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農業にマーケティングは必要か?
「コトラーって誰?あ、うちに本があったような・・」
そんな程度の知識しかない私が、10月はこたろうファームの営業・マーケティングについて考えた。
夫は元会社員、経理や経営企画室などの職についていたため、マーケティングの本がうちにはたくさんある。が、私は読んだことはない(笑)。
4時限目のテーマ「コトラーのマーケティング1.0〜4.0」を調べたり、読んだりしたら、私たちが10数年やってきた農家としての歴史を見るかのようだった・・
こちらがコトラーのマーケティング1.0〜4.0。
![](https://assets.st-note.com/img/1730531122-rSNzaulD7n0YXJKAhqMVEZge.png)
農家歴15年程度のこたろうファームの短い歴史をコトラーのマーケティングに当てはめてみたら、あれまあピッタリハマった。
マーケティング1.0(生産主導)・・安定した品質・量の野菜作り
農家1年目〜3年目くらい。
まずは野菜を作ること。安定した生産が最優先。
そして、できた野菜をどこへ売るか、販売先に営業する。
夫もまだ生産技術が伴わないため、作ってからじゃないとほんとに仕上がるかどうか不安、なところもあったのだろうか。
この頃私は、まだ本格的には農業を手伝っていない。
マーケティング2.0(顧客志向)・・顧客の要望に合わせた野菜作り
就農してすぐの東日本大震災から3〜4年の間。
大変ではあったが、震災のおかげで地元の結束が生まれ、仲間ができた。
ホテルやレストランが「地産地消」をコンセプトに掲げ、料理人や施設スタッフと直接農家とのつながりが生まれた。
「イタリア野菜、作ってくれる?」「小さいサイズで収穫して欲しい」
「いろんな種類のトマトが欲しいな」
などと顧客からのリクエストに応えるようになり、少量多品種農家への道を突き進む。
マルシェへの参加、料理教室や野菜のワークショップなど、私の出番も増えた。
マーケティング3.0(価値主導、人間中心)・・野菜・農園のブランド化
コロナ直前の3〜4年。
生産者が脚光を浴びた時代。那須高原こたろうファーム、という名前や生産者の写真を使うブーム?があり、ホテルのイメージビデオやチラシなどにも名前を使われることが増える。
ラジオやテレビの取材があったり、栃木県の農業従事者として「県知事賞・芽吹力賞」なるものを受賞したりする。地方紙や町報に載ったりする。
「こたろうファーム」という名前が地元で知られるようになり、無人販売所、カフェやパン屋さんでの週末野菜販売の売り上げが伸びる。
私も収穫から販売、マルシェの担当で農業にどっぷり。
マーケティング4.0(顧客の自己実現を目指す)・・SNS活用・発信する農家
コロナ騒動の4年間とその後。
ホテルやレストランへの出荷が減り、個人・宅配の需要が増える。
野菜の定期便の強化のため、セットには一般的な野菜の他に、「こたろうファームらしい」珍しいイタリア野菜にはレシピを付けて。
一年中スーパーで売っている野菜でも、那須高原の旬を味わえるように、その時が一番美味しい野菜を送る、ことを心がけた。
無人販売所などの小売りにも力を入れて、POPやレシピを置くことで、珍しい野菜や試したことのない食べ方をオススメする。
Facebook中心だったSNSは、Instagram/ X(旧twitter)/ LINE Official も追加し、毎日野菜の販売情報や畑の様子を投稿し、Google mapにも地点登録、毎日の販売情報を投稿。
コロナを機に、産直ECやヤマトフードサービスなどにも登録。
お客さまからの直接の問い合わせ先も、各種SNSのメッセージやDM、Websiteからのメール、など電話以外でアクセスしやすく。
スマホ時代に、情報が写真で見れる・スマホでアクセスしやすい・そんな農家に近づいた。
「野菜をお土産に」「母の日に野菜を」そんな声も多くなり、友達を連れて無人販売所に来てくれる人も増えてきた。
追加でマーケティング5.0(対面とデジタルの融合)・・何ができる?
木下さんの講座では4.0までだったが、調べていたら今はマーケティング5.0の時代らしい。
4.0で出てきたこの5A理論の進化版が5.0。世代的にはZ世代。
これからマーケティング5.0を意識した営業を考える。
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先日、農業とは別件の英語の仕事で大学生たちと話をする機会があった。
ワークショップのテーマは「コミュニティについて」
この世代はコミュニケーションとかめんどくさい、コミュニティ活動とか興味ないのかな、と思いきや、「コミュニティや人との関わりは大切だし自分に必要である」という考え方で全員が一致した。
情報種集のメインはInstagramなどのSNSだけど、友人や家族からのオススメ情報は信頼性が高い。
<まとめ>
今後マーケティング5.0の時代になって、ますます発信活動が重要になってくるとともに、人とのつながりも結局は重要。
今まではなんとなくやってきて、たまたまコトラーのマーケティングの形にハマった感じ。
これからは、マーケティング5.0をもっと意識していきたい。
今のこたろうファームが目指すのは
「また食べたくなる野菜」
「ちょっと寄りたくなる無人販売所」
「誰かに教えたくなる農家」
そして
「那須の四季を感じる野菜」
春には、野菜の菜花・サラダセット・レタス・とんがりキャベツ
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夏には、トマト・とうもろこし・ローザビアンカ
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秋には、サラダセット・おおまさり(なま落花生)・こたろう大根・さといも
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冬には、シルクスイート・むらさき白菜・チコリ
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「あー、こたろうファームのあの野菜がそろそろだな・・」
と季節ごとに思い出してもらうためにできることを考えよう。
「農業とマーケティング」今までの農家にはなかった考え方が、これからの農業には必要不可欠なんだろうな。
がんばろうっと。
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