ベルベリンの効能

　何世紀にもわたって、ベルベリンの驚くべき治癒力は世界中の古代の医療行為で尊敬されてきました。この植物ベースの抗酸化物質は、メギ、ウコン、ゴールデンアザラシなどのさまざまな一般的な植物に豊富に含まれており、その優れた血糖調節能力で注目を集めています。
 
　ベルベリンは、血糖値に効果があることで知られているだけでなく、抗炎症作用と免疫力を高める作用があり、アメーバ赤痢などの消化器疾患と闘う能力があります。現在、癌に対しても強力な効果を発揮するエビデンスが確認されています。

●中医学およびアメリカ先住民医学におけるベルベリンの不朽の治癒遺産
　中医学とアメリカ先住民の伝統医学の歴史を通して、ベルベリンの深い治癒力の可能性は何千年もの間共鳴されてきました。中国では黄蓮と呼ばれるこの貴重な化合物は、キンポウゲ科に属する注目の植物である「金糸梅」の中に含まれています。　
　
　一方、北米ではヒドラスチス根（Goldenseal）がベルベリンを含んだ植物として挙げられます。これらの古代の治癒の伝統では、この自然のパワーハウスの驚くべき性質が長い間認識されてきました。
興味深いことに、近年の科学研究により、これらの古代の伝統が何世紀にもわたって大切にしてきた真実が明らかになり始めています。古代の知恵と現代科学の領域が融合するにつれ、ベルベリンの奥深い治療能力が明らかになり、私たちの祖先の知識が実証されています。

●ベルベリンはどのようにしてがん悪性腫瘍の増殖を止めるのでしょうか？
　すべての生き物は、代謝のプロセスを通じて食物をエネルギーに変換する必要があります。がん悪性腫瘍も例外ではありませんが、がん細胞は健康な細胞とは正反対の方法でエネルギーを得る傾向があります。腫瘍細胞は、好気性の細胞呼吸の全プロセスを利用する代わりに、嫌気性手段によってグルコースをATPに変換するプロセスである解糖のみを通じて燃料を得ます。がん悪性腫瘍を成長させたい場合は、がん悪性腫瘍から酸素を奪い、酸性の高い環境に置くと、腫瘍は急速に成長します。
 
　一方、腫瘍の拡散を阻止したい場合は、腫瘍が燃料を代謝する方法を変更します。これはまさにベルベリンががんを阻止するのに非常に効果的である理由です。ベルベリンはがん悪性腫瘍細胞を代謝レベルで変化させます。これは、代謝調節因子 AMPK、つまりアデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼの活性化を助けることが知られている数少ない化合物の 1 つです (レスベラトロールは別のものです)。
 
　AMPK レベルが適切で、タンパク質が適切に機能している場合、体内でエネルギーの恒常性が達成されます。グルコースレベルと脂質生成が安定します。これが、ベルベリンが糖尿病やメタボリックシンドロームの人にも非常に効果的である理由の1つでもあります。

　AMPK の喪失はがん悪性腫瘍と直接関係しています。現在、現代医学ががんとその他の症状の両方に対して AMPK を制御する最も一般的な方法は、有毒な医薬品を使用することです。しかし、2011 年以降の研究では、ベルベリンが天然で副作用のない強力な AMPK 調節剤であることが示されています。

●ベルベリンには乳がんを阻止する能力があることが複数の研究で確認されています。
　現在までの研究では、ベルベリンが大腸がん、脳腫瘍、喫煙によって引き起こされる炎症（肺、前立腺、その他多くのがんの原因となる可能性がある）にプラスの効果があることが示されています。その一例は、中国の蘭州大学が後援した2015年のプロジェクトで、特に乳がん悪性腫瘍の増殖に対するベルベリンの効果を指摘しています。

　報告書には、「我々の結果は、ベルベリンがミトコンドリアの酸化的リン酸化、解糖、高分子合成を含む3つの側面を通じて代謝の再プログラミングを同時に調節していることを示した」と述べられています。基本的に、ベルベリンによるAMPKの抗酸化活性化は、がん悪性腫瘍のミトコンドリア内での好気性細胞増殖（すなわち、健康な細胞増殖）のプロセスを「オン」にし、がん細胞を飢えさせ、最終的には自己破壊させます。

　蘭州大学の研究は、中国における何世紀にもわたるベルベリンの使用と現代医学とのギャップを埋めるためのエビデンスに基づいているため、同様に重要です。研究者らは、将来のがん研究のモデルとなるべき統合されたアプローチを研究に導入しています。