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東京ゾンビの日常①「ボドゲ『あいうえバトル』で熱狂」
僕は今26歳なのだが、幸運にも休みの日に一緒に遊べる親友がいる。
そんな親友たちとボドゲをした時の超展開について今回は書いてみました。
「あいうえバトル」との出会い
コロナ渦以降、ボードゲーム人気は高まっている。
東京の主要駅の近くにはボドゲカフェがいくつも開店し、平日休日問わず席は満席になっていることの方が多い。
そんなボドゲを楽しむお客さんの一員として、数ヶ月に一度、集まることができる人数でひたすら楽しむという日が僕にはある。
その日は、N君、T君、D君の三人が集まるということで、僕は秋葉原のボドゲカフェ、「JELLYJELLYCAFE」を4人で予約した。
店に集合後、さて何をやるかという感じで、他の人に遊ばれていないゲームからどんどんプレイしていくのだが、最終的にはまだみんなで遊んだことがないものをしたいという雰囲気になり、外側の椅子に座っていた僕が未プレイゲームを探しにいくことに。
脇にかつげそうな大型ボドゲの下の棚に、小さなトランプケースほどの大きさのゲームがみっちり置かれているのだが、そこに置かれていた赤色のパッケージが目に入った。
「もじあてゲーム あいうえバトル」
このタイトルに、見覚えがあった。
そうだ。オモコロチャンネルでプレイしていたものだ。
動画内でメチャクチャ盛り上がっていたのを思い出した僕は、ちょうど今日は4人だったので、机に持ち帰ってプレイすることになった。
実際にやってみた
当然みんな初プレイなので、みんなでルール確認。
ルールは公式サイトに書かれていた。
【遊び方】
1、お題にそって2~7文字の言葉をちょっかんくんに書く
2、攻撃!言葉を予想しながらボードの文字を斜線で消す
3、判定!文字を使っている人はそのちょっかんくんを公開。攻撃成功ならもう1回攻撃
4、自分のちょっかんくんがすべて公開されたら脱落。最後まで残った人の勝ち!
*「゛゜」は書かない。「ゃゅょっ」は大文字。文字がなければ「×」を書く。
要するに自分の書いたひらがなが全部公開される前に、相手のひらがなを全て選択して脱落させるというものである。
文字数が長ければ長いほどHPが多いので有利と思われるものの、後半になると選択されたひらがなのせいで答えがバレてしまうということがある。
短ければ、逆に相手にヒントを一切与えずに潜伏し続けて混乱させることができる。
簡単ながらワードの選択でかなりの白熱が期待できるという雰囲気をその場の全員が感じ取ったところで、早速プレイ開始。
お題は「飲み物」
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僕が選んだワードは「カルピス」
濁点を書かないというルールと短い言葉ということでこの選択である。
順番は、ジャンケンの結果、僕→N君→D君→T君という流れ。
ちなみにこの順番のせいで、最後とんでもないことになるとは、もちろんこの時は誰も知らない。
僕がじゃあ最初は「て」と言う。
お茶関係のティーを選択した者を見つけるためである。
僕「〇〇〇〇〇〇〇」
N君「〇〇〇〇〇〇〇」
D君「〇〇〇〇〇て〇」
T君「〇〇〇〇〇〇〇」
僕は興奮した。
D君はティと続くに違いないし、それに長いぞと推理が始まる。
そんなD君は1ターン目なのに苦しそうな表情で、思わず僕らは笑った。
文字数が長いので脱落は時間がかかりそうだが、集中砲火すればいけそう。
そんな感じで次の展開を考えていると、N君が「ひ」を選択。
僕「〇〇ひ〇〇〇〇」
N君「〇〇〇〇〇〇〇」
D君「〇〇〇〇〇て〇」
T君「〇〇〇〇〇〇〇」
そしてすぐにD君が「か」を選択。
僕「か〇ひ〇〇〇〇」
N君「〇〇〇〇〇〇〇」
D君「〇〇〇〇〇て〇」
T君「〇〇〇〇〇〇〇」
D君、N君、T君は3人ともニヤニヤしながら「えぬび君のはもう分かった」と言っている。
最悪。
2ターン目が来る前に、僕の敗退が濃厚になってしまったのである。
僕は、長めのワードを選んでおけば良かったなって後悔した。
白熱の後半戦へ
いつでも脱落させることができる状況になった僕を無視して、他のメンバーは互いのワードを開けるために模索する。
もちろん僕も他のプレイヤーのワードを少しでも削るためにひらがなを選択していく。
だが、不思議なことに、半分近くのひらがなが選択されている状況なのに、N君とT君のワードが全然開かない。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「〇〇〇〇〇〇〇」
D君「しや〇み〇てい」
T君「〇〇〇〇〇〇〇」
すごいのは、母音の5つを出しても、2人とも開かなかったこと。
僕は本当に分からなかったので、しょうがなくローラー作戦で、マ行を消していき「む」を選択した。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「〇む〇〇〇〇〇」
D君「しや〇み〇てい」
T君「〇〇〇む〇〇〇」
ここでついに1文字が開いた。しかも2人とも。
だが逆に場は混乱という興奮に包まれる。
「これ何!? 本当に分からない!?」
さて、皆さんは分かりますか?
