朝食はコーヒーとオリーブオイル
このふたつがあれば完璧だ。
お父さんは言う。
お父さんとは、私がマラケシュでステイしているお家のお父さん。彼はモロッコ人。
朝食は、パンとコーヒーとオリーブオイル
畑で育てた麦を挽き、天然水と合わせて捏ねた
月のように丸く大きなパン。毎朝お母さんが釜で焼く。
コーヒーはインスタント。
ハヌートと呼ばれる小さな商店で必要な分だけその都度買う。
ガスコンロの片方ではインスタントコーヒーを
片方では搾りたてのミルクを温める。
オリーブオイル
もうずっと古くから育てられてきている、100を超えるオリーブの木。
代々大切に受け継がれてきた美しいオリーブ林が家の前にある。
この実を収穫し、絞ったオリーブオイル。
この家の人たち、私のモロッコの家族が生み出す黄金色のオリーブオイルは、華やかで、そのままグッと飲めるほど柔らかい。
パンにぎゅうぎゅうに浸して食べる。急がないと滴るくらいに。
口に入れれば今度はオイルがじゅわっと滲み出てきて、身体の中はオリーブオイルの香りでいっぱい。
オリーブオイルでこんな幸福を感じられるなんて知らなかったな。