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【詩】青色の壁

僕らは時として
空の青色と
塗り重ねた青色の違いを
理解しない

空を映したはずの壁は
どこかの誰かが
塗った空

僕らはその青を見上げながら
本物だと思い込む

触れても剥がれないなら
それはきっと真実だと

夕暮れが滲み込み
空が紅色に染まる頃
僕らはやっと気がつく
これがただの壁であることに

でもそれじゃ遅いんだ

また僕らの忘れた頃に
塗り重ねられた青は空となり
僕らの目を欺いて

壁を青色に塗る意味を
知ることもなく

そうして僕らは
また目を閉じる

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