ゴッキンゲルゲル・ゴキ博士の知らんけど日記 その42:「ブラック・ジャック」という奇跡21 ~その子を殺すな!~
第21話「その子を殺すな!」は、1974年4月29日、週刊少年チャンピオン誌に掲載された。あらすじはこうだ。
超能力者、ハリ・アドラの心霊手術が話題となっている。トリックでもいかさまでもなく、右手を患者の腹の中に入れ、腫瘍を取り出したりする。わずかに残った傷口もすぐにふさいでしまう。本物の超能力者。ハリ・アドラは言う。「ワタシハ 神デハ アリマセン」「スベテ 神サマノ オボシメシデ ヤレルノデス」。マスコミが面白がって、ブラック・ジャックと対決させようとする。
ブラック・ジャックが子宮外妊娠の手術を始めようとしている。「このX線像だと 胎児も まともじゃないな」「母親を助けるには 胎児を犠牲にしなけりゃ ならない」とブラック・ジャックは言う。そこへ、ハリ・アドラが登場。「アナタハ オナカノ中ノ子ヲ コロスツモリデショウ?」「そうだ それが どうした?」「イクラ 胎児ダカラトイッテ イノチヲトルトハ ナンダ!」「ワタシナラ 母親モ オナカノ子ドモモ タスケルコトガ デキルノダ」。それでもかまわず手術をしようとするブラック・ジャックだが、ハリ・アドラは超能力でメスや他の手術器具をねじ曲げてブラック・ジャックに手術をさせない。仕方なく、ブラック・ジャックはハリ・アドラと交替。ハリ・アドラの心霊手術が始まる。
「ブラック・ジャック 見テイナサイ コレガ ワタシノ ヤリカタダッ」「神ヨ・・・」「ワタシニ チカラヲ・・・」。そして、胎児を生きたまま取り出す。ところが、看護師がその胎児を見て悲鳴を上げる。取り出された胎児は無頭児だった ―無頭児 大脳を まったく欠いた赤ん坊である ごくまれにしか生まれないが もちろん 生まれても 生存能力はない―。ブラック・ジャックは「X線像で このことはわかってたんだ だから殺したほうが 母親のために よかったのだ!!それとも そんな赤ん坊を生かすのが 神のおぼしめしだってのか?」「そのカエルみたいな 脳ミソのない子が どんな一生を送るというんだっ」「殺せーっ」「そのほうが 慈悲なんだ!!」と言って胎児のへその緒を切り、胎児は息をひきとった。「おまえさんの 超能力が神がかりだってことはよくわかったよ」「だが医者はな ときには 患者のためなら 悪魔にもなることがあるんだぜ!」
ハリ・アドラは、打ちひしがれて手術室を去る。母親が麻酔から目覚める。「・・・麻酔がさめたね・・・手術は終わったよ」「・・・おなかの赤ちゃんは・・・?」「死んでたよ あきらめるんですな」「・・・・・・・・・そう・・・・・・」。
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