西の魔女が死んだ
これは大好きだった本のタイトル。
書きたい言葉がたくさんあるのに頭を使うことを脳が拒否していてうまく言葉が出てこない
何かをしようとしても涙が出るばかりで動けない
言葉にすることを諦めたら私の中の私が窒息しそうだから久しぶりにnoteを書こうとした
真っ白に言葉を置いたら支離滅裂すぎたからテーマになぞらえようと思った
『#私の勝負曲』というテーマがあった
勝負曲、あったなぁ。歳をとるごとに変わってきてしまったけど、どの年齢を思い出してもそのとき気張りたいときの音楽ってあったと思う、たぶん、きっと。
ただ、頑張れてない今の私に勝負曲なんてあるのか、何を頑張って何を聴いているんだと思った。
でもさっき泣きながら握りしめた包丁でなんとか柿を剥き、カピカピになったご飯を食べ、腐った食糧を分別して24時間のゴミ捨て場に投げ込んできた私は確かに生きることを頑張っているし、自分に向いた切先を柿に向けるとき確かに小さく口ずさみながら食いしばった曲があった。これは私の勝負曲だろ。
そう、私がかけられておかしくなった魔法も
私がかけておかしくしてしまった魔法も
可愛いだけの棒からかわいいだけのビームが出る
ただそれだけ。
相手がどうにかなっちゃったのも、
きっとどうにもなってないの。
だって魔法は魔法だもの。
だって私、魔女になりたかったの、ずっと。
教壇に立った私にも、真っ黒なふんわりが全身を覆うワンピースも、チョークの粉でキラキラの指も、夜になると襲いかかる絶望を背にお城に逃げ帰るための馬車も、全部魔法でできていたのに。
でもきっと私がどうにかなっちゃったのも、
きっとどうにもなってないの。
だって魔法は魔法だから。
どうにかなろうとしたのも
どうにかしてやろうとしたのも
そのあとの景色を描いた私だけ置いていかれて
でも私だけどこにもいなくて
ああ私の世界から私の見たかった景色から
私だけがいないのはなんでだってずっと思ってた
私だけが私を見ていて私だけが私を見えなくて
あぁなんでって思うけどそれでも今日を生き伸ばして
1日だけもう1日だけってズルズルと続けてきたそれだけが私の生きてる意味でそれだけが安寧なの
死にたいだけ、死んでしまえたらって願うだけ
殺したいだけ、殺してしまえたらって願うだけ
死なないし殺さないしそういうのとは違うの
痛いの怖いし痛めつけるのも怖いそんな覚悟ないの
適当で無茶苦茶に思ってもないのにただ口から出てくる薄っぺらな言葉に命なんてかけてないし
人生かけられるほど考えてない嘘が私の口から出たせいで本当になってしまったの、些細なことでも苦しい。
同級生が下積みしてる間に私は就職して結婚して離婚して退職して世界に絶望した
大好きだった音楽を聴かなくなった。人生救ってくれた超歌手への愛も蓋をした。過ぎる時間を見ないように。大好きな人に汚い自分がバレないように。
新しい世界で数多の愛を弄ぶことを選んだ。喜怒哀楽はどこかに行った。何も考えてない頭を無視して口から勝手に生えた手がいろんな愛を転がした。それでいいと思った。私は私であることを諦めたから。
でも結局1つの愛を選んでしまった。そのために他の愛はとびきりの笑顔でぐっちゃぐちゃにした。笑うたびに内臓が軋みを上げた。
好きな人ができた。大切にしたいと思った。愛してしまった。いつかいなくなると思ったら涙が出た。
何者にもなれない道化師らしくヘラヘラと罪を重ねて行く道を選んだのにまだこんな真っ直ぐに愛を煮詰める私がいたなんて思わなかった。しかも久しぶりに泣いたら超苦しいんだ、頭痛も吐き気もするし息はできないしあぁこんな生きてるって無理矢理わからせるような感情あったんだなって。
これはそうなりたい私の祈り。
いつか私の愛が、正義が、この震えが、犠牲が、祈りが、全部包み込める私になったらという希望。
知ってる?
魔法ってなんの役にも立たないもののことを言うの。
ただ可愛いだけの棒からハートやら星やらの
かわいいだけのビームが出て
相手がどうにかなっちゃうそんな
あってもなくてもいいムダなものにしか
ときめくことがもうできないのよ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?