作家・武田綾乃の体癖【ユーフォ考察】
本記事では「響け!ユーフォニアム」の著者・武田 綾乃の感受性を理解すべく,心身の偏り習性の観察による体癖分析を行う.
体癖については次を参照.
1. 体の形
まずは体の形を観察しよう.
体は臓器の働きに直結する.
首に特色のある細長い体から,上下型の体癖素質があると見当がつく.
上下型はエネルギが頭に昇華するため脳血流量が多く,首は長く太くなる.
体が細長い長方形の恰好をしていれば,大脳的な臓器の動きがある.
次に示す文学YouTuberベルとの対談では,二人とも体の恰好が似ている.
どちらも首に特色があり,体は細長く胸は小さいが,これらは上下型の特徴と合致する.
上下型は,目で見たことよりも文字の方に実感がある.
したがって,二人が活字中毒となったのも偶然ではなく,そういう体があるためといえる.
上下型の感受性の中心は毀誉褒貶(メンツ)だから,人の顔ばかり気にする.
これは,上下型が客観的な視点で自分を観察するためだ.
次の投稿からは,その傾向が見てとれる.
「一人だと思われるのは嫌」で「誰かといる時の沈黙は苦手」なのは,上下的な客観性のメンツとしてのあらわれである.
「一人でいる時の静寂は好き」というのも,人目が気になるうえに,静かな環境でないと集中できない上下型らしい.ただし著者は,ながら族の五種が応援している上下型である可能性があり,その場合には矛盾した様相を呈してくる.
「共感したという感想をいただくとほっとした気持ち」になるのも,他人が基準となっている.
次の投稿にも,言葉に敏感でメンツを気にする上下型の特徴があらわれている.
上下型は,意識も血流もみんな上へゆく上がりやである.
次の投稿は,まさに上下的なあがり症の説明となっている.
思索的な上下型は,その場に即して話せない代わりに,ああ言えばよかった,こうすればよかったと後から考える.
それでいい文句を思いつくと,もう言った気になって忘れてしまう.
そういう特徴が,じっくり時間をかけて考えられる執筆という面では長所となる.
執筆で好きなところについては,次のように述べている.
知的好奇心や計画というのは,まさに上下型の体力発揮の方向である.
ただし,上下型がそれを「好き」と表現するかは疑問だ;そう断言できるのは,2 章で述べる左右型の感受性のためだろう.
意識が上方にあるため,小説においても空の描写が多い.
ユーフォに登場した架空の楽曲には,それが如実にあらわれている.
1年次の課題曲:『三日月の舞』は,文字どおり夜空に浮かぶ月を見あげている.
2年次の自由曲:『リズと青い鳥』は,青い鳥が大空へ飛びたつという結末だ.
3年次の自由曲:『一年の詩』は,季節の一巡を表現した吹奏楽曲だ.季節は太陽放射エネルギの増減によって生ずるため,やはり意識は上方に向いている.
『飛び立つ君の背を見上げる』『その日、朱音は空を飛んだ』も同様だ.
上下型は,一種なら空を飛ぶ夢を見るし,二種なら空から落ちる夢を見る.
高校生活を駆け抜けるユーフォという長編のなかで,ちょくちょく短編やスピンオフを挟むのも,飽き性かつ内省的な上下型の感受性として理解できる.
ただし,短編しか書けなかった芥川龍之介ほどの純粋な上下型ではない.
2. 感受性
一方,内面の感受性は顔を観察する.
顎がしっかり張っているのは,前後型の感受性のあらわれである.
頭が大きいのは上下型の特徴だが,顔の形は上下型の長方形というより,むしろ前後型の逆三角形に近い.
何かあるとウンウンと頷く癖も,首の前後動作がすばやい前後型の特徴である.
前後型の感受性の中心は利害得失(損得)だ.
ユーフォに合理的で計算高いキャラが異様に多いのは,著者がそういう感受性を持っているためだろう.
次に示すあすかのセリフは,著者の考えではないか.
X の使い方にも,計算で割り切って動く前後型の特徴が現れている.
プロフィール欄に「宣伝用アカウントです」と明記してあるとおり,投稿は自身の作品に関するリポストがメインだ.
そこでプライベートな内容は少ないわりに,飲食店の料理写真は多い.
前後型も左右型も食いしん坊だから,よく食べるというだけでは区別がつかないが,食べる目的が異なる.
行動的な前後型は,栄養補給のために食べる
感情的な左右型は,好き嫌いで食べる
メディア欄を見た限り,著者は彩りのある「美味しいもの」を「食べることが好き」なようなので,前後型だけでなく左右型も複合しているだろう.
次の対談で述べられている料理好きというのも,消化器型である左右型の特徴と合致する.
前後的な逆三角形の細い顔の時と,左右的な丸い輪郭の顔の時とがあるのも,複合する体癖素質が体の波として交互に濃くなることを示しているといえる.
ただし,どちらが高潮期の特徴かということになると,観察が難しくなる.
腰の緊張傾向と共に濃くなるのが高潮期の体癖素質だから,作家なら筆が進む時にどちらの傾向が濃いかで判断できるだろう.
ユーフォには打算的な描写が非常に多いため,おそらく五種・四種だと思う.
次の投稿では,最終楽章 後編の発売前の緊張を表現している.
胃袋が痛くなるというのは,二種と四種とに共通する反応であるが,
二種の場合には意識的な心の集注の持続が,
四種の場合には隠された感情の乱れが
もとになる.
この区分は非常に難しいが,著者は「先ほど気付いて」途端に不安になったようだ.
次に示す感想でも同様に,理性よりも喜怒哀楽による体の変動をうったえている.
したがって私は,著者が感情の乱れを喋らず心の中に抑えていたために胃袋が痛くなったと推測し,著者には四種が濃いと考える.
3. まとめ
以上より私は,著者が上下型五種・四種体癖だと考える.
これは,主体である上下型を,体の波によって交互に前後型/左右型が感受性の面から応援するという複合状態を意味する.
そこで,ユーフォの主要キャラの体癖分析を進めるにあたり,著者の感受性
上下型の毀誉褒貶
前後型の利害得失
左右型の好き嫌い
が根底にあるという先入観をもっておく必要がある.
小説の描写を基準として考察するため,アニメファンも原作を読んでみてほしい.
アニメ版ユーフォは,京アニの代表作といっても過言ではない.
しかし,2024 年の春に放送された完結編『響け!ユーフォニアム3』は賛否両論で,かなり激しい論争を巻き起こした.
問題となった原作改変の意図については,下記で考察する.