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愛されるってすごいことだ。何もかも許される

以前の文章で忘れられない女の子が2人いると語ったが、もう1人の話をする。身バレを防ぐためにところどころ事実を変えている。

その子は私が大学生の時の友人だった。名前はゆきほちゃん。背が高く小顔で、肌が綺麗で、キレイ目のファッションの似合うすらっとした美人だった。

ゆきほちゃんの中身はサバサバした姉御肌。美容が好きで、好きな化粧品について熱く語る一面がある反面、タバコが似合った。

その子が教育実習に行った先で、同じ教育実習生だった男の子、空くんから猛アプローチを受ける。なんと、3年付き合った彼女を自ら振ってゆきほちゃんにアプローチしたそうだ。それほど彼にとっては電撃的な出会いだったのかもしれない。

しかし、当時のゆきほちゃんには好きな人がいたため空くんのアプローチを受け入れない。空くんのアプローチは半年ほど続いた。

ゆきほちゃんは好きな人にとっくに振られていたけれど、空くんとご飯を食べに行く関係を半年ほど続けた後、付き合うことを決めた。空くんもよく諦めなかったな、と。

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しかし、気の多いゆきほちゃんは、なんと空くんの親友である武くんと浮気する。アートのセンスが光っていたのにとても心惹かれたそうだ。

ある日、ゆきほちゃんは空くんと武くんの両方を呼び出し「私は空くんと武くん、両方と関係がある。2人とももう二度と会わない」と告げた。

その後の空くんの判断が意外だった。

「ゆきほちゃんは自分の彼女だから別れない。しかし親友の彼女に手を出した武くんとは縁を切る」というものだった。

ゆきほちゃんは両方とも縁を切ることを告げたが、空くんは、彼女を取って親友を切る判断をしたのである。普通なら空くんの立場なら怒り狂って2人の顔を見たくないとまで思いそうだけど、空くんは浮気をしたゆきほちゃんを受け入れ、関係は続いた。

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その後、ゆきほちゃんは大学を卒業後に実家のある長野で、空くんは東京で教員として就職する。

しかし、あんなに強そうに見えたゆきほちゃんは教員生活が合わなかったのかすぐに体調を崩してしまい、休職する。空くんは長野に転職し、彼女を支えて一緒に暮らすことになる。

そして2人は結婚し、ゆきほちゃんは教員を辞めて大学院に通い直し、子どももできて幸せに暮らしたとさ。めでたしめでたし。

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空くんのこともゆきほちゃんのことも、正直に言ってわけわからんと思う。ただただ空くんはゆきほちゃんのことが好きだったんだろう。「出逢ってしまった人」だったのかな。

今も幸せなのかは年賀状もやめてしまい、連絡を取っていないので分からない。幸せでいてほしいなと思う。

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私がゆきほちゃんを羨ましいなと思うのは、奔放に生きるのを空くんに受け入れられている点。

そして、お母さんをしながら勉強を続けられている点。

私だって本当は大学院に行きたかった。けれど、金銭的な理由で諦めた。ゆきほちゃんは、旦那さんに生活を支えてもらいながら研究を極めることができるのがほんとに羨ましい。

旦那さんに、生活のことは心配しないでいいからいくらでも好きなこと勉強していいよって言われたら、泣いて喜ぶと思う。

ゆきほちゃんは私がなりたくてもなれないモデルのような人だ。子どももいる。だから目に眩しい。私だってお母さんになりたい。

もちろん、結婚は生活だからどの家庭もちょっと幸せでちょっと不幸だ。「結婚は束縛だ」という人もいる。だから2人の間には色々と問題が起こっているのだろう。ゆきほちゃんだって、家事と育児と勉強の両立は辛い、と思っているのかもしれない。知らんけど。

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ゆきほちゃんはあまりにも恵まれた特殊事例だ。分かってる。奨学金を借りながらひとりで勉強している人もたくさんいる。非正規で頑張っている人も。

だからこれは愛されたかった私のどろどろの墓場。お焚き上げ。彼女を羨ましいと思う私の気持ちを私が認めてあげたい。そして、空くんがゆきほちゃんを受け入れたように、こんなしょーもない私を許して、受け入れてくれる人が現れますように。

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