安心して子育てする為に
先ずは質問です。すでにお子さんがいる方も、いない方も少し一緒に考えてみて下さい。
「子供の発達の全体像」を知る事でどんなメリットがあると思いますか?
人それぞれ色々な考え方があると思いますが、「子供の発達の全体像」を知る事で、大きく3つあると考えています。
1)子育てを安心に出来る
子供の発達の全体像を知ることで成長の段階を知ることができます。成長の段階を知ることにより、いつどんな時期に何をするかを知れる事で、私達は子育てを安心してできるのです。例えば、生まれたての時は歩けないですが、これくらいの期間が経ったら歩けるようになるよね、好きな人がいなくても思春期が来たら誰かを勝手に好きになるから心配しなくても大丈夫だよね、という風に予め起こる行動を知っているからこ安心できるのです。
2)成長をサポートできる
発達の全体像を知ることで、この時期にはつかまり立ちをするのが一般的だよね、ということを知っていれば、それをサポートする形で器具を家に置いたりと、子供の発達を促すことができます。
でもこれを知らないことで、子供のために物は置かずに広い家にしようという考えにも至り、つかまり立ちをサポートできるものがないが故に発達が遅れそれが脳機能の発達を遅らせるなんてこともあり得るわけです。
3)子育てが楽しくなる
ある統計によると「子育ての楽しみは何ですか」という質問に対して90%以上の人が子供の成長を知れる事と回答しています。それもそのはずで、子供がハイハイからつかまり立ちをした時に誰よりも喜ぶのは親です。
しかし、子供の成長というのは、ハイハイからつかまり立ちをするだけでなく、もっと小さい発見というのはそれよりも前に沢山あります。握れなかったものが握れるようになる、スプーンで食べられなかったものが食べられるようになるなどです。これらを知る事で小さい発見でも大きな喜びに変わるのです。
これらのメリットを挙げた上で発達の全体像を細分化し、脳機能の発達を促す方法・赤ちゃんを育てる上で知っておかなければならない内容もう少し詳しく配信していきたい。
1)0〜1歳の発達
0〜1歳というのは脳機能が未発達である。脳機能が未発達により、脳から筋肉へ「動かけ〜」という指令に対してうまく働く事ができない。そのため、0〜1歳というのは体を自由に動かす事ができない。
しかし、時間と共に髄鞘化(ミエリン化)というのが起こる。それにより体を段々と動かせるようになっていく。そして体の動かし方には上から下、中央から末端といった風に動かせるようになっていく。言い換えれば、物の動きを追うために目が動き、そして首が動き、もっと追うために、体を捻り寝返りが起きるという風にである。
これらを知る事で発達の全体像をある程度予想できるようになるのである。
2)運動
赤ちゃんの運動には2種類ある。粗大運動と微細運動である。粗大運動は体を大きく動かす運動のことで、微細運動は手先などを使って細かな動きをする運動のことである。基本的に粗大運動を習得してから微細運動を習得していく流れである。赤ちゃんがスプーンで食べ物を食べるときで言えば、最初は上手く手を動かす事ができずに、顔からスプーンに迎えにいく、それができるようになったら段々とスプーンの方から動かす事ができるようになるという流れだ。
微細運動
微細運動は脳機能の発達にとても有効で、実際に脳卒中の人のリバビリでも微細運動を行うことで脳機能を発達させるということを行なっている。手にはメカノレセプターと言い、全身のバランスを保つセンサー的役割や他の部位よりも感覚が鋭いといった機能がある。これが脳への刺激を促すことで脳機能の発達を促している。
逆説的に考えれば、微細運動は本来粗大運動を習得後に習得されるものだが、親のサポートで赤ちゃんの手に触れてあげるなどをしてあげることで脳機能の発達を促す事ができる。
こういったことを知る事で、0〜1歳の段階でただあやすだけでなく、手を触れながらあやしてあげたり、ただおむつを変えるのではなく、おむつを変えた後には少し手に触れながら遊んであげるなどをしてあげる事でより成長を促す事ができる。
眼球運動
赤ちゃんにとって目の運動も脳機能の発達に重要なファクターである。これはあらゆる運動の中でも目からの刺激というのは脳に対して直接的に刺激するためである。そのことから、ベッドの上に何か物を垂らしてあげるなどをする事でより発達を促せる。
しかし、透過光という光刺激に対しては注意したい。これは携帯、テレビ、パソコンなどから発せられる光刺激のことである。これらは最低でも3歳、できれば6歳くらいまでは避けれるだけ避けたい刺激である。
なぜなら透過光による影響は、発達障害、情緒不安、発達障害、思考力低下、さらに精神病、犯罪率との相関などが指摘されているためである。
これは、私たちの目から入る情報量が増えすぎる事で脳のキャパを超えることでパンクしてしまう事と考えられている。江戸時代に比べ、私たちの1日の情報量は江戸時代の1年分の情報量に匹敵すると言われている。
このことから、子供をあやすためにといった風にスマホを簡単に渡してしまうのは間違っていると言える。
3)興味が子供の発達を促す
赤ちゃんが首を動かさなくても常に見えるところに物があったり、常に手の届くところにおもちゃを置いてしまうと寝返りや立ち上がる意欲をなくしてしまう。このことから赤ちゃんの興味を遮るようなことは避けたい。
4)体幹筋の発達
姿勢の安定を作るためや首を座らせるためにうつぶせの時間を作る事は非常に重要である。うつぶせの姿勢を取らせることで首の力、背筋力を鍛えることができる。しかしここで注意したいのがうつぶせの状態の時は目を離さないことである。赤ちゃんの死因で多いのが窒息死である。ふわふわの枕や布団上では特に注意したい。窒息死を回避するために脇の下にタオルを置くなどするのも有効とされる。
5)発達の順番は個人差
寝返りを→ずり這い→ハイハイ→つかまり立ち→歩行
が基本的な大まかな成長段階であるが、発達は個人差がある。
本人が今何をしようとしているのか、それを見極めてサポートしてあげる事が重要です。
今回は、子供の発達の全体像を知る事で得られる3つのメリットと子供の成長の仕方を主に運動という軸で配信しました。
これらの情報を一つでも活用して、皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
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