苦しくも悲しくもない
たまにうずくまって
泣いて
笑って
喜んで
でもあるときは
なにも苦しくない
悲しくない
楽しくない
うれしくない
すうっと遠ざかる
あると思っていたものたちが気づいたらいない
その残像がおぼろげで
あれは自分のもとにあったものかどうかと思う
あそこには確かにあったと思うんだ
これすら幻か
ほんとうは薄々わかっている
今ここになにがあるのか
まさぐるゆびにはなにも触れない
なにも、なんてあるのかと
あるなしで考えること自体、かもしれない
大した問題でもなくて
でもなにかないと
苦しまないと
悲しまないと
わたしはこれ以上出せない気がする
どうしてわたしは泣いていたんだっけ