見出し画像

24 Goe が Goeになったわけ

今までのは、こちらで途中まで読めます。 


後光じゃないが、反射で光っている


*母とオジサンと電話


     Goe も小学生になり、母も時間ができるようになった。パートで働こうかと思ったのだろう。パート先は、小学校の近く。
今までの母子家庭のような生活は続く。相変わらず無口な母で、特に会話した記憶はないが、しばらくして、その生活は変わってきた。

    母のパート先の上司(以下オジサン)とやらが、やって来た。
オジサンは、母より13歳も年上らしい。
そして、かなりハゲている。
Goe から見たら立派なオジサン。髪は黒かったが、ハゲ=ジジイの図式が頭の中にはあった。母が Goe に「オジサンは、ナントカ‥」と言うので「オジサン」と心の中で呼んでいた。
最初にオジサンを見た時から、生理的に受け付けられないタイプだった。Goe は、まだ7歳だったが、そんな幼くても生理的本能とでもいうのだろうか、そういうものはあった。

    そのオジサンが、頻繁にうちに来るようになった。父は、どこかの国のどこかの海の船の上。ゆえに、父は常に不在。
オジサンが来た時は、晩ご飯をオジサン交えて3人で食べる。頻繁に来るので、頻繁に晩ご飯を一緒に食べ、夕方過ぎまでうちにいた。
    オジサンは、Goe に気に入られたいのか、好かれたいのか、懐いてほしいのか、仲良くなりたいのか、ニコニコ笑顔で話しかけてくる。それが Goe には、どうしても嫌悪感しかなかった。

ここから先は

1,386字

¥ 300

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?