ひとりプレイバックシアター
先日、ひとりでオブジェクトを使ったプレイバックシアターを行なった。ごく短いものだったのだけど、とても良かったので、これをもっとやりたい!と思いました。
トレーニング的に、自助的に「ひとりプレイバックシアター」を文字上で行ってみます。
※進行中の「演じる」は、部屋で実際に演じてみてます。
今日をふりかえって、なにか、こういうことがあったなぁ、とか、あっそういえばこんなことを思い出した。とか、今日のことでなくても、ずっと前のことでも、まさに今感じていることでもいいんめすが、どなたかなにかありませんか?
はい。
(男の人が手をあげる)
ありがとうございます。
どのようなことですか?
今日あったことなんですけど、仕事をしていたら、目の前に人がきて、その人は同じ仕事をしている人なんですけど、僕とは別の階で働いています。主に外の人とのやりとりのサポートをする人なんです。やってくる人は、経験豊富で自分でできる人の時もあれば、ほとんど初めてでどうやっていいかわからないような学生もくることがあります。今日は学生だったんですけど。
はい。
その学生のことを「まったくダメやね。なんもできん。バカやバカや。」と言っていて。同じフロアの同僚が「えー、悪口ー」と軽口で返していたりして、、その同僚はその人と同じ階で働いくこともあるから、軽薄な調子を合わせてるんですが、、。それで、「ほんとになんしてるんかわからんわ。バカやね。」といい続けてるわけで。
それ聞いてると、もういたたまれないというか、辛い気持ちになってきて、ぐぅーーっと、重い気持ちになってきてしまって。
なるほど。
それでは、このおはなしには、あなたを含めて、3人の登場人物がいます。
1人は、仕事の目の前で「バカやバカや」というのを聞いて、辛い気持ちになったあなた。もう1人は、「バカやバカや」といい続けていた違う階で働いている人。もう1人は、「悪口ー」と、その人に答えた人。
まずあなたを誰に演じてもらいたいですか?
そうですねぇ、、、。テーブルの上にあるタオルにで願いします。
わかりました。あなたをテーブルの上のタオルに演じていただきます。
この物語に登場するあなたは、一言で言うとどのような人物ですか?例えば、「辛くなる人」や、「働いている人」など。
そうですね、、、「嫌な顔になった人」です。
わかりました。それでは、「嫌な顔になった人」をタオルに演じてもらいます。
もうひとり「バカやバカや」といい続けてる人はどなたに演じてもらいますか?
イヤホンにお願いします。
一言で言うとどのような人物ですか?
「なにをしてるかもう自分でもわからない人」です。
わかりました。それでは「バカやバカや」と言ってた「なにをしてるかもう自分でもわからない人」を、イヤホンに演じてもらいます。
はい。
あと一人、「悪口ー」と軽口で答えていた、別の階の人とも働くことのある同僚はどなたに演じてもらいましょう?
天井の電球にお願いします。
わかりました。では一言で言うとどのような人物でしょう?
「なんも考えてない人」でお願いします。
わかりました。それでは「バカやバカや」と言っている人に「悪口ー」と、軽口で答える「なんも考えてない人」を、天井のライトに演じてもらいます。
お願いします。
この物語は、あなたの目の前で起きていることで、あなたの顔が徐々に変わっていく。ということに注目してみたいと思います。
お願いします。
「あるところに、ひとりの嫌な顔になった男の人」がいました。
その人が働いていると、別の階で働いている「なにをしてるかもう自分でもわからない人」がやってきました。その人は、やってきた人のサポートをする人です。自分でできる人もいれば、なにもわからない人もやってきます。今日はなにもわからない人がやってきたようです。「嫌な顔になった人」の前で、「なにをしてるかもう自分でもわからない人」が「バカやバカや、なんもできん。バカやバカや」と言っています。
そこに、「嫌な顔になった人」の同僚の「なにも考えてない人」が「悪口ー」と軽い口調で答えます。
「バカやバカや」「悪口ー」「バカやバカや」「悪口ー」というやりとりを聞いていて、だんだんだんだんと、「嫌な顔になった人」になっていきます。
あるところの「嫌な顔になった人」の嫌な顔になるお話です。それでは見てみましょう。
==演じる==
どうでしたか?実際に見てみて。
そうですねぇ。なにをしてるかもうわからない人が、動いてるだけでバチンバチンと音を出しているのが、あぁ、そうだ。喋ってるの以外に、うるさくてたまらなかったんだ。と思いました。
その時さも愉快そうに「へへへへへへへへ」って笑っていて、軽口で答えてる人も「へへへへへ」と笑ってたんです。それがまた気持ち悪くて。この場は全員それを承認してるみたいな考えを植え付けようとしていて。気持ちが悪かったなぁ。ということを思い出しました。
なるほど、今話された「へへへへへへへ」と笑っているシーンを行うこともできますが、どうしますか?
そうですねぇ。じゃあお願いします。
わかりました。あるところに、「嫌な顔になった人」がいました。そこに「もう自分でもわからない人」がやってきて「バカやバカや」と言います。嫌な顔になった人の同僚の「なにも考えてない人」が、「悪口ー」と、答えます。
その2人が「へへへへへへへへへへ」と笑います。
「嫌な顔になった人」は、この場が全員それを承認してるみたいな考えを植え付けようとしているように感じて、嫌な顔になりました。それではみてみましょう。
==演じる==
いかがでしたか?
直接触れてなくても、なにかを植え付けることってできるんだ。と、こわさを感じました。
ありがとうございます。