最悪の結末
その時、T君のワードに先に気づいていたのは、D君だった。
D君は「く」を選択する。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「〇む〇〇く〇〇」
D君「しや〇み〇てい」
T君「く〇〇む〇〇〇」
なんと2人とも開いた。
だがN君と違ってT君は1文字目が開いてしまった。
このゲーム、1文字目がバレるとかなりのピンチである。
T君は、D君に気づかれていると察して、D君を消しに行こうとする。
T君は「す」を選択。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「〇む〇〇く〇〇」
D君「しやすみ〇てい」
T君「く〇〇む〇〇〇」
ここまで開いたので、ようやくN君も気づいて、D君の脱落もほぼ秒読み。
最後はN君とT君でタイマン勝負だろうと予想できた。
僕は、ここまで残っていた「ー(伸ばし棒)」を選択する。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「〇む〇ーく〇〇」
D君「しやすみ〇てい」
T君「く〇ーむ〇ー〇」
T君にクリティカルヒット!
N君は僕の選択によって、T君のワードを察したようで、連続攻撃する。
N君は「た」を選択。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「〇む〇ーく〇〇」
D君「しやすみ〇てい」
T君「く〇ーむ〇ーた」
一気にT君も苦しい状況に。
だがここで風向きが変わる。
D君はいつでもT君を倒せると判断して、N君のワードを開けるために「よ」を選択したのだった。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「〇むよーく〇〇」
D君「しやすみ〇てい」
T君「く〇ーむ〇ーた」
N君の札が裏返っていく状況に、僕も参戦する。
僕も「よ」が裏返った瞬間にN君のワードが分かったのだ。
僕は「の」を選択。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「のむよーく〇〇」
D君「しやすみ〇てい」
T君「く〇ーむ〇ーた」
ここでほぼほぼ全員のワードが判明する状況に。
ここでN君の番。この選択が結末に直結することになる。
N君は1文字目を開けた僕にキレており、今すぐにでも脱落させたいと言っている。
だが、実は、N君は僕を脱落させることができないのだ。
ここでワード選択の差が生まれて来ていた。
N君は苦しい表情で「り」を選択。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「のむよーく〇〇」
D君「しやすみ〇てい」
T君「くりーむ〇ーた」
次に回って来たのはD君。
D君は「と」を選択。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「のむよーく〇と」
D君「しやすみ〇てい」
T君「くりーむ〇ーた」
この瞬間、このゲームの結末に悪魔の選択が現れる。
僕がそれに気づいたと同時に、T君はニヤリと笑って「ん」を選択。
彼は、面白いことが大好きな奴だった。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「のむよーく〇と」
D君「しやすみんてい」
T君「くりーむ〇ーた」
これでD君が脱落。そして僕が選ぶことができるのは「そ」しかなかった。
僕「か〇ひす〇〇〇」
N君「のむよーく〇と」
D君「しやすみんてい」
T君「くりーむそーた」
出番が回ってきたN君は天を仰いでいた。
「これ、勝者いないじゃん!」
もちろんN君が選んだのは「る」である。
僕「かるひす×××」
N君「のむよーくると」
D君「しやすみんてい」
T君「くりーむそーた」
なんと僕とN君の同時敗退で、全員脱落になってしまったのだった。
この結末に、流石に笑うしかなかった。そして四人で言い合った。
「このゲーム、おもしれー!」
残念ながらそこで予約時間が終わってしまったので、終了となってしまったものの、初めてのプレイ、でこんな展開になるとは思わなかったので、店を出た僕らの体は興奮でポカポカだった。
僕は、ボドゲの面白さは無限大だと思っている。
色々な人が色々な立ち回りをするから、予想がつかない展開や結末を見届けることができる。
「また、あいうえバトルやろう!」
僕の問いかけに三人とも頷いてくれたのだった。
すぐに、またボドゲしますので、また報告させてください。
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