コミュニケーションを極めざる負えない人達のすごい話し方
しゅんしゅしゅんです。
最近も読書はしているのですが、アウトプットが追いついていない。相も変わらず素晴らしい本に出会ってます、私。
ということで、今日は「話し方」の本。
「話し方」の本って、どの本もアマゾンのレビューがたくさんついてますよね。人間関係に悩んでいる人。人間関係を良くしたいと思っている人が世の中にはたくさんいるんでしょう。
だからこそ、「話し方」の本はたくさんあります。元アナウンサーであったり、心理学者であったり、メンタリストであったり、外資系保険会社のトップ営業であったり、コミュニケーション専業のコンサルであったり、実にいろんな方が「話し方」の本を書かれています。
そんな中、異色の本が、これ。
なんと、著者は元マルチ商法のトップセールスで今は人気のYouTuber。
アナウンサーの方が書いた本のように、美しい日本語の話に終始するものではないでしょう。コンサルの方が書いた本のように、机上の理論に終始するものではないでしょう。
これは気になりますね。どうしても気になりますね。
ということで、買いました(本屋さんのレジにもっていく時に少し恥ずかしくなる本の装丁ではありますが。。)
結論からいうと、見た目を裏切る、骨太かつ本質的な内容でした。
「思い通りに人を動かすテクニック」というと、なんだか聞こえは悪いですが、要は「相手と信頼関係を構築して、相手に納得した上で行動してもらうために大切なことは?」ということです。
大きくは3段構成の内容なのですが、まず一つ目は「見た目の印象の大切さ」について書かれています。二つ目が「話し方・伝え方」について。そして三つ目に「聴き方」について書かれています。
そうなのです。『ヤバい話し方』と銘打ってますが、どっかで聞いたことあるような心理学的なテクニックをなぞる本ではありません。直接的な「話し方」については全体の1/3なんです。残りは「見た目」「聴き方」こそが大切だということを言ってます。
「話し方」の本だが「話し方」についてあまり書かれていない構成にこそ、この本の真価があります。
どれだけ「話し方」のテクニックだけを磨いても、人の話を聴けない人は信頼関係なんぞ構築できません。そして見た目の印象ほど人に影響を与えるものはありません。「話し方」で勝負だ!と思っている人は、その時点で、つまり話す前から負けが決まっているのです。
直接的な「話し方」ではなく「印象操作」こそが勝負の分かれ目なのです。
さらに「話し方」についても、そのボリュームが1/3に抑えられているからこそ、使いやすいかつ絶大な効果のあることのみに取捨選択され凝縮されています。
コミュニケーションという分野において、何度も読み返して血肉とする本の一冊にして良い本だと思います。
ニュースで詐欺系の事件をみると、いつも思うことがあります。それはその事件を起こす人って頭が良くて大胆で勇気があるよなってことです。ベクトルが違うだけで真っ当なビジネスにその能力を使えば、きっと仕事ができる人だろうにと。
マルチ商法も同じですね。マルチ商法が決して良いことだとは思いませんが、一瞬にして信頼関係を構築して相手を洗脳しないと成り立たない商売だからこそ、商品・サービスの良さではなくコミュニケーションに全身全霊をかけているからこそ、裏側には想像以上の努力と真面目な論理があるのですね。優れた商品を販売している並みの営業・販売員なんぞ非になりません。
ということで、おススメです。
きっと実生活やビジネスで使いたくなる、使うべき手法が一つや二つ、いや10個くらいは見つかるはずです。
僕はこの本を読んで、やろうと思ったことが2つあります。
2か月に1回のペースで通っていた美容院を月1ペースにする。ゴリラクリニックにでも通ってひげ脱毛をする。
この2つです。
「え、なんで?話し方のテクニックちゃうんかい!」
と思ったあなた。
是非、本書を読んでみてください。
しかし、ゴリラクリニックってネーミングセンス半端ないよな。
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こっから以下は備忘録です(興味のある方だけお読みくださいmm)
■Yes,butではなく、Yes,By the way
「そうだよね、でも」ではなく「そうだよね、ところで」。心理的リアクタンスという心理作用があります。ビジネスコミュニケーションにおいてこの法則ほど大切なことはないかもしれません。反論・論破ではなく、質問により相手が自分の意思で決めたと思うように誘導すること。交渉や営業をしていて焦ると「でも」って言葉はでちゃいます。「でも」は禁句です。
