく、人を軸とした振り返り手法であるということ。YWTは自律的な人の成長を目指す目的で使うのが本質である。」と記載されています。実施したことを「やったこと」として書き出し、そこから内省や振り返りを経て、理解したことを「わかったこと」に記載します。そして、それを受けて、次に実施することを「次にやること」に記載します。
基本的には、「やったこと」を列挙し、そこから導き出される学びを「わかったこと」としてまとめ、それを活用して実践することを「次にやること」に記載し、それを繰り返すことによって、学びやナレッジを増やしていくという手法になります。
3つの要素からなるシンプルな内省フレームワークであり、ほぼ、メラニー・ジャスパー氏が発表したERAサイクルと同等と考えても良いと思います。やったことは、ERAにおける経験(Experience)であり、わかったことは、内省(Reflection)であり、次にやることは、実践(Action)であるとも言えます。
YWT法の簡単な実践例
さて、簡単なYWT法の実践例を、セキュリティソリューションの法人営業を例に取って考えてみたいと思います。日本能率協会コンサルティング(JMAC)での紹介では、目的や目標を意識することとありますので、今回については、セキュリティソリューションの販売拡大ということを目的としたいと思います。
Y: やったこと
目的を意識した上で、実際にやったことを記述します。
セキュリティ製品の販売拡大のため、見込みのお客様を訪問した際に、今一番気にしていることを確認しました。
W: わかったこと
やったことから、導き出されたわかったことを列挙します。
訪問した際にわかったことは、お客様の取引先において、電子メール経由によるランサムウェアの被害が広がっているため、お客様の会社においても、近い将来被害にあってしまうのではないかと、心配しているという声が、複数ありました。
T: 次にやること
わかったことを受けて、次にやることを考えます。
現在、流行中のランサムウェアをまとめ、そんなランサムウェアに対して、取り扱っているセキュリティ製品が有効であるかの資料をまとめ、次回の訪問時に案内する。
上記の場合、次のサイクルの「やったこと」において、作成した資料をご案内した際に、実際の製品の販売に繋がったのか、より信頼を得ることができたか等、新たに「わかったこと」が蓄積できると思います。それを受けて、「次にやること」を決め、それを繰り返すことによって、効果的な販売方法を見つけていくことができると思います。
このように、目標や目的に対して、どんな活動を行ったのか。そして、そこから、何がわかったのか、そのわかったことから、次に何をやるのかを決めることは、シンプルではありますが、とても効果的なリフレクション(内省)のやり方だと思います。
現在、GROWモデルといったコーチングおよび内省や経験学習のフレームワークを活用した、目標およびアクションマネージメントシステムを開発していおります。製品に関するご意見を募集しておりますので、何かございましたら、以下よりお気軽にご意見お寄せください。