詩「母と子」
かつて
私が母に抱いた気持ちを
娘も大方味わうのだろう
そう思うと
母と子は いつも
すれ違い 掛け違い 思い違い
双方の真実は
木葉のように 舞って
交わるのは ほんの一瞬
そう思うと
母と子の 答え合わせは
いつになるのやら
だから
だから
そばにいよう
見逃さないように
風に委ねて
ほんの一瞬の出来事を
いっぱい 喜ぼう
いっぱい 祝おう
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私の母はとても不器用な人でした。
言葉足らずで、自分のことをめったに語らない。こうしなさい、ああしなさい、というのもなくて、母の要求や願望自体、わからないことが多かった。
だから、私は母に対して誤解だらけだったように思う。そして同じように母も、私に対してそう感じていたんじゃないかな、って。
私は子育てを通して、今までまったく思い出さなかった母との出来事を思い出すことが時々ある。そのどれもが、とても分かりづらい愛情で、優しかった。でも、幼かった私はそんなことに気付けずにいた。
娘が生まれて、今度は私が母親という立場になったけれど、この経験から特段こうしよう、ああしようと意気込んでいるわけでも注意を払っているわけでもなくて。
いつか「親子の立場から理解する」を超えて「同じ人間同士という目線で理解をする」ときがやってくるまでは、「今」にある幸せの瞬間を、喜んで分かち合っていたい。
そう思って、書いた詩でした✨