(連載4)少女の世界を歌う詩人と衣装コラボで、初めてのイベント:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:1980年代半ば
着々と、詩と服のコラボユニット「ロヲザ・ルナティック」のデビューに向けて、準備が進む毎日。。。。
とにかく企画会議が楽しい。ていうか、ただ二人で、ああでもない、こうでもないと、もりあがってるだけですけども〜。笑
ロヲザの世界観の「玩具」そして「お人形」だったら、「ドールハウス」がないとね〜?なんて。。。。
それで。
こちらはロヲザの知り合いで、多田さんというあの素晴らしい映画、鈴木清順の「ツィゴイネルワイゼン」の美術などをやってる方がいて、作って頂ける事になりました!!!
彼の仕事場に布などの材料を持参して、お邪魔して、ノリやハサミでできるところは、我々も多少ですが、お手伝いもしました。
できたのが、これです。
人間実物代のドールハウス!!
一方で、私は、もちろんドレスの制作に集中しまくりましたよ。
その頃は恵比寿に妹と住んでいたのですが、大田区の祖母の家(素敵な日本家屋でした)の2階を仕事場として、占領させてもらっていたので、ほとんど、もう、そこに寝泊まりして、せっせと励みました。
ここで、前回お話しました、例の紙芝居のスカートを作ったんですけど、
この絵がくるくる回る、これです。
いざ、ドレスが完成して、会場に運ぼうとしたら、
スカートが大きすぎて、部屋から出せない!
なんせ日本家屋のドアですから、間口が小さい!!
結局、この雨戸をはずし、窓も外して、ロープで窓から吊るして、出しました。〜この家のここからです。
この時、学びましたよ。まず、作る前に最初にすることは、ドアの採寸です。
つまり、
作品の最大のサイズ=ドアより1ミリ小さく!
それから、いよいよ発表会にむけての、具体的な計画も続々。。。
その頃、ロヲザは、すでに彼女の身辺にカルトなファンもいて、知る人は知ってる存在だったので、バックアップしてくださる人も現れ、会場は永楽倶楽部という丸の内にあった、会員制のクラブ。昭和のモダニズムの素晴らしい建築(野村ビル)で、時計台もあり、彼女の美意識にぴったりでした。
そして、宣伝も。いろいろな方にお願いして、雑誌に出してもらったり。
また、音楽のバックアップは「レプリカ」という当時ふたりともが関わっていた、ヨーロッパの20世紀前半の音楽、ダンス、たとえば、サティやバレエ・リュスなどの世界観を、自分たち風に再現するというコアなパフォーマンス集団がいて、彼らがやってくれる事になった。ピアノ、バイオリン、ビオラなど、生演奏がメインです。
だんだん、大掛かりになってきてますねー。苦笑
大丈夫かなぁ?
イベント仕切りなんて、経験が全くない、素人ふたりなのに。。。
ロヲザ20代、私は30才になったばかり。。。!
もちろん事務所がなどありません(今のようにシェア・オフィスとかないですから)なもんで、ミーティングは、いわゆる「喫茶店」。二人で、コーナーのテーブルを陣取って、来てもらう人たちの日程を同じ日にして、時間を30分ごとに区切り、そこに来てもらった。つまり、我々の移動の時間は、ゼロ!!次々にミーティングの相手が我々の前に現れるという、セッティング!
これは、今だにグッドアイデアだったな〜って。 そこに6時間の居座り状態ですけどもねー!!
それから案内状もできました。
ロヲザの書いた、案内状です。
現実と空想の世界の境界を超越させた、見たことないバラ色の次元を構築し皆様を人工の楽園にお誘いします。
少女の永遠性を示す人工的肉体に近づく快楽と玩具的世界における歓喜を機会仕掛の美しい魔術とともに、動き、歌ったり語ったりする、大変たのしい見世物(ディベルティスメント)なのです。
*****
そして〜〜〜〜〜そんなこんなで、いよいよ、当時となりました。。。
も〜〜〜〜〜〜〜〜後には引けない。。。そして。
。。。蓋を開けたら、なんと!大入り満員!!
キャパ、200人弱くらい?の場所でしたが、いや〜よかった〜〜!!
しっかし、素人の我々が会の進行など、どうやって、やったんだろう?、これがまったく、覚えてないです。苦笑 おそらく、めちゃくちゃだったと思う。。。。今更ですが、すみません。
これ、奇跡的に残っていた、その時の観客のスナップと舞台裏のロヲザと私の写真です。
ま〜、いろいろと問題はありましたが、なんとか終わった〜〜!
パチパチパチ!!ブラボー!
レビューも「ラカン」というカルチャー雑誌に「天使の機械学、ロヲザ・ルナティックの宴」というタイトルの素晴らしい文章とともに、見開きで載せてもらって、最高に嬉しかったです!!
さて、こんなに東京で大成功!!したんだから(うちらレベルのですが)
だったら、海外で、どうよ???と。
今度は、ふたりでニューヨークへ乗り込むことにしたんです。
なんの計画もなく。。。。
次回へ、つづく。。。。
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