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「裏切る」という言葉の温度差について気づいた話(授業中の話)

高等専修学校で働いていた時の話です。

授業をしていると、半泣き状態で突然教室から飛び出す生徒(以下、Aさん)がいました。

「小学校とかで見たことあるけど、高校生レベルでもこんなことあるのか」と内心思いつつ、Aさんを追いかけます。


Aさんに追いつき、なぜ教室から飛び出したのか話を聞きます。

すると、
「裏切られた」と言うのです。


人生で「裏切る」という言葉って中々使わないなと思って、戸惑いもありましたが、誰に何をされたのか再び尋ねます。


「Bさんが・・・Cさんと仲良く話してたもん」


・・・。


一見、微笑ましい光景に見えるのですが、Aさんにとってはショックなことだったんですね。

Aさんは小・中学校時代に、あまり学校に行かなかった生徒。
高等専修学校には頑張ってきてたんですね。
そして、仲の良いBさんという友達もできた。

でも、小学校や中学校で克服(?)、慣れるはずの「友達の友達の会話」や友達との距離の取り方を身に着けられていませんでした。

友達はBさんのみ。

Aさんにとっては、Bさんが他の子と仲良くしていたら、「自分が孤立してしまうのではないか」という不安感が強くなったのですね。

「高校生にもなって」と思われる方もいるでしょうが、人との関係が築きづらくて苦しんでいる生徒はいます。

私としては共感しつつ、この状態がずっと続くのもかえってストレスかと思いますので、

「寂しかったよね。ただ、Aさんだって、他の生徒や人と話すことあるやん?ずっと一人の人と話すことってできないんじゃないかな?」

と例外探しをしながら、気持ちが落ち着くまで待ちました。


自分が使う「裏切る」という言葉や認識とは温度差がありそうでしたが、Aさんにとっては学校生活を左右する重要なことなので、「そんなこと」で片づけなくて良かったなと思っています。

言葉と感情を整理する。 

いや、そもそも授業中に私語をしてはいけませんよ(笑)


本日は以上です。
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福祉教育者 テリー
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