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別府、鳴子、野沢、上諏訪他ニュース【温泉地 Biz+(8/21週)】

今週も人気温泉地からの最新ビジネス情報をお届けします。
⏳この記事は約4,000文字です。約10分で読めます⌛

観光経済新聞による温泉ランキング「にっぽんの温泉100選2021」で選ばれた人気温泉から、人気温泉地が仕掛けるさまざまなビジネス(アイデア)のニュースを取り上げています。
地域活性、地方創生につながっていくことを期待しています。

今週はニュースが多く、それも長く人気を誇ってきた温泉地からの情報でした。
江戸時代の温泉ランキングをこちらの記事でご覧いただけます。

大分|別府八湯(にっぽんの温泉100選2021:3位)

別府市が新たな温泉施設を建設へ

明礬温泉(みょうばん)近くに新たな温泉施設を建設に向けて調査が始まったという朝日新聞デジタルの記事です。

市長が初当選時に公約に掲げていた案件ということで、市民の支持も受けているだろうことなのですが、ちょっとびっくりしました。

これまでBlogに取り上げてきたニュースでも何度か目にしましたが、別府の温泉の枯渇が懸念されています。
すぐにどうこうということではないでしょうが、朝日新聞デジタルの記事内にも「新しく泉源を掘るのではなく、使われていない泉源もあり、総枠を把握して民間事業者に提案していきたい」ということが記載されていて、やはり懸念があるわけです。

今、別府は強い温泉の集客力があるうちに別のコンテンツ・産業を生み出したほうがいいように感じます。

正直、温泉がなくなったらどうなる?と思えるような温泉地が他にはあるわけです。
別府は他に何もないわけではなく、大分の美味しい食事もたくさんありますし、その派生から生み出せるものを見つけることができるかもしれません。

特に地元らしさを感じるようになるなにかが生まれるまでは時間もかかります。
時間がかかる施策だと、市民の支持は受けづらいのでしょうが…

※にっぽんの温泉100選では別府温泉、浜脇温泉、亀川温泉、観海寺温泉、堀田温泉、鉄輪温泉、柴石温泉、明礬温泉を別府八湯とまとめています。

宮城|鳴子(同21位)

鳴子ダムのレインボーすだれ放流が日本夜景遺産に認定

河北新報の記事です。
毎年5月に行われている鳴子ダムの観光放流イベントが日本夜景遺産に認定されました。

おかげで「鳴子温泉」で検索するとこのニュースがいくつもヒットしています。
大雨の影響などつらい情報も耳にしますが、この認定より今後の温泉集客にもつながることが期待したいですね。

記事を見たらこれまでは5月のみでしたが、他の時期に増やすほどには水が貯まらないのでしょうか。
ぜひ温泉地への集客を図るべく、地元で春以外のレインボーすだれ放流も検討できるといいですね。

そもそも5月は大型連休中で集客は強そうなので、別の時期に行ったほうがよさそうです。

ジビエ料理の研究セミナー開催

鳴子温泉で旅館関係者がジビエ料理を学ぶセミナーが開催されたという東北放送の記事です。

一般の人が「クセがなく食べやすい」という感想をいうならともかく、料理人がこのコメントしていることにちょっと驚きました。

周辺にイノシシがおらず対応を検討することがないような場所であれば理解できますが、宮城ではイノシシの食肉処理施設の整備が進んでいるようです。

もちろん自然の生き物なので肉のあたりハズレはあります。
クセが苦手な方はもちろんいますが、ちょっとクセの残るような羊も今や人気です。

名物料理にしていくのもよし、地元の大崎ワインにあう調理を考えるのもよし、調理はプロの手に掛かれば、なんとでもなると思います。

私はジビエ好きで、イノシシを撃ってから食べる状態になるまでを見たこともあります。
調理方法分析よりもいかに継続的に料理提供をできるを考えるべきかと思います。

石川|和倉(同10位)

御朱印帳と御朱印の販売開始

北陸中日新聞からの記事です。

以前にBlogでも紹介しましたが天皇が休憩所として利用された建物は解体することが一般的ですが全国で2箇所だけ残っている1つがこの和倉にあります。
国登録有形文化財になっていますが、今は(まだ?)あまり注目されていないのかもしれません。
どちらかというと御朱印人気にあやかるほうが集客には早いのかもしれません。
お客様のさまざまなニーズに応えて温泉にこだわらずに集客を図ることを、他のエリアでもどんどん進めるべきですね。
SUP(サップ)体験導入など、和倉はとても積極的な印象があります。
温泉100選2018以来のトップ10入りも近そうです。

和倉御便殿は温泉街にあり、人気の加賀屋(プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選2022:2位)からも歩いてすぐのところにあります。

石川|山中(同29位)

地元商店街とサッカー・J2ツエーゲン金沢コラボ企画

北國・富山新聞の記事です。
先週の土曜、8月27日(土)に3年ぶりとなるパブリックビューイングが温泉街で開催されることに合わせてのコラボ企画が行われるというものです。

