こんな日がやってきた
中1息子、朝読書の時間がある。
「なんの本がいいかなあ、
持って行かなきゃ」と言う。
息子が本を読んでいる姿を
ほとんど見たことがない。
ゲームばっかりやっている。
ダメもとで、『はてしない物語』を
薦めてみよう、と思いつく。
分厚くてケースに入っている。
「これ、おもしろいよ。
ああ、でも重いかなあ」
なんて言いながら手渡す。
「ほんと、おもしろいから」
としつこく伝える。
「へえ、読んでみようかな。
(本を手に持ち)軽い、軽い
うん、持って行く」
意外なこたえ。
なんと素直。
でも本当に読めるのか.…
*
学校から帰ってきて、
「読んでみた?」ときく。
「うん、読んでる。おもしろい」
目をまるくする、
とはこういう状況を言うのだろう。
心底、驚いた。
中学校の教室で、
毎朝、『はてしない物語』の
あの分厚い本を開いて、
息子は読んでいる。
こんなことってあるんだなあ。
こんな日はやってくるんだなあ。