風俗嬢になること、辞めること
風俗はお金に困った人が働くところ。
ホスト、メンズ地下アイドル、薬、ギャンブル、
借金があって仕方なく働くところ。
そこでしか雇ってもらえないから働くところ。
そういうイメージがやっぱり強い。
昔は私もそう思っていた。
でも私は仕事がある、お金にも困っていない、
薬もお酒もタバコもいらない、推し活代は毎月5千円。
不満も悩みも何もない、
人生が1番楽しいタイミングで風俗嬢になった。
2023年9月24日
15:00
ベッドでゴロゴロしながら思いつきで、
知らない世界を知りたくてお店にメールした。
18:00
渋谷の風俗街にある事務所で面接をした。
21:40
初めてのお客さん
なぜか指名してくれた田中さん(仮名)90分。
1番安いホテルでオプションもなし。
高校の仲良しだった物理の先生に似てて、
聞いたら本名フルネームで名乗っちゃうおバカ。
私の取り分は11,500円だったけど、
田中さんがくれた黒烏龍茶が美味しくて
その日から黒烏龍茶が好きになった。
その日から私の人生が変わった。
出したシフトは予約で埋まった。
予約取れない、ズルしてるって言われたから空いてる時間は全部出勤した。
新規のお客さんが増えるとまた来てくれる人が会えなくなるから出勤時間を増やし続けた。
喧嘩した人もいるし、泣いたり泣かせたりもした。
誕生日もクリスマスも私にくれる人たちと、一緒に過ごしたその時間だけは本気で愛して愛されたって思える。
半年、予約完売、128人の本指名と34人の一期一会。
152人全員覚えてるって自信を持って言える。
私を初めて指名してくれた田中さんは
年末に帰省するって言ったきりだけど。
そんな大好きな人に囲まれた大好きな仕事
私は毎日、風俗に出勤するのが楽しかった。
1人ひとりとスケジュール調整して、
連絡とるのをみんな申し訳なさそうにするけど、
次のデートの約束きめるみたいで全部楽しかった。
本当だよ。
でも2024年6月18日
今日卒業するって決めた。
なぜなら6月19日は誕生日だから。
みんな大好きだけど、1人に向けられない溢れ続ける愛情を、たった1人に向けられる日が来るまで、
私だけかもっと大きな世界かどっちか振り切って愛情振りまいてみたいなって思った。
また1つレベルアップする私に新しい世界を見せてあげたくなったから。
それから風俗からすっぱり卒業して4ヶ月。
正直めちゃくちゃ楽しかったし戻りたくなるよ。
めちゃくちゃみんな会いたい。
全員との思い出全部書いていい?笑
奥さん怒るかな、独り身ばっかりだし平気か。
性癖は隠してあげるよ!…………たぶん。
つまり、めちゃくちゃ大好きな仕事だったし、
今でも最高の人たちに出会えたって胸張って言える。
私の本指名は最高最強に愛おしい人たち。
でもね、これ書いてるってことは察してると思う。
私、自分で選んでよかったって思ってる。
風俗嬢になることも、
辞めたことも。
だってこんなに愛おしくて幸せな時間を
こんなにたくさんの人からもらえて、
たくさん愛して愛されて、本当に幸せ。
その幸せがあった分、思い出の分、
辛いなサボりたいなってときに頑張れてる。
そんなイレギュラーで私だけの幸せを手放してまで、私は私にすべてを賭けて新しい世界を見せてあげるって決めたんだから
こんなとこでメソメソしてないで踏ん張れって
疲れたもう逃げたい辞めたいってなるたびに、
仕事頑張って会いに来てくれてたみんな思い出して
逃げんなーーーーってなるんだ。
そんな私は今、一度やめた自営業を再開して、
教える仕事も続けて、
取ろうとしてた資格はまだ学校通ってて、
意味わかんない多忙な毎日を過ごしてる。
頑張れてる。
だから辞めてよかった。
出会えてよかった。
なんて、
特大ラブレターみたいな、
イレギュラーしかない話です。
もちろん風俗に限らずどこで働いてる人も
権利を無視されることなく、
1人の人間として最大限尊重されて、
それでも今の仕事を本気で大好きだと言える人は
多くないと思います。
この文章が歪んだ解釈や誤解に繋がることなく、
ただ1人そんな奴もいたことを知ってもらえたら
嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?