ゴッキンゲルゲル・ゴキ博士の知らんけど日記 その38:「ブラック・ジャック」という奇跡17 ~灰色の館~

 第17話「灰色の館」は、1974年4月1日、週刊少年チャンピオン誌に掲載された。あらすじはこうだ。

 手術の依頼が入り、不気味だがすごく立派な屋敷へピノコと向かう。若く美しい女性が出迎える。患者の所へ案内される。地下室に、全身が焼けただれた男がいる。患者は依頼主の兄。顔も原形をとどめていない。治療のため何人もの有名な医者が世界中から呼ばれたが治せなかった。そこで、ブラック・ジャックに声がかかった。1億5千万円で治療を請け負う。
 何日もかけて少しずつ全身の再建を行っていく。その過程の中で、この兄と妹の間には何か秘密がありそうなことがわかってくる。妹はブラック・ジャックに告白する。「兄は気が荒く つめたい人でした そして暴君でした」「あたしは いつも兄になぐられて ひどい目に あわされていました」「ある日 とうとうカッとなったわたしは 思わず置き物をとって 兄の頭に投げつけたんです」「兄はものもいわずに たおれました」「そして二度と おき上がりません わたしは・・・てっきり 死んだと思いました」「そして・・・思いあまって 焼却炉の中で焼こうとしました」「ところが!!兄は焼却炉の中で息をふきかえしたのです 火だるまになって!!」「水をかけましたが もう もとの兄の姿ではありませんでした」。ブラック・ジャックは「兄さんがなおったら きっとあなたを殺す」と言う。しかし、妹は「ええ 殺されても かまいません!!」「わたし・・・兄を愛してるんです!!」と返す。
 動けるようになった兄はブラック・ジャックの予想通りバーナーで妹の顔を焼く。そして狂ったように笑い続け、屋敷全体が炎に包まれる。ブラック・ジャックは「医者は人のからだは なおせても・・・・・・」「ゆがんだ心の底までは なおせん」とピノコと車で屋敷を後にする。

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