心臓と脳に効くワイルドブルーベリー
「ブルーベリー」と聞くと、おそらく太陽が差し込む畑や食料品店の棚を思い浮かべることでしょう。しかし、この愛すべき青い球体の世界には、あまり知られていないスーパーフードがあります。それはワイルドブルーベリーです。栽培種の野生の親戚であるこのブルーベリーは、おなじみの果物に独特の力を加えています。
ワイルドブルーベリーは、自然が生んだコンパクトなパワーハウスです。栽培されたブルーベリーよりも小さく、味と栄養が凝縮されています。水分量が少ないため、エッセンスが蒸留され、より濃厚な味わいを楽しめます。しかし、本当の魅力は中にあります。ワイルドブルーベリーは、庭で育った同族のものよりも抗酸化物質と有益な化合物が豊富に含まれているのです。The American Journal of Clinical Nutrition に最近発表された研究で、ワイルドブルーベリーが認知機能と心臓血管の健康に素晴らしい影響を与えることが明らかになりました。
●ワイルドブルーベリーは体と心を元気にする
ワイルドブルーベリーの研究では、目を見張るような結果が明らかになりました。脳に関して、このベリーを定期的に食べた人々は顕著な改善を示しました。記憶力が研ぎ澄まされ、集中力を維持しやすくなり、また、計画や問題解決といった日常生活を乗り切るのに役立つ知的スキルなどのタスクも上達したのです。さらに、精神的な課題に取り組む際の脳の働きが速くなったようです。
心臓に関しても良い結果が報告されています。ワイルドブルーベリーを食べた人たちは、血圧がわずかに下がりました。動脈もより柔軟になり、これは心臓にとって素晴らしいニュースです。ワイルドブルーベリーは血管の内壁および循環器系全体をよりよく機能させるとも報告されています。ワイルドブルーベリーの効能は、主にその濃い青色の色素に由来しています。前述のアントシアニンが濃い青色を作り出します。アントシアニンはフラボノイドファミリーに属するポリフェノールの一種で、ワイルドブルーベリーに強力な抗酸化作用を与えます。研究に使用されたワイルドブルーベリーパウダーの1日摂取量には、302ミリグラムのアントシアニンが含まれていました。
ポリフェノールを含む食品はワイルドブルーベリーだけではありません。しかし、ワイルドブルーベリーは他の食品(ブロッコリー、ターメリック、洋ナシ、紫色の野菜など)よりも味が良く、特にジュースにするとおいしくなります。ワイルドブルーベリーのポリフェノールに関しては、まだ完全には解明されていません。しかし、食品科学者や栄養学者は、ポリフェノールにはシグナル伝達分子として機能する代謝物があると考えています。このような分子は、さまざまな細胞シグナル伝達経路を通じて機能します。学術界の現在の理論は、ワイルドブルーベリーのポリフェノール代謝物が、健康上の利点のために酵素と一酸化窒素の利用可能性を調整するというものです。
●このスーパーフードを食生活に取り入れる方法
別の研究では、6 か月間、ワイルドブルーベリーを摂取すると思考処理速度を高めると指摘しています。 ワイルドがキーワードです。スムージーやその他の飲み物にワイルドブルーベリーの粉末 26 グラムを加えると、丸ごとのブルーベリー 178 グラムに相当する量を摂取できます。この合計は、1 日あたりなんと 75 個のブルーベリーに相当します。
スムージーに加え、ワイルドブルーベリーは朝食のシリアルやヨーグルトにもぴったりです。なお、血糖値が気になる場合は摂り過ぎないようにしてください。
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