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公欠ワクワク、初めての競技かるた大会

「 む 」


▪️堂々と休める公欠の日
決まり字もまともに覚えてないアタシ
県大会の試合出場!
ワクワク感でいっぱい!
試合会場までチャリで行く
友人は交通機関で到着


ちなみに、うちの高校は97%が自転車通学と聞いたことがある
99.7%の間違いだと思う
雨の日も、雪の日も、休校にならない台風の日も、学校指定の合羽着て自転車通学
自転車に慣れきってしまってるので、どこまでも自転車で移動してしまう(自転車の形式にも決まりがあった)
友人は0.3%のバス通学(バス停から高校までも距離がある)


▪️会場に入る前に
友「『む』て聞いたら『きりたちのほるあきのゆふくれ』を取るといいけん。触るだけでいいけん!」

ア  「うん、わかった!『む』ね!?『む』!」

友「そうそう!『きりたちのほるあきのゆふくれ』が『む』ね!」

頭の中で「む」を読まれて取るところをイメトレする
「む」「む」「む」「む」「む」


▪️会場ガヤガヤ、そりゃそうだ
県内の百人一首の部活高校生が、畳を囲んで陣取ってひしめき合っている

思ってたのと違う光景

どこの高校も気合入ってる〜、みんな真剣やん!

当たり前だ、お遊びではない、授業でもない、試合という真剣勝負をするだだっ広い畳なのだ
「む」1枚を頭でイメトレするアタシとは
みんな違うのだ
ただ、うちの高校は幽霊部ゆえ気合いも何もなく、会場の隅でユルユルしてたけど


▪️大会関係者の指示で、各学校の全員が1人ずつ所定の場所らしきあたりに座る

ん?
みんなジャージ、タオル持ってる人、膝にサポーターの人
うちの高校みんな制服、タオル持ってない

百人一首という競技かるたの凄まじさを全く理解してないアタシ


▪️団体戦とはいえ、1対1の試合
取り札100枚入った箱が目の前にある
相手が箱を開けて、100枚全部出す(裏返し)
カラカラと音を立てながら、混ぜている
同じように一緒に混ぜる
ランダムに混ぜた札から、相手が数えながら札を取っている

友「(アタシ)ちゃん、25枚取るとよ」

隣にいる友人が小声で教えてくれる
25枚取る
「む」まったく頭にないアタシ


▪️みんないっせいに札を並べ始める
周りを見ながら(こんな感じ?)で並べてみた
特に相手の並べ方を真似してみた

あ、『きりたちのほるあきのゆふくれ』探さないかん、どこどこ?あるある?

あった!

右手の真ん前に置く
たまたま25%の確率で「む」があっただけ


▪️シーン‥、この静けさ何なん?
ジーと座ってる人、膝の上で指を小刻みに動かしてる人、頭を小さく振っている人、目を閉じてる人

友人は並んだ札を見ている
アタシも友人の真似をして札を見る

「む」「きりたちのほるあきのゆふくれ」

を見ながら、取れるやろ〜と余裕ぶちかましていた


▪️試合開始3分前
ついさっきまでの静けさはどこへやら?
バンバンと畳を叩く音、軽くストレッチする人、「ファイトー!」と叫ぶ人

何も知らないアタシ
制服のスカートを整えて座り直すという
なんとなく動きました感


▪️「ただいまから始めます」
相「お願いします」(アタシに礼)
ア「お願いします」(相手に礼)
読手に向かって
全「お願いします」
ア「お願いします」

土下座っぽい‥
あ〜、柔道でも土下座礼だったな〜


なに〜〜わずに~
さくや〜〜この〜はな~
ふゆ〜ごも~り
いまを〜はるべと~
さくや〜この〜はな〜
いまを〜はるべと~
さくや〜この〜はな〜~


1秒後
パシンッ!バンッ!シュッ!カラカラン‥

え、みんなもう札取ったの!?
速すぎる!

「む」「む」「む」「む」「む」

きっと「む」取るーっ!!
やっと真剣になったアタシ





競技かるたに役に立ったこと


真似をする

雰囲気を察する

柔道部で刷り込みされた礼を思い出す

試合だということを自覚する

初体験はビビる
みんなそうだったはず、という自己暗示



と、いったところかな〜






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