Tencentが次々と日本のゲーム会社を買収しているその理由
おはようございます🌞
ここのところ頻繁に中国IT企業最大手のTencentのNEWSが流れています。
しかも私が働くゲーム産業で。
次々と出資をしたり、買収をしているのですがその背景が語られていることは少ないので、中国ゲーム企業で働き、2年半、月の3分の1を北京や上海で過ごしていた知識とネットワークで解説します😃
私の中国での体験記は下記のマガジンを御覧ください^^
最近、このネタで投稿できていませんが^^;
ちなみに昨年から出資は頻繁にしていました。
買収は今年に入ってからの新しい動きです。
また、既に日本に直接にスタジオを設立したりもしています。
このように昨年2020年はプラチナゲームス、マーベラスに対して出資したり、資本業務提携をしています。
プラチナゲームスは開発力に定評がある企業ですので驚きました。
ただ、国内市場のみで受託開発を続けていても会社の利幅は少ないですし、成長も望めませんし、かといって自社パブリッシングするには資金的にもセールスやマーケティングなど開発以外の人員強化や体制強化もしないと上手くはいきませんから、そのハードルも決して低くないという形で力のある開発会社ほどその成長戦略が見えない状態になっています。
他方、中国Tencentのような企業からするとIT企業とは言うものの、ゲームが占める売上比率は高いですし、コミック、ノベル、映画などエンタメ分野は非常に大きなウェイトを持っていますし、中国は国の政策変更で右往左往することも少なくないので海外比率も高めたいという考えもあります。
また、自国内の人件費も高まる一方で特に一級都市と言われている北京、上海、深センなどの大都市で働くゲーム産業従事者の賃金は、大手であれば日本と変わらない水準に到達しています。
場合によっては高いぐらいです。
そういう意味では質の高い人材を安く、会社ごとという利点が買収にはあります。
ただ、会社の評価は難しいものがありますし文化や商習慣、言語の壁もありますし、日本の中国企業へのよくないイメージの問題もありなかなか買収となると応じる会社も少なかったということもあり、資本提携や出資という落とし所を昨年までしていたというわけです。
ところが先に述べたように、なかなかに出口が見えない状況になってるので、そうも言っていられないということから今年に入ってから身売りしてEXITするという経営者が出てきたのだと思います。
Tencentなど中国企業からしたら数十億程度であれば安い買い物です。
但し、社員は拘束できないので中国アレルギーで肝心の買収した先の社員がいなくなるというリスクはありますから、おそらく今回はそういった部分にもなにかしら対策をしているのではないかと思いますし、その片鱗が親会社であるウェイクアップインタラクティブを買収し、その傘下のゲーム会社であるソレイユやヴァルハラゲームスタジオを間接支配する形をとったのだと考えます。
実利をとるためには適切な手段をとるあたりはクレバーだなと思います。
欲しいのは開発力であり、その国のマーケットシェアですから地場の開発スタジオを抑えることは理にかなっています。
しかもお得な買い物ですからね。
今後さらに有望な中小デベロッパーは身売りするのではないかと思いますし、Tencent以外の中国企業も同じような手段を使うと思います。
残念なのは人材流出と日本のIPが結果的には持って行かれてしまうことですが、経済合理性の観点からは悲しいですが、致し方ないところです。
日本人はもっと知恵を出して、そしてバラバラに小さく独立するのではなく結集していくような動きや、国内マーケットに閉じずに本気でグローバル市場で勝負していくことが活路だと思っています。
KADOKAWAにも出資していますし、一昔前の日本がアメリカやヨーロッパ大手を買収していた頃とダブります。
栄枯盛衰とはこのことなのかなと^^;
きっとまだまだ驚くような買収や出資があるのではないかと思ってます。
この閉塞感を打破するようなことがしたいと思いますが、経営者でもないですし、いっかいのプロデューサーでしかないのですができることはしていきたいなと思ってます😀
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