小さな水族館にカメがいた。 小さな子たちがむらがっている。 ふれあいコーナー。 カメの持ち方の絵がある。 おとさないでね、と。 小さな子どもたちが水に手をつっこみ、 かわるがわる、がばっと持ち上げる。 カメたちも大変。 そのコーナーのすみっこにカメがいた。 気づかれないように、 子どもたちの手が届かない場所で。 意思表示するカメがいた。
早く寝たけれど、夜中に目が覚め考えだし気になりだし携帯を確認し、また考えだし気になりだし携帯を確認し、というループにおちいる。朝起きてまた繰り返し、さっきも繰り返す。ばかみたいだねえ。本当に。 きちんと洗濯が干され、リビングのオレンジのあかりが遠くから見えて今日もきちんとなさっている人はなさっているんだなと思う。強いなあ。こうゆうものに負けないんだ。 昨晩読んだ谷川俊太郎さんの『バウムクーヘン』という詩集がとても良かったことを思い出す。今のわたしにぴったりで。今それを思い
寒くなってきて、窓辺のネコちゃんをよく見かけるようになった。窓辺の日光を求めてくつろぐネコちゃんを見ると、なんとも言えない気持ちになる。ごみ捨てに行ったらカーテンから顔を出して、私の顔をじーっと見つめてくる茶トラのネコちゃんがいた。うれしくて立ち止まる。手をふってみた。 ベランダで布団を干しているときも、ネコがくつろいでいる姿が見えて、思わず私も布団に顔をつけてネコと同じようにほんの少しくつろぐ。あのネコの名前はなんて言うのだろう。今度教えてもらおう。 * 知り合いが犬を
カメが好きだ。 できることならリクガメを飼ってみたい。 「飼いたいと思うなら飼ったらいいのに」 と言ってくれたひとがいた。 飼ってみたいなあ、と思うたび 彼女の整った横顔を思い出す。 この前、動物園に行ったら、 リクガメのぬいぐるみが 3000円で売っていた。 一瞬欲しいかも、と思ったけれど。 ふさふさとしたリクガメは不思議過ぎて やっぱりこれは違うな、とやめた。 動物園にいたマンネンくんという 大きなリクガメは カメラを向けたら のっそりと歩き始めた。 おおー、と知らな
※クモなど苦手な方はご注意を※ ベランダに小さなレモンの木がある。 葉っぱの様子がおかしかったので、 強めに剪定をした。 ある日、その小さなレモンの木に 小さなクモがいることに気づいた。 小さく巣をつくっている。 取り除こうかと思ったけれど、 じーっと見ていたら、 そのままにしておきたくなった。 ベランダに出るたび、 クモの巣をながめている。 クモが不在の時もあって、 いないとどこにいったのかなあ、 と少し気になったりして。 でもちゃんとまた戻っているのを見ると よか
時々、ある人のことを思い出す。 彼女は歯科医。フルタイムという働き方ではなく、自分にとってちょうどよい働き方をされていた。彼女はなんでもできてしまう。なんでもやってみたい人で、なんでも上手。パンづくり、洋裁。スリッパづくり。商品として売られてもいいくらいで、実際に商品として売りもしていた。彼女の休日は充実している。というより、休日とか関係なく、彼女の時間は彼女のものだった。私から見たら、自分で見事にコントロールされていた。 ある日、彼女の家をたずねた日、いつも通り朝ランし
この前、こざるを見た。 水を飲むところを見た。 ほかのさるが水を飲んでいて、 それを見て真似して飲んでいた。 さるたちも夏の暑さは どんなに大変だったことか。 秋はあっという間に終わりそう。 寒い日は、こうして みんなくっつくのだろうね。 はいおいで、と ぎゅっとする瞬間を見た。 お母さんなのかな? だれなのかな? 分からないけれど。 あったかそうだなあ。
『化粧するの、めんどくさ』 って思った朝。娘が「おはよー」と起きてきてその顔を見たら、『化粧しますか』って思った。めったに買うことのない(人生でおそらく3回くらいしか買ったことがない)、美容雑誌をこの前2冊も買ってみた。付録で高級なメーカーの試供品がたくさんついている。普段、ドラッグストアで手頃な値段のケア用品を使っているので、このようなものを使うことはない。その試供品のクリームを使ってみる。いいにおいがする。手で顔を包む。自分の手のひらの温かさが顔に伝わる。不思議と、元気が
