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ビゴーしか勝たんかもしれない

皆さん、カリカチュアってご存知ですか?

現代においてカリカチュアと言えば、たまに見かけるめちゃくちゃ誇張した似顔絵を指すことが多いです。


どれの特徴を捉えているものの誇張度合いは様々で、ちょっと誇張しているものから最早人の形を保っていないものまで様々。

筆者は誇張された自分の顔を見る勇気はないため、一種の芸術作品感覚でROM専として楽しんでいます。

さて、このカリカチュアですが元々言葉的には風刺画を指しているものであり、現代似顔絵のカリカチュアも風刺画がルーツなためこの名前がついたそうです。

風刺画は多くの教科書で紹介されているため、皆さんも一度は目にしたことがあるかと思います。

筆者も例に漏れず教科書初めて風刺画を見たわけですが、とりわけ惹かれる風刺画家がいました。

それはジョルジュビゴー。日露戦争などの風刺画を数多く描いていた方です。

おそらく筆者が初めてみたのはこちらの漁夫の利。

シンプルながらも各国の特徴を捉え、誰が見てもわかりやすい作品です。

筆者は教科書を開いた時この作風と、ロシアのおじさんの可愛さに心惹かれました。

そこから何となく頭の片隅にはビゴーが存在し、大人になった今でも時々思い出すのです。

ビゴーはこれ以外にも様々な作品を描いており、皮肉のセンスも抜群です。

これは外国の文化が入ってきた際に、それを見よう見まねで真似していた日本人の姿を猿真似だと揶揄している絵です。

筆者はこの絵を見た時は幼く、なぜ鏡に写るのが猿なのかと必死に考察していました。

しかし成長して様々な皮肉コンテンツに触れることで、ビゴーの皮肉の面白さもわかるように。

ビゴーの風刺画は、汚くなってしまった大人こそが楽しめるものなのではないかと感じ、また自分の中で再ブレイクしているところです。

なんと言ってもビゴーの凄さは誇張しすぎないけれど何を表しているのかわかるところです。

きっと筆者らのような凡人は、猿真似風刺画を描けと言われれば日本人の頭そのものを猿にして書いてしまいます。

しかしビゴーは違います。あくまでぱっと目に付くのは外国の衣服に身を包んだ日本人で、目をこらせば鏡の中の猿が見えてくるのです。

風刺画とは面白いもので、ビゴーとは異なる方向性で描いている人もいます。

テニプリの元ネタみたいな風刺画を描いていた人もいます。

デカ過ぎんだろ…


しかし、こうして風刺画をいくつか見てみると現代似顔絵のカリカチュアとは全く作風が違います。

風刺画はわかりやすい誇張やその国っぽさを出すけれど、別に顔のパーツなどを大きく誇張している訳では無い。

逆に似顔絵のカリカチュアは、顔の誇張によって何を描いたかを表しています。

筆者はあまりこの分野には精通していないため詳しくありませんが、どのような過程を経てカリカチュアはあのカリカチュアになったのでしょうか。

もしかしたらカリカチュアという似顔絵ジャンルが出始めた時は、ビゴーなどのような作風だったのかもしれませんね。

読者の方々の中で10年前、20年前にカリカチュアタイプの似顔絵を描いて貰った人がいれば現代のものと比べてどんな作風だったのか、ぜひ教えていただければ幸いです。

結論 シンプルでわかりやすいビゴーしか勝たん

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