■マシンガントークはコミュ障
試合に勝って、勝負に負けるというやつですね。セールスの鉄則は口先で勝ちを譲って、取引で勝たせてもらうこと。コミュニケーションのゴールは相手に気持ち良く動いてもらうこと。印象を悪くする話し方がコミュニケーション上手なわけがない。ディベートは論理を競うのであり、心理を競うわけではないのでコミュニケーションスキルとは別。一見すると頭の回転が速くまくしたてるようにお話ができる人に憧れをもっちゃだめです。そこに優越感を感じてはだめです。いかに相手に勝ってもらうかを大切に。
論理的に正しいことを正確に伝えるはコミュニケーションのコツではない。心理的に影響力のある話し方こそがコミュニケーションの真髄。わかりますねよね。前者の人はたくさんいますよね。「言っていることは正しいしわかるけどなんか面白くねえなあ」と、あなたがそういったコミュニケーションの受けてだったら思いますよね?なのにコミュニケーションを学ぼうとする時に論理的に正確に伝える術だけを身に付けようとする。可笑しな話ですね。
■結局顔の良い営業は売れる
ハロー効果や初頭効果(ググってください)からは誰もが逃げられない。であれば、そこにインプットを集中投資することで、アウトプットの転換効率を一番よくする。
このnoteに書いてあることと本質的には同じことです。清潔感のある髪型で、サイズにあった服を着て、筋トレいって、背筋伸ばして、白い歯で笑ってればビジネス書100冊分の効果あるってことです。
マルチ商法の中堅リーダーは美男美女率が多いんですって。そりゃそうだろうな。各社の売れている営業の美男美女率もきっと高いんでしょう。
ブサイクに限って見た目にかける金をケチる
名言ですね。
■結局、おだて・お世辞・ゴマスリ
仮に褒め方が壊滅的に下手でも、いざ自分が褒められると人は相手を信頼し心を開く。褒めるを侮るなかれ。
あなたが褒めた相手は、あなたのことを「洞察力のある人」「正しいことを話す人」だと思い込んでいます。なぜなら、自分を肯定してくれるあなたを「話が下手」「伝わらない」なんて否定すると、せっかく満たされた自分の自尊心をも否定することになってしまうからです。
とあります。認知的不協和ってやつですね。僕が思うに、心理的リアクタンス、ハロー効果と合わせて、心理効果の3大原則ですよね。
褒めるプロはコミュニケーションのプロと言っても過言ではない。そして究極褒める内容はなんでもいい。褒めようとするか、褒めようとしないか、それだけが天下分け目の関ケ原です。
■99%の人が興味をもつ会話のテーマは、その人自身のこと
褒めた後に何の話をしたらいいの?簡単です。相手の自分自身の話です。人に好かれようと思って自分の話(アピール)をするのは愚の骨頂。
悪魔的話術。「共感逆マウンティング」が紹介されています。
相手の趣味を知っていることを伝えて、自分もやってみたけどあなたに比べたらまだまだだから教えてほしいと伝える手法。
「〇〇さんは、ゴルフをやられているんですよね。僕も以前、打ちっぱなしだけやったことがあるんですが、全然飛ばなかったんですよ。どうやって上達したんですか?」
何でも使える悪魔のテンプレートですね。これは確かに悪魔的。
■話を一瞬でわかりやすくする魔法の言葉。
「わかりやすく言うと、〇〇みたいなもんです」
これまた悪魔的です。
これも認知的不協和ですかね。「わかりやすく言うと」と言われると「今から話される話はわかりやすいのか。じゃあ納得しないとな」と無意識になるものだということです。
ほんと認知的不協和は応用の幅が広い。
■どうすれば聞き手の集中力を保てるか
それは「あなた」と「質問」。勉強会や講演等で一方的に話す場合も、この2つを駆使しないと、10分後には僕の話は右から左に流れていく。
「あなたはどう思いますか?」
このワードを挟むだけで、「ん?何について?」「やべー、ぼーっとしてた。聞き逃していたかな」と注意を話し手に戻す。
淡々と話し続けて、時間通りに喋り終えて満足しているのでは、まだまだだなあ。
■話がうまいとトークがうまいは別
流暢に話せるあの人。面白い話をする芸人さん。論破王と呼ばれる人。トークがうまい人に憧れてはいけません。普通の人が磨くべきはトークのうまさではなく話=会話のうまさです。
つまり、話し方・伝え方以上に聴き方が大切なのです。
テクニックでいうとうなずきとか相槌は誰しもが意識してやろうとすると思いますが、意外にやっていないのが眉毛を動かすこと。
気持ちも身体も全身全霊で相手の話を聴きましょう。
「それは違います」と相手の話を遮るのは超厳禁。ご法度中のご法度。最後まで相手に話をさせないはもはや攻撃。強く強く、深く深く心にとどめておくように。