食が美容に与える影響

　一般的に美とは輝きを放つものであり、それはキメの整った肌に起因すると信じられています。遺伝的な要素も勿論ありますが、食生活も外見に大きな影響を与えます。

　例えば、PLOS ONE誌に発表された新たな知見（new findings）は、この関連性に光を当て、単純炭水化物を制限または除去することが、美しい肌と全体的な身体的魅力を実現する鍵であることを明らかにしました。研究データは、精製された単純炭水化物を摂取すると顔の魅力が低下することを示唆しており、美的魅力を育むうえで食生活の重要性を強調しています。
 
●食事の質と知覚される身体的魅力の関連
　上記リンク先の研究では、20歳から30歳までの男女半々、104人が参加しました。参加者は無作為に500kcalの朝食を割り当てられました。一方のグループは精製されていない炭水化物を含む朝食食品を摂取し、もう一方は精製された炭水化物を摂取しました。

　例えば、精製された炭水化物を摂取したグループは、製粉された小麦粉で作られたバゲットを食べました。朝食に精製されていない炭水化物を摂取したグループには、石臼で挽いた全粒粉で作ったパンにチーズとバターを添え、リンゴかオレンジを添えました。どちらのグループも本当に健康的な朝食ではありませんでしたが、全粒粉の食品を加えることで違いが出たようです。

　研究者たちは、朝食の摂取前と摂取後に各グループの血糖値を測定しました。 一貫性を持たせるため、参加者の顔写真は同じ照明で撮影されています。その後、美的採点者グループが各参加者の顔写真を分析し、身体的魅力を判定しました。その結果、高血糖の朝食を摂取すると、エネルギー摂取量を含む様々な要因をコントロールした後でも、男女ともに顔の魅力が低下することが明らかになりました。 さらに、朝食中の精製炭水化物の慢性的摂取、午後の間食、食間の間食は一貫して魅力度を低下させました。顔の魅力は血糖値とインスリンレベルに大きく左右され、血糖値とインスリンレベルは単純炭水化物を摂取すると急上昇します。日常的な朝食には、デニッシュ、クロワッサン、マフィン、シリアル、ベーグルなど、単純炭水化物がふんだんに摂られています。

　より健康的な朝食を選ぶことは、血糖値とインスリンレベルを安定させるために不可欠であり、最終的には肌質の改善につながります。精製された炭水化物の摂取は、末梢血流の変化を誘発し、魅力の低下につながる可能性があります。
 
　そこで、加工度の高い朝食の代わりに、オーガニック（放牧飼育）の卵や作りたてのスムージーといった選択肢に移行することを検討してみましょう。 朝に単純炭水化物を摂らないことは、栄養摂取を改善するだけでなく、エネルギーレベルを高めることにもなります。

●食事から単純炭水化物を減らす
　単純炭水化物を完全に除去することは、なかなか難しいかもしれません。多くの人は、白パン、ベーグル、マフィン、ドーナツ、シリアルなどの主食で満足感を得ているからです。 しかし、こうした「醜い」単純炭水化物の摂取を減らすことは、それだけの価値があります。 その一つの方法は、炭水化物の多いファストフードを控えることです。 家庭料理に移行することで、食べ物の選択を完全にコントロールできるようになります。
間食をするときは、プレッツェル、チップス、クラッカーなど単純炭水化物を多く含むものに手を伸ばすのではなく、有機アーモンドバターを添えたセロリ、ドライフルーツや新鮮なフルーツ、フムスを添えたニンジンなどの代替品を選びましょう。この簡単な置き換えで、単純炭水化物の全体的な摂取量を大幅に減らすことができ、より健康的な食生活に貢献することができます。