現在、山中温泉ではオリジナルアイス販売をいくつかの店舗で展開しているそうです。
今回はアイスを購入するとJ2ツエーゲンのグッズや観戦チケットがあたるというものです。

さまざまなコラボを行いつつ、アイス販売事業は山中温泉らしさにつながっていくものとして長く事業を続けるべきですね。
暑い時期はもちろん、今は一年中アイスが消費されますし、温泉を出た後は身体も熱いので1年中展開できるのではないでしょうか。

アイスの開発費用はどれくらいになるのかわかりませんが、他の温泉地でも展開できるいいアイデアに思われました。
地元の名産品、スイーツを使うことで女性層にもアプローチできそうです。

北海道|洞爺湖(同48位)

有珠山西山山麓火口群の新たなツアールート開発へ

北海道新聞から、2000年に起きた有珠山の爆発後に生まれた遊歩道に、新たなルートを開発するべくモニターツアーが行われたという記事です。

通常のコースが生まれてから20年経ったこともあり新たなコンテンツを生み出すべく調査されています。

北海道新聞に掲載されている画像は水が溜まった火口跡のようですが、土中から顔を出した重機の一部が見える場所もあるそうです。
モニターツアーなので画像ではヘルメットをしているのだと思いますが、そこまで重装備でなく見に行けるとなると、そのツアーだけでも集客につながりそうです。

現行の遊歩道までは、洞爺湖温泉街から徒歩で30分程度のようです。
ウォーキングがてら火山後のレアな状況を見て、ここちよい疲れの後に入る温泉は外国の方にも受けそうです。

長野|野沢(同56位)

お試し住居体験モニターツアー開催中

ソトコトオンラインの記事です。
野沢温泉で宿泊用施設ではなく実際の住宅を貸し出すモニターツアーが開催されています。

モニターツアーメニュー
(1) 住宅の貸し出し
(2) 温泉入り放題
(3) 集印帳&湯タオル付き
(4) 長坂ゴンドラ往復券付き
(5) 米&味噌付き
-出典:『ソトコトオンライン』記事

この他に、SUP(サップ)、自転車ツアー、半日トレッキングなどの有料の体験プランも用意されています。

移住というよりかは民泊サービス体験に感じました。
1泊か2泊だと温泉に入ってゴンドラに乗って、自転車ツアーで終わってしまうような…

個人的には移住体験であれば、地元の方々に周辺の生活環境を教えてもらったり、ツアー化してもらったほうがありがたい。
先日、いつか移住することをイメージしている温泉地へ行きましたが、地元の方と仲良くなり不動産(屋)状況、人間関係などを教えてもらい、とても参考になりました。
住宅のメンテナンスのメンテナンス、(温泉が出るのであれば)共益費など、しばらく住まないとわからない点もありますし。

長野|上諏訪(同79位)

上諏訪駅周辺の現地視察開催

長野日報の記事です。
諏訪市の「官民連携上諏訪駅周辺未来ビジョン策定会議」のメンバーと市の関係者による現地視察が行われました。

不勉強で「官民連携上諏訪駅周辺未来ビジョン策定会議」のことを知らずに調べてみたところ、国土交通省による官民連携まちなか再生推進事業のようです。

国土交通省は「居心地良く歩きたくなる」まちなかの形成をはじめ、多様な人材の集積や様々な民間投資を惹きつけ、都市の魅力・国際競争力の向上を目的とした取組を支援する「官民連携まちなか再生推進事業」の実施事業者を決定しました。
ー出典:国土交通省公式ページ

上記の公式ページは2022年のもので、諏訪市は2021年年度に実施事業者として決定していました。

諏訪市を含めた2021年に決定した実施概要はこちらのニュースリリースでご覧いただけます。

諏訪市(長野県)
上諏訪駅周辺地区
市民の動きと公共の動きを連動させながら、歩いて楽しく暮らせるウォーカブルな市街地形成、市民と来街者の交流促進等を図り、「人々が出会い、憩い、楽しめ、かつ安心して住み続けることのできるまちづくり」を目指し、未来ビジョン等の新規策定に向けたエリアプラットフォームの構築を行う。
ー出典:国土交通省ニュースリリース

上諏訪温泉へ訪れたことがないので町中を想像できないのですが、記事内にあるコメントの、温泉地らしさの強化、空き家・廃墟の対応は他の温泉地同様です。
自エリアの分析も必要ですが、呼び込みたいターゲットの分析、呼び込めている他の温泉地の分析とその導入の可否検討のほうがわかりやすそうです。

2023年2月まで議論を重ねてビジョンがまとまります。
まとまった資料が公開されるのか、どこで公開されるのかはわかりませんがぜひ見てみたいです。

2021年に選ばれた59の中に、他に温泉100選2021にランクインしている温泉地はありませんでした。
ランクインしている温泉地が市内にある場合はありますが、別の地域が対象になっています。
2022年に決定した事業者はニュースリリースによると、ランクインしている温泉地は1つも対象となっていませんでした。

前述の宮城・大崎ワイナリーのワインです。

最後までおつきあいいただき、誠にありがとうございます。




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