
アーユルヴェーダ体験記 in スリランカ
突然ですが、2017年9月に、知人の知り合いが企画したスリランカのアーユルヴェーダ体験ツアーに参加したのでその時の記録を。
以下、情報を引用しているURLのほとんどがFacebookのものなので、その点ご容赦いただきたい。
主催者は、Jun Maedaちゃん。https://www.facebook.com/june.maeda.9
現地のコーディネートは、うっちゃんこと、内海 由周さん。今もうっちゃんはスリランカで同じお仕事されているので、アーユルヴェーダに関わらずスリランカに興味がある人はなんでも相談されるといいと思います。
https://www.facebook.com/groups/656367197790756/user/100085001914253/
うっちゃんのyoutubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC5kDbtm5kxW9_9lTecWUnpQ
その当時の写真を全て失ってしまったのと、どうやってやりとりしていたのか、旅の記録が残ってないので(フライトチケットの情報とか、どこの施設に行ったとか)なんともヘンテコで、情報にならない体験記なのはご容赦いただきたい。多分、コロンボに何時に着く、っていう情報以外やり取りしてないんよね。迎えに行くから〜、あとは全面的にお任せで、その日の朝にその日の予定が告げられて、それにはーい、って言いながら乗っかってた気がする。酷い話だけど(爆笑)何も困らなかったw
Junちゃんがポストしたその時の記事。
https://www.facebook.com/share/p/18AFiRKhwc/
この時のツアー内容は、アーユルヴェーダを体験しながら、スリランカの観光もしちゃうよ、というもの。だから、アーユルヴェーダの勉強をする要素はほんの少しスパイス程度の量。
ツアー代金に含まれていたのは、現地でのアクティビティに対してのみ。15万から20万ぐらいだったのかなぁ・・・・全く覚えていないけれども。今同じことをしようと思うと、もっと高くなるでしょうね。現地までのフライトチケットは、参加者の都合もあるからと、参加者が個人で準備。あまりバラバラと来られても、現地のお迎えが困るからということで、ある程度時間を合わせたように思う。タイでトランジットするときに、関西組と合流して、その後コロンボへ。
コロンボの空港までお迎えがあり、両替を済ませてから、車で体験施設まで移動。夜だったので、移動中は外の景色は見えなかったから、どういう地域を抜けたのかも定かではない。
Junちゃんのポストを見ると、ニゴンボという都市だったよう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%9C
その郊外にある、保養所のような感じの場所だった。
スリランカ、ニゴンボ、アーユルヴェーダで検索をかけると、いくつかの施設が検索されてくるが、どれも違う。ホテルではなく、合宿所のような感じだったのと、プールもなかった。
門番のいる門があって、広い庭があり、2階建ての広い建物があって。そこで、寝泊まりしながら、ご飯をいただき、アーユルヴェーダの体験と小さな講義を受ける。華美な装飾はなく、現代的な設備でもなく、ちょっと前の時代のゆったりした建物。唯一不満だったのは、学校のプールのようなあまり暖かくないお湯が出てくるシャワー室。そもそも、日本の温度でシャワーを浴びるという習慣がないのかもしれない。寝所というか、滞在するのは小部屋ではなくて大部屋。お布団は、床に薄い敷布団と掛け布団はシーツ一枚。あたたかな国ってこうなんだなと思ったり。風邪ひいて熱発してたので体調的には最悪だったっけ。
周りは林と、小さな家が点在している。道沿いに駄菓子屋があったり、家の庭では牛が飼われていたりと大変のどか。
医療に特化したアーユルヴェーダを受けるだけならどんな環境でもできると思うけれども(治療環境をどう整えるかは別)、アーユルヴェーダに関わらず伝統医学に触れるときには風土や文化を感じられる場所の方が良いと思うので、コロンボのビルの中で受けるよりもこの時の環境はずっと理にかなってるなと思う。
・アーユルヴェーダの基本とこの施設に関する、小さな講義を受けた。特に珍しい話はなかったと思うが、メモをとった記憶はあるので、面白いこともあったのだと思う。肝心なメモがどこにあるかわからないので、なんとも情けない話ではあるが。
