今日もありがとう、私よ
朝、洗面所の鏡に映った自分の顔をじーっと見つめてみた。少し茶色がかった瞳と目が合う。
おう、いつもの私。
さらに視線を下げると鼻の下にあるホクロ。そこからはうっすらと毛が生えていた。10代の頃では絶対に見逃さなかったであろう事態だったが、静かに傍観していた自分もいた。
平成生まれである自分からは「ゲッ!」という声が漏れた。おう、いつもの私の声。
シミなのか、ホクロなのか、ニキビ跡なのか、見分けがつかないまま、見分ける必要もないことに納得する。
それは美容ケアを怠ったせいなのか、日々生きた証なのか、捉え方はいろいろだろうが、どうだっていい。どんとこい。
この前、昔同じ職場だったおばさんにばったり会った。そのときに「大人っぽくなったね」と言われた。
実家に帰ると、母にも同様のことを言われた。
いずれシワも増えて、白髪になったら「老けたね」とでも言われるのだろう。
歳をとることに怯えなくなったのは割と最近だと思う。
いろんな人を知るたびに「なりたい私」がより明確になってきたからかもしれない。
取り憑かれたように加藤諦三さんの本を読み漁っていた過去が懐かしい。