ひとりプレイバックシアター「どんどん詰まってきた男の人」
今日の終わりに、何か「こういうことあったなぁ」とか、「そういえば、なんとなくこんなことを思い出した」とか、「ずっと昔に、、、」とか、なんでもよいのですけど、今ふっと思い浮かぶことはありますか?
はい。
では、お願いします。(相手に近づき、目線を穏やかに合わせる)
どのようなことでしょうか?
喫茶店に入ったんですけど、そこは緑道が目の前に見えて、小学生が歩いたり、スーツの会社員がぼんやり過ごす瞬間が見えるような穏やかな場所で。初めて入ったんですね。
はい。
そこに入ると、オペラが流れてて、外からは分からなかったんですけど「オペラかぁ、、、」と思ったんです。席に着くと窓は開いてて、お店の人が「先ほどこられていた方がクーラー苦手ということであけてたんです。暑いですよね」と言って、窓を閉めてクーラーをつけてくれました。涼しくなったんですけど、オペラは少し音が上がった感じがしました。
なるほど。窓が閉まって、音が大きくなったように感じたんですね。
はい。たぶん、音が反射して大きく感じたんだと思います。
で、ミルクティーを頼んで、飲むと穏やかな景色とか内装とは別で結構どっしりした味だったんです。オペラは、相変わらずアリアを高らかに歌い続けていて、ミルクティーはどっしりした味で、濃ゆいものに濃ゆいが重なって、でも外の景色は軽やかな、風を感じるもので、そのギャップがすごくて、ミルクティー飲んで、どんどんなんか、心臓がドキドキしてきて、辛い感じになってきたんです。
はい。なるほど。
それから、ほんとは長くその場所で資料の整理をしようと思ってたんですけど、どんどん心臓がドキドキしてきたんで、もうたまらん、と、ミルクティーをポットからガブガブのんで、外に出ました。で、別のカフェに行って、チェーン店の。そしたら、なんだかホッとしました。
なるほど。わかりました。
では、このお話は、あなたがオペラを聞いて、ミルクティーを飲んで、外の景色との違いで、徐々に心臓がドキドキしてきて、別のカフェに行って、ホッ、とした。そんな風に、さまざまな出来事が起きているあなたの物語を見てみたいと思います。
はい。
では、この物語のあなたを誰に演じてもらいましょう?
では、テーブルの上のコップにお願いします。(テーブルの上にある茶色の取っ手のあるコップが選ばれる)
この物語のあなたは一言で言うとどのような人物ですか?
どんどん詰まってきた人。
わかりました。それではどんどん詰まってきた人をテーブルの上のコップに演じてもらいます。
あるところに、ひとりのどんどん詰まってきた男の人がいました。その男の人は緑道の見えるカフェに入りました。カフェにはオペラがかかっていました。男の人は「オペラかぁ、、、」、と思いました。窓が開いていたのを、お店の人が閉めてくれました。クーラーがかかります。涼しくなります。オペラの音が上がったように感じます。ミルクティーを頼みます。ミルクティーはどっしりした味でした。オペラも濃ゆい、ミルクティーもどっしりしている。本当はここで長くいて、資料の整理をしようと思っていたのに、どんどん心臓がドキドキしてきました。ミルクティーをガブガブのんで、別のカフェに行きました。ホッとしました。
あるところのどんどん詰まってきた男の人のお話です。それでは見てみましょう。
==演じる(演じるフォーマット:ろくろ(オリジナル)==
いかがでしたか?
うるさいなぁ。って時は周りでたくさんのことが起きてて。目の前で穏やかなものがあるのに、それと離れてる感じがしてそれが大変そうでした。でも、そのたくさんのことが起こっているところから離れたらいいんだな。と思いました。
ありがとうございます。
ありがとうございました。
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