リラックスしたい時は、現実に戻る
リラックスするって、どんなイメージでしょうか。
ゆるゆるで、脳内御花畑で、現実から少し逃避しているような?
実は、違います。
リラックスは、今、目の前に起きている事をそままに捉えられること。
現実的になるということです。
無意識的に緊張している。
プレッシャーを感じ続けている。
リラックスしてない時とは、どんな時でしょうか?
緊張し、かたまり、息苦しい状態は、盲目的な状態になっている。
つまり、現実を捉えきれない苦しい状態のことだと、私は思っています。
緊張の根源は、どこからくるのものなのか。
肉体と精神その両方が作用して、訪れますが、その仲介をしているのが脳です。
少し、話しがずれますが。
私たち人間が、リラックスすることから遠ざかりやすくなる理由は、動物と比べ、二足足歩行で、脳をとても発達させた生物だから、という由縁があります。
・より遠くのものを見よう
・先にあるもの事を知りたい
・未来に訪れる脅威から身を守るため
そのため四足足から、二足足歩行になったという生物の進化論があるそうです。
四足足で、地面と今この目の前に見える視野や感覚的な事以上に、遠くの未来や過去に意識を向ける事のために私たちの肉体と脳は進化したという。
これを知った時、私は膝を打ちました。笑
つまり、脳は、これから起こるかもしれない脅威を予測したり、過去から算出し、危険回避をさせる生命への自動安全装置というわけです。
ただ、先読みの生命維持をするためには、同時に危機感、不安や恐れ、緊張を与えなければならない、という点もあるのです。
また、私たちの脳の生命維持機能は、肉体だけではなく、精神にも作用している。
「社会の中で、こんな自分でありたい」
「役に立つ人間でいなけれなならない」
「こんな風に、他人に思ってもらいたい」
「何者かに、ならなければならない」
そんな承認欲求も、社会や集団の中で、自分という存在を受け入れてもらい、円滑に生命を維持していくために必要な機能です。
希望の様なこんな思いも、行き過ぎると、強い脅迫観念、過剰適応、不安へと無識に自分を追いやることもあります。
とはいえ、緊張は、悪ではなくて、生命維持として、超重要な機能です。
だって、目の前にお腹を空かせたライオンがいるのに、リラックスし、『今ここ‥』とか無理ですね。笑
それこそ、お花畑状態です。
ガブっとやられますね。
ですから、それはもう全集中で、その脅威から身を守ります。
脳の機能は、私たちを守ろう、長らく生きさせようする優しさ満点の機能でありつつも‥
表裏一体として、悩みや不安を植え付ける機能とも言えます。
常に盲目的で、今なんの脅威もないのに、無意識的に緊張していたら?
つまり脳機能にいつもハイジャックされていたら。
今この瞬間に起きている現実を捉えられず、緊張や不安、プレッシャーが中心になって生きてしまうことになります。
とても、疲れますね。
この脳のハイジャックから、フラットに現実に私たちを繋げてくれるもう一つの機能が五感、体感覚です。
五感は、今この瞬間にフォーカスを向けやすい機能です。
美しい景色を見て、一瞬に心奪われる。
自然の草花の香りに、ホッとため息がでる。
素敵な音楽を聴いて、気分が上がる。
美味しいご飯を食べて、心から幸せを感じる。
気持ちのいい触感に、思わずずっと触れてしまう。
脳の支配が強くなってしまうと、五感や体感覚も引っ張られてしまう。
同調してしまうのです。
今、この瞬間にある現実、豊かさを享受できなくなるのです。
今、目の前にある現実を体感ともに、そのまま感じてみる。
自分が恐れている脅迫的な何か、誰か。
恐れている状態、もうこうなりたくないと思う過去。
今ここに、それはありますか?
「何もない。」
もし、そうだったら‥
あなたの目の前にあるのは?
あなたが今、五感で感じることは?
今ここにあることを落ち着いて、受け取ってみる。
空気、光、流れる時間、音、自分の体、心地よいフィーリング、本当はこうしたいという願い、さまざまな感覚が静かに浮かび上がるかもしれない。
ハート、心のあたりが緩んでいく、感覚がないですか?
もしかして、再び脳が、「そんな、たらたらしてる場合じゃないぞ!お前は、もっとちゃんとしなきゃけないんだ」
そんな風に、自分を焦らせる感覚や考えが浮かんでくるかもしれない。
途端に、体を締め付け、視野が狭くなります。
これが、ハイジャックと今を盲目的にさせる思考さんの最速自動機能。笑
やることや、仕事はあるかもしれない。
でも、そんなに緊張感や焦りを持ってする必要があるのか?
今この瞬間を感じながら、リラックスしながら淡々と行うこともできる。
もしくは、そんなに焦燥感に駆られてやるべきことなのか?
明日でもいいのかもしれない。
不思議だけど、リラックスすることで、今までなかった自分の思考や選択肢が生まれることがあります。
自分の中に、自由さ、余裕が生まれるからこそ、いろんなこと、色とりどりの自分を選ぶことができる。
もっとリラックスして自由な存在として、ここにいることができるのです。
これが、リラックスし現実に戻る、今を自由に選択していける自分に戻るということです。
私たちの目の前にある本当の現実は、頭で思い込んでるものとは実はずいぶん違い。
現実は、とても優しく多くのものが与えられています。
リラックスは、今ここにある現実を享受し、息をすること。
そして生きること。
頭も体も心も、全部丸ごと、一緒にいよう。
そんな選択肢も私たちには、目の前にあるのです。
武田 生宇