"媚びる“を利用してのし上がる強者
私は後継者育成コミュニティの座長として、様々なシチュエーションで色々なタイプの後継候補と関わりを持つことが多い。その中にはかなり特異な発想を持った人物に出会うこともあるが、“きっとうまくいく”予感のする人材は、総じて世間に媚びる概念そのものを持ち合わせていないことに気づく。
彼らは、自分の目標を達成するためには手段を選ばないという限りない自己実現欲に満ち溢れている。それを達成するための損得勘定を計算して物事を考える習慣が身についている。周囲の人が自分に何を期待しているのかを的確に見抜くことができ、相手が喜ぶ絶妙なポイントを心得ている。そして他人に甘えることが上手、絶妙に嘘をつくのがうまい。
ある意味これが世間でいう“媚びる”ということなんだろうと思うが、決定的な違いは、彼らは自信に満ち溢れているということ。決して相手に気に入られたいから自分の意見を言わないことはないし、時には相手を落とし入れることもある。笑いでごまかすこともしないし、嫌われたくないなどこれっぽっちも思っていない。これで嫌われようものなら、さっさとこの場を退場しようとする潔さも兼ね備えている。これらを織り込んだうえで、一周まわって適当に振舞ったりできる強者たちである。
平和なニッポン、巷ではよさげなムードが満ち溢れているが、強者は平穏裏にかつ絶妙に“媚びる”を利用して着実に前進している。
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