・予診票よりももっと内容の多い質問票に回答し、それを元に、アーユルヴェーダ医との面談が行われて、細かな質問と、脈などの診察、その結果の説明。そして、処方するアーユルヴェーダ薬の説明と、どれを購入するかを相談。同時に、必要なトリートメントを受けた。
私が受けたのは、早朝に敷地内で摘んだフレッシュな花がたくさん入ったお風呂(これもやっぱりぬるい。)すっぽんぽんでお風呂に入り、三人ぐらいの人にケアされながらというのはちょっと恥ずかしかった。ケアする方も大変だよね。他にも1つぐらい何か受けた気もするのだけど、ちょっと覚えていない。同じ部屋には、横箱型の蒸し風呂があった。熱があるからこういうのは処方されなかったのかもしれないけど、受けてみたかったなと思う。アブァンガ、カティバスティ、シロダーラなど、人によって受けてるトリートメントは様々だった。
・処方薬を購入。これもまたFacebookだけれども、購入したものはこんな感じ。旅行後に残した唯一の記録だった。ポスト自体は、そもそも熱があり普段の体調とは大きく違っていたので、どこまで診断と処方内容が、普段の私にあったものだったのかもわからないということを書いているだけのポストなので、写真だけ見れれば十分なのかな。
左の縦長のラベル無しの瓶と青ラベルは偏った体質、体調を中庸に戻す目的のもの。ピンクラベルは、元気を上げるものらしく、瓶と青ラベルを飲み終わってから。とあるので、全部服用薬だったのかと。勧められたものを全て購入した。

伝統医学に共通してることだが、食や環境も重要視する。中国伝統医学からは無くなってしまった食医(20000年ぐらい前に?)が(そもそも伝統中国医学自体が、中国政府によって1970年代に終わらせられているし、歴史的背景を見ても同様なことがなん度も起こっているので、何を中国伝統医学と呼ぶのかはさておき。今国策として行われている中医学は1970年代に再構築されたもので新しい。)、アーユルヴェーダには健在しておりアーユルヴェーダの専門のシェフというのがいる。そのシェフが毎食作ってくれて、そしてミニ講義もあった(ような気がする)。完全菜食で、伝統的な作り方のいろんなものも出てきて、辛いものもあったけど、見た目も工夫がされていて美味しかった記憶がある。たくさん出てくるので、食べきれなくて、医学的にはこれは如何に?と思ったのは内緒(過ぎたものは余分な水や熱や風を作り出すので、食べ過ぎは悪手なのだ)。そもそも個人に合わせた料理ではなくてみんな同じものが出てくるのと、サービスとして美味しい料理をアーユルヴェーダの料理法で持って提供するというものなので、そんなものではあるのだが。伝統的な素焼きの瓶で作る黒砂糖のようなものが美味しかった。自分で作らなくてもお店で売ってる。
シェフは質問をすると何でも教えてくれた。自由時間も多かったので、そういう時間を利用して参加者は各々質問しに行っていたっけ。ミックスのシーズニングを見つけて(読めない言語で商品名が書かれている)ガラムマサラ?って聞いたら、それはインド!!って半ギレで教えてくれたのが、シェフには申し訳ないけど面白かった。インドとはそういう精神的な関係なんだなって思えて。無知でごめんね。
こんな内容だったので、アーユルヴェーダ体験と言っても、自分が自分の体質・体調で体験するものであって、学ぶものとは少し違うのだなという印象を持った。予約の段階でいろいろ相談できるのかもしれないけれど、それは知らないので、実際に動くときに確認をしてほしい。本気でやるなら、アーユルヴェーダ専門の医療機関に入院して受けるのも良いと思う。多分インドなら可能な気がする(根拠なし。その当時いろいろ調べた時の印象で話してる。)
欧米からも多く体験に来られるそう。
日本にも施設はいくつか(幾つも)あるけれども、文化的背景を持つものを知りたいなら、それが生まれた場所に行かないと理解できないものも多いと思う。
また、帰国後に同じ職場の人にこの話をしたら、確か、日本統合医療学会の渥美和彦先生からそう伺ったと話を聞いたのだが、スリランカのアーユルヴェーダは形骸化している(もっと柔らかい言い回しだったかもしれないが、意味合いとしてはなんというか形はあるが中身?本質的なもの?が伴ってないということを言われた。観光資源のアトラクションである方が多くて、文化の中に息づいていないと言うことなのか、直接聞いたわけではないのでわからない。)ということで、それを経験したいならインドに行けと言われた。このことを私に話した本人は、知識としてアーユルヴェーダを知ってはいるが、自身は学んでおらず、ましてやインドにもスリランカにも行ったことがない人なので、全面的に言葉を受け止めるのもどうかと思う。と同時に、そのネタ元の話も捨ておけないと思う。時期というかタイミングによっても変化することなので、必要な時に必要な情報を得られる環境を準備しておけば良いってことかとも思う。それが難しいのだが、なんとかなるよ。