スタバのアップルパイ。 去年食べておいしかった。 今年も食べたいとはりきる。 ★ 朝のスタバ。 アップルパイは あるか、あるか。 ちょうどふたつ。 「アップルパイをふたつに…」 コーヒーは一番大きいサイズにしてみよう! 母と分けたらいいな、とひらめく。 はじめてのVenti(約590ml)。 Ventiなんて言ったことないから 「…ドリップコーヒーの 一番大きいのを」と言った。 「ヴェンティですね。 アップルパイはあたためますか」 と聞かれて、 「お願いします」 と伝
なにかをつくる(創作する)とき、 オマージュを大事にしている、 と教えてもらった。 参照とも言いかえていた。 それはパクリではなくてね、と。 それがずーっと頭にあった。 「あ、あの本」 参照したい本が ピカッとやってきた。 一度手放した本。 古本屋で探し、今手元にある。 その本を、今日、紹介したい。 * 『何もかもわずらわしいなあ と思う日のスープ』 小林カツ代/講談社 帯にはこう書いてある。 本との再会をはたし、 ページを開く。 やはり目次がいい。 *
皿洗い。 好きか嫌いか? 子どもが小さかった時はとくに、 夕食後の皿洗いなんて、余力ゼロだった。 朝に持ち越しもよくあった。 今はそこまで疲れる日々もないけれど、 朝に持ち越しの時もある(正しくは 食洗器外のものを洗う余力がない)。 でも割り切って朝に洗った方が、 気分よくスピーディーに洗える。 もうダメだ、という日は もう潔く、朝へ持ち越している。 時々、 皿洗いハイな時がある。 まるで、新生児をやさしく 洗ってあげる時のような、 そんな気持ち。 絵を見たら思い出し
運動会にて。 知り合いの顔を見つけては、 手をふり、手をふられる。 あちこちでそんな光景がある。 夫はとなりでかるく頭をさげる。 そんな光景もあちこちで。 夫どうしが手をふりあう、は ほとんど見たことがない。 * 息子の友だちのママさんと立ち話。 制服が変わることについて、 話しをふられる。 女子もズボンをはいていいから、 ズボンを買うか、スカートを買うか、 どうしよう、と言っていた。 たしかに、最近よく見かける。 スカートではなくて、 ズボンをはいている子。 どうす
テスト終わりの中学生。 帰り道が一緒になってしまった。 息子と一緒の中学の子たち。 目の前に中学生女子4人組。 ある女の子が歌いはじめた。 あの子だ、と思う。 前にも歌っているのを見たことがある。 あまりに気持ちよさそうに歌うから、 私はつい、ニヤっとしてしまって。 それが良くなかった。 『あのおばさんわらってるよ』みたいに 隣にいた友だちがその子に教えた。 その子はふりかえり、 私の顔をちらっとみて、 歌うのをやめた。そんな日があった。 なんの歌か分
キンノモリシアワセ帖、という名の 小さな冊子をつくったことがある。 小さな起業講座の最後にマルシェがあって、 そこで50円で販売した。 * その講座の回がすすむにつれ、 どんどんこわくなり、 コンディションは絶不調。 「とにかくやってみて。 やりながら、 なりたいものになれ」 そんなメッセージを講師はくれた。 分かっちゃいるけど、 あの時は、恐怖しかなかった。 不思議と子どもが小さい時ほど、 忙しい時ほど、 そんなことをしたくなるものだ。 埋没したくなかったのだろ
これは私の名前。 こんな漢字の名前です。 いい名前だと思う。 秋の散歩!
銀座にある月光荘に やっと行くことができた。 なにか、あこがれと親しみを 感じ続けていた月光荘。 * 教文館から「銀座〇丁目」を いちいち確認しながら 大通りをまっすぐ歩く。 外国の方がとても多い。 あらゆる言語がきこえる。 銀座7丁目にようやくたどりつく。 たしかこのへんのはず、と曲がって。 お店をスムーズに見つけられて、 自分すごい、と思った。 思っていたよりも小さなお店。 ドアをあける。 こんにちは、とあいさつする。 エプロンをした店員さんは、 その佇まいから感