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ゲーム業界に吹き荒れる世界的なリストラの嵐!!その原因を解説

みなさん、おはようございます。
朝活でnote書いてます。
今日はこれから本社へ出張です。

さて、昨年から厳しさが増しているゲーム業界について書いていきます。
今回はその厳しい状況が次々と報道されているので、それらを取り上げながら何故なのか解説していきます。

まずはつい最近報道されたNeteaseについてです。
聖剣伝説2024年8月29日にスクウェア・エニックスから発売された『聖剣伝説 VISIONS of MANA』を開発したことで知られるのはNeteaseが日本に設立した『桜花スタジオ』なのですが、本作の発売直前にも桜花スタジオの人員整理について発表されていました。

設立の背景としては、3年程前から版号(はんごう)というスマートフォン向けゲームを中国国内でリリースする際に必要な国からの許諾が突然、ほとんど降りない状態になりました。
この結果、中国メーカーは自国でスマホゲームを新規リリースできなくなり、国外へのリリースに注力し始めました。
また、この時点で各国にスタジオを設立したり企業買収する動きを活発化させました。

これは海外から売上を確保するための戦略なのですが、Tencentやその他の中国ゲーム企業はこの戦略を取りました。
そうして設立されたスタジオの1つが桜花スタジオで、私も在籍していたバンダイナムコやセガ、カプコン、スクウェア・エニックスなど日本の大手ゲームメーカーにいた人材が結構流れていました。

そして色々と仕込んでいたようですが、最初にリリースまでこぎつけたのが自社タイトルではなく、スクウェア・エニックスからの共同開発案件でした。
今回報道された世界各国でのリストラは基本的には下記のような理由です。

・開発のスピードが遅い
・期待していたほどのクオリティーのゲームが制作できていない

というものです。
中国企業は特に豊富な人口を背景とした超競争社会で、みんなその座を奪われないように必死に働いています。
そして成果を出したら経済的にも報われるので、より頑張ります。
なので、技術的なキャッチアップも早いですし日本の高度経済成長期のようにモーレツに働くので、他国の人々のパフォーマンスはとても遅く感じているという背景があります。

Ubisoftですが、『アサシンクリード シャドウズ』が昨今のユーザーの期待を裏切ってきたことや幹部によるセクハラ問題やその処理の仕方に不信感が頂点に達し、経営不振が加速しました。

その結果として世界各国にあるスタジオで人員整理の嵐となりました。
特に『アサシンクリード シャドウズ』における対応は最悪のものでした。
日本では不買運動が始まり、ついにゲームの大幅な改修をするところまでいき、発売日を大幅に変更することになりました。

現在はTencentによる買収が囁かれています。
Ubisoftは一族による経営で知られており、株価も下がっていることから売却する可能性が高いと言われています。
ルノーのようにフランス政府も自国を代表する世界的ゲームメーカーなので、支援する可能性もありますが、先行きは不透明です。

インディーズも盛り上がっていますし、新興国でのゲーム市場の拡大などもあり、利用者人口は増加しているにも関わらずレイオフが発表されました。

背景にあるのはゲームエンジンビジネスが実は、低利益で伸び悩んでいること、また想像以上にエンジンのメンテナンスと新たな機能開発に人員が必要で、昨年にライセンス料を値上げする発表をしましたが、モーレツな反対にあい撤回。
そして売上、利益を上げれないのでコスト削減を決めたというわけです。

日本でも市場が成熟しきり、そして人口は減少に転じゲームをする人と全くしない人が2極化していく中でスマホゲームというF2P(Free to Play)市場で成功を収めることができず、家庭用ゲームやPCゲームでも結果を出すことができていないが多くの社員を抱える中規模のゲームメーカーは苦しい状況になっています。

ゲームメーカーの再編成は最終章を迎えようとしていると思います。
また、ゲーム開発会社も案件が激減し個人制作者やインディーズゲームの台頭でこちらも厳しさが増しており、淘汰や離合集散が始まると思いますし、ソシャゲで勃興したゲーム会社の淘汰が今年から激化していくと予想しています。

VRとメタバースは私は最初から懐疑的なので、想像通りになってきています。
VRはメガネぐらいの手軽な装具にならないと一般化しない。
また、三半規管と視覚情報が一致せずに気持ち悪くなるので家庭用ゲームやPCゲームなど長時間プレイすると気持ち悪くなり耐えられないので、ホームユースでの拡大は難しいのです。
アミューズメント施設や遊園地などのアトラクション使用では効果的ですし、実際USJはだいぶ前からうまく活用していますがホームユースが拡大しない以上、ビジネス的には難しいです。

メタバースはその真価が問われるのは、様々なゲームが1つの世界に統合されているようなオンラインゲームであれば成立しますが、実際にそのようなことはビジネス上ありえないので、MORPGやMMORPGのそれと対して変わりません。
しかし、DISNEYのように多くのトップIPを持つ企業であればメタバースコンテンツを成功させることができると思います。
ただ、そのような一部の企業のみにしか利点がありません。

こちらも『Dragon Age: The Veilguard』がゲームとは終えないほど多様性を入れ込んだシリーズ最新作を出して、物議を醸し販売が不振。
新作にというのももちろんあるでしょうが、もう一方でその結果としてBioWareの人員を他のスタジオへ分散することになりました。

一本一本の開発費が増大化しているので、不振だと経営に与えるインパクトが大きく、責任問題に発展しているということです。
また、Warnerにとってゲーム事業は本流ではないので寛容に対処する理由も乏しいので損切りをして本業の映画事業や映像事業へ投資したほうが良いという話になります。

古巣のバンダイナムコのこのタイトルも、先のNeteaseなどの事例と同じで売れる見込みが立たないので開発を停止したということになります。
昨今は発売までに莫大な投資が必要なので、マイルストーンを設けそれごとにユーザーテストなどで出来栄えを評価し、開発を継続するかどうかを決めるという企業が増えています。

ゲーム会社だけではなく、その周辺の事業をしている企業にもリストラが広がっていますが、Discordについてはやはり利用者からのマネタイズが難しいためです。
一方でゲーム会社各社はコミュニティー運営の重要性に着目しており、多くの会社が公式のチャンネルを持っています。
収益改善をして立て直しをはかるのでしょう。

こうして昨年はなんと全世界で2万人ものゲーム開発者が職を失ったようです。
実際にはもっと多いと思います。
そして、再就職に苦労しているという実情があります。
AIの導入など未来の最適化も見据えている上に、目下の業界事情から容易には人員増加を図ることはないということです。
私の友人知人、元部下などの中には退職勧奨を受けてもう1年近く、派遣や業務委託なども含めて活動しているが、仕事が見つかっていない人もいます。

締めたままでは干上がってしまうので、慎重に新規タイトルを仕込み始めている動きも出てきているので少しずつつ雇用も復活してくると思います。
来年は明るい業界情勢を記事にできると思います!

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Goda | 🎮Game Producer
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