最近学んでいる事と知識のレイヤー構造
こんにちはTHE GUILDの@goandoです。
先人達から学びを得るために、UXを中心に日々色んな書籍を参考にしているのですが、最近はデータ分析の為の統計学を主に読んでいます。また以前からUXの為に行動経済学・認知心理学の書籍から気付きを得る為に参照しています。
これらの書籍が自分のスキルと活動の中でどういう補完関係になっているのかを一度整理したので、共有してみたいと思います。
自分のスキルセットについて
自分のキャリアパスというのが以下の様な流れになっており、大手SIer → ベンチャー → 個人デベロッパー → 現在、と4フェーズ目になっています。
(※ポーズに特に意味はありません)
SIer時代は1000万人が使う大規模システムを一から構築したり、米国企業との事業開発をしたり、ベンチャー時代はカーネギーメロン大の言語学者と共同開発を行い、iPhone黎明期には個人デベロッパーとしてアプリオーナーになって数十万ユーザーのサポートをする為にプロダクトライフサイクルにおけるあらゆる活動を学び、THE GUILD設立後はUXを中心に、幾つものサービスのお手伝いをする機会をいただき、現在に至ります。
ここ数年は自身のスキルセットを人に説明する際に、デザインとエンジニアリングと説明する事が多かったのですが、
直近2年程はデータの活用を中心に取り組んできたので、ここにデータが加わったのが現在のスキルセットと考えています。実際にはこれらを組み合わせてUXデザイン、サービスデザイン、ビジネスの領域のお手伝いをしている事になります。
知識をもう少し体系化してみる
実際にデザインとエンジニアリングとデータは三つ巴の様な関係ではなく、階層構造や補完関係にあるはずなので、これを簡単に図式化してみました。
UXデザインという切り口で見た時に顧客体験は全ての中心にあり、その実現の為の手段としてデザインとエンジニアリングがあります。
行動経済学は人間が経済合理性だけでは行動しないという非合理性を踏まえ心理学観点で行われている研究で、認知心理学は人間が感覚器からのインプットに対して無意識的・意識的にどう処理されるのかを研究した学問です。これら2つは現在のUXの成り立ちと深い関係があり、ユーザー体験を考える上で実に多くの示唆を得る事が出来ます。
認知心理学を学ぶ程に