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甲子園(番外編)

誰もが予想しなかった甲子園出場!!


★帰宅部になったアタシだけど、そこそこの公立の進学校(当時)
1年なのに、課外や模試などで登校する日がある
夏休み感はあまりない


★甲子園の県大会の季節
うちの高校は、弱小野球部
誰1人期待していない
先生も生徒も、誰も期待していない
野球部員たちは頑張ってたが、甲子園を夢見てたかもしれないが、あくまでも夢


★「ちょっ!うちの高校!次、決勝てよっ!!」
「ウソッ!マジでっ!?」
「なんで決勝!?」
「わからん!」
「見に行こっ!」


★決勝当日、友達と制服で(応援は制服という決まり)チャリで球場へ
低い山の上あたりにある球場まで、ひたすらチャリを漕ぐ(ガチ筋トレ)
他の生徒も制服チャリで、かなり見に来てた
全員、汗だく、滝汗、帽子なし、日焼け止めなし


★県大会、決勝戦めちゃくちゃ盛り上がる
7〜8回は、半狂乱!
優勝の瞬間は、狂人と化す!!
甲子園出場!!!
新聞ですら「誰も予想だにしなかった◯◯高校が初出場!」
まんまやん


★甲子園に行く応援希望生徒、昔なつかし国鉄のブルートレインで、半日以上かけて移動
2人座席に3人座る
当然、リクライニングではない、直角だ
深夜になっても、みんなはしゃいでる
眠れない、徹夜の移動


★田舎の高校生が甲子園の前で整列
「うわー!めちゃ都会!」
「すげー!街に高速が走っとる!」
(田舎ゆえ、都市高速の存在を知らない)
「ぉおー!葉っぱ(外壁のツタの葉)が揺るっと、甲子園が揺れとるように見ゆんねー!」
全員、お登りさんである


★3塁側アルプススタンドにゾロゾロ
「なんか、甲子園て県大会の球場より狭(せも)なか?」
「うん‥ヒットがホームランになりそ〜よね〜」


★サイレン鳴って、いよいよ始まる!
興奮してるが、県大会決勝より冷めている
なんでか知らんけど
たぶん、初めて見る光景に甲子園の1回戦が少し薄らいで見えたのかも
甲子園に来た、という時点で夢が叶ってしまったという安堵感かもしれない


★3回までは、大声張り上げて、メガホン振り回して、太鼓のデカイ音とカンペと吹奏楽部の演奏で、テレビで見る応援風景だったのだが‥
4〜6回の中盤戦、徹夜の移動で攻守関係なく白目剥く
何がなんだか、わからなくなる


★7回あたりから終盤戦、なんとか目を覚ます
8〜9回、我に返る


★1回戦、勝った
「ウソッ!勝った!マジか!スゲーッ!」
試合が終わって、野球部員たちもいなくなると、お互いの頑張りと2回戦俺たちの分まで頑張れのエール交換がある(ここは、テレビには映らない)


★球場の中の通路に店があって、お互いの高校のグッズが売ってある
高校生向けの安い価格
ペナントとか置物とか、あと何か
学校名が入った置物を買った


★ブルートレインで帰る
しばらくは、はしゃいでたけど、その後みんな寝る
狭い座席で、マリオネットの糸が切れた形で器用に寝る


★高校に到着
数日後(わりとすぐ)、テレビで応援してた友達から
「(アタシ)、テレビに映ってたよ!ドアップで!!」
「マジで!?」
「マジで」
ヤバい、ヤバい、ヤバいっ!!
白目剥いた変顔が、全国に放送されたのか!?NHK のバカーッ!
オワタ‥


★2回戦は行かなかった
交通費ない
1回行けたから、い〜や
2回戦、負ける


★後にも先にも、甲子園出場はこれだけ
弱小野球部に戻る



甲子園出場で役に立ったこと


まったく期待されてないのに、奇跡が起こることもある

徹夜すると翌日に白目を剥いて、粘りどころを無にする
そして、恥もかく

上には上が、下には下が(都会と田舎)あることを身をもって知る

試合が終わっても、お互い礼儀と希望を託す心を重んじる精神を知る

徹夜のあとは、糸の切れたマリオネットになる

柔道部を辞めたおかげで、甲子園という体験ができた
何かを捨てると、何かを得ることを知る


と、いったところかな〜








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