ゴキブリのドアップは反則です【映画呪詛レビュー】

いま話題になっているホラー映画「呪詛」ってご存じですか？
ネトフリで見れるんですが、最近Twitterでやたら流れてきて気になってたんですよね〜。
そして流行に流されて見た結果・・めっちゃおもろかったっす。アタリ！！(やったね！)
ってことでつらつらと感想を書いていきます～。

あらすじはこんな感じ。
かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けたルー・リオナン。そして６年後あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、必死でわが子を守ろうとするが・・。

※物語の核心に迫るネタバレはないように書いたつもりですが、そこに至るまでの流れや作中のシーンなどは書いてるので、ちょっとでも見たくないって方は自衛をお願いします。ではいく！！

「未知のもの」って怖いよね

個人的にホラー映画で大切なのって「”未知のもの”をいかに”未知のものとして見せるか（感じさせるか）”」だと思っていて。

ホラー映画で扱われる題材って「幽霊」や「呪い」などの「未知のもの（得体の知れないもの）」が多いじゃないですか？
それはなぜかと考えると、シンプルに「未知のもの」＝「怖い」からだと思うんです。
幽霊なんて目には見えないはずなのに、なんか"いる気がする"。
ふとした瞬間に視線を感じた”気がする”・・。
その「得体の知れなさ」が恐怖の原因というか。
そしてこれは逆に言えば「正体が分かれば怖くない」ということになる。
例えば、子供の頃は怖かったお化け屋敷が、大人になるとこわくなくなる原因って「お化けは人間が演じている」と理解するからだと思うんですよね。

これってホラー映画にも通ずると思ってて。
「ホラー映画＝作り物」だと分かっていたとしても、それを上回るくらい「得体の知れないものの見せ方（感じさせ方）がうまい」と、本当に怖くなってくるんですよね。
そしてこの作品はそれがうまい！
例えば作中のこんなシーン。

主人公の娘は呪いが降りかかったことによって、「なにか」が見えるようになる。そしてある夜、主人公にこう言う。

「上になにかがいるからおろして」と。

もちろん主人公には見えていない。それでも娘を助けたい一心で「お母さんはどうしたらいい？」と聞くと、娘は「その"なにか"と手をつながなきゃダメ」と一言。娘に言われるがまま主人公は何も見えない空間に手をのばし、その「なにか」と手をつなぐ・・。

主人公とわたしたち視聴者には見えない「なにか」が、娘だけには見えている。
こういう現象って、現実にもありません？
赤ちゃんが何もないところを見つめていて、大人たちが「そこになんかおんの・・？？」って怖くなるやつ。まさにそれなんですよね。
この「見えないはずなのに、”いる気がする”」の表現の仕方がすごくいいなぁと、個人的にぐっときました。

情報を小出しにしていく感じがニクい！

上記のシーンで、主人公は妙なことを言う娘を、あまり否定しないんですよね。普通なら大人は妙なことを言う子供に対して、まず否定してしまうことが多いと思うんですよね。それが「心霊的なこと」ならなおさら（怖いから）。
でも主人公はそれをしない。
それはなぜかというと「呪われている自覚があるから」だと思うんです。
じゃあ、なぜ自覚があるんだ？
過去に一体なにが・・？？
な～んて気になってきたところで「過去の出来事」をちゃんとだしてきてくれる。
この作品は基本的に「現在」と「過去」の情報が交互にでてくるんですけど、それによって「謎解き」しながら見られるんですよね。
「今なんか意味深なこと言ったな・・」と気になっていたことが、過去の情報が明かされることで、「あ！さっきのこのことか！」と繋がる。
しかもその情報の出し方が絶妙というか。
「わからせすぎない」のがニクいんですよねぇ。

本当に怖いものってなんだ？

この作品はあらすじ通り「呪いを受けた主人公が娘を守る物語」です。
ジャンプ漫画でいえば「呪い」が「敵であり悪」で、主人公は「善の存在」。
・・だと、信じていた・・最初はね・・。
でもね・・最後まで見るとね・・「そんな単純じゃねぇなコレ」ってなるんですよ・・。
「そう思った理由」は２点あって。

①呪文
作中に頻繁にでてくる呪文があるんです。これは主人公が呪いを受けるキッカケになった「宗教施設」で使われていたもの。
主人公はこの呪文を「幸福を呼ぶもの」だと言うんです。そしてその言葉通り、心霊現象に襲われたときや、娘の命が危ない時などに、”救い”を求めるようにその呪文を唱える。
その様子を見て、最初は「良い呪文なんやなぁ」なんてのんきに思っていたんです・・。
でもね、徐々に情報が明かされるとともに不穏な空気がね・・。
「あれ、これってもしかして・・」ってなるんですよ・・。
答えを言ってしまったらネタバレになるんで言いません！！気になる人は見てみて下さい！！

②主人公が動画をとる理由
物語の序盤から、主人公は動画を撮っているんです。その理由は「娘との思い出を残すため」。
「あなたが大人になったら一緒に見たいの」
なんて言ってて、実際に未来の娘に語りかけるようなシーンもある。
でも、見進めるうちに「それ以外にも目的がある」と思えてくるんですよね。実際に娘に対してではなく、画面の向こうの「皆さん」に話しかけるシーンがあるんです。
そして「皆さん」に語りかけるとき、主人公は大概こう言う。

「例の呪文を一緒に唱えてほしい」と。

わたしも初めは「幸福を呼ぶ呪文」だと信じて疑っていなかったから「あぁ、娘のためにみんなにも祈ってほしいんだな・・なんて娘思いのいい母親なんだ・・」なんて思っていたわけです・・。
でもね・・「呪文の本当の意味」がうっすら分かってくるとね、「主人公が動画を撮る目的」もなんとなくわかってきて、途端にぞっとするわけですよ・・。ここもこれ以上言うとネタバレになるんで言いませんが・・。
まぁ見終わった後に思いましたよね。
「幽霊」や「呪い」もこわいけど、一番こわいのって「人間」かもしれないなぁ・・って・・。

まとめ

さ！ということで「呪詛」の感想をざっと書きましたが、ここで一番大事なことを！
これはあくまでも「わたし個人の解釈」です！
見終わってすぐ勢いで書いているので、見落としているところもたくさんあるかもしれませんのであしからず・・。まだまだ謎も残ってるし。

まぁとにもかくにも、個人的には面白かったです！観れてよかった！
もし気になっているけどまだ見てないって方がいたら、ぜひ見てみてください〜！
あ！でもね！これガチで「グロ」「血」「虫」がムリな人にはオススメしないです！
けっこうガッツリなんで・・。
わたしは気抜いてたところにいきなり、「Gのドアップ」がきたもんだから「やられたぁ！！」ってなりましたからね。ダメージデカすぎ。
みなさんも気をつけてください！では！