この施設での体験を終えたあとは、スリランカのあちこちを観光するプランになっていた。バスをチャーターしての移動だったので、不便はなく、仏跡・寺院をはじめ、歴史的な場所、地方の素敵ホテル、コロンボの現代的な素敵ホテル(プール付き)、宝石のお店、スーパー、急遽伝統的な素焼きの鍋を売ってる店笑、めちゃくちゃ素敵なスリランカ産の雑貨店、サリーのお店など。買い物には興味がなかったので本気でどうでも良かったけど、寺院、歴史、町の雰囲気、道沿いに出ている店や売っているものなどはとても興味深かった。郊外はどこに行っても道沿いには多くの果物屋が出ているのが印象的。シーギリアなどの体力のいる場所には調子が悪くて登れなかったため極力車の中で待つ、ということをしていたのだが、名前もわからないけど行った寺院には登りたくて。石仏を見た後に、体調が悪くて建物(?)の外に出てしゃがもうとしたら、お参りに来られていたお婆さんにひどく怒られたことが良い思い出だ。仏様に失礼だからここで座ってはいけないと注意してくれたんだ。倒れそうだし吐きそうだし、キツいなぁと思いつつ、そういう気持ちで言ってくれているのは伝わるもので、嫌な気持ちには一切ならず。言葉は通じてないんだけど、通じ合った時間。座っていい場所を教えて欲しかったけど笑 そのお婆さんの連れの方が英語が話せたこともあり、そんなに近くないところからお参りに来たことを教えてくれたり、他にもお互いお話をして、ではね〜と笑顔で別れた。
不敬に座り込む人多いんだろうなぁ、わかるよ、わかる。
スリランカの後に、タイに行った。チョンブリーにいる友達を尋ねるためなのだが、彼が勤めているブラハ大学には歴史あるタイ伝統医学の学科がある。彼がそこの人に話をつけておいてくれて、大学内に開設されている治療室の見学や体験の機会を得た。日本において、タイの医療というか医術として有名なのは、タイ式マッサージやトークセン?とかダイナミックな手技療法だが、あれは肉体労働者向けのもので(身体を酷使する人の不具合を治すために棒で叩いたり踏んづけたりというのが発端)、いわゆるタイ伝統医学(王族貴族などハイソ向け)は全く風が違う。手技療法は日本のあんまに近く、基本手指を使い施術する。薬品等も使うし、詳細は知らないが、いわゆる中国伝統医学と似た感じ。人の健康や病気に対して出来ることって限りがあるから、どうしても似るんだよね。長い年月を重ねて、どこかで交わってるし。ただ、ブラハ大学は大変大きな大学で、施設も素晴らしいのだが、この治療室は内部が木造建築で伝統医学っぽい(笑)雰囲気を保っている。治療室の床の上に薄いマットをひいて、その上に寝かせて背術をするので、治療者の職業病でもある腰痛には無配慮だし笑。ここは教育・研究機関であり、地域に育てられた医療の姿を見ることは難しいが、先生と話して大切にしている点は伝わってきたし、とても興味深かった。
何であってもこういう現地の空気を肌で知るのは大事。
ここで、ちょっと脱線。
チベット医でもある小川康さんが講座で話されている時も、グレートジャーニーの医師 関野吉晴先生のお話も、ネパールでモグサ作りと鍼灸あんまを広めたヨモギの会の畑美奈栄先生のお話も同じなのだけれど、○○が無いからその治療は成り立たない、ってことはなくて、そこにあるもので工夫・調整する、がそもそもちょっと前までの在り方だったし、今でもとんでもない地方ではそれが続いているわけで、そちらの方が自然なのだろうなと思う。だから、地域地域でやり方や使うものが違う。こういう地域や時代の差は本草書で見るのがわかりやすい。その加減やコツは、その環境に置かれてみないと深い理解にはつながらない訳で、時間もお金も限られているので全てを満たすことはできないかもしれないけれども、極力目の前にあるルールを絶対なものとせず、柔軟に捉えていきたいものである。
http://sainotsuno.org/event/%E3%80%8E%E6%97%85%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%8F%E9%96%A2%E9%87%8E%E5%90%89%E6%99%B4x%E5%B0%8F%E5%B7%9D%E5%BA%B7/
スリランカの経済状況も肌身で知れたし、タイの地方都市は楽しくて大好きになったし、本当に良い旅でした。
オチが思いつかないので、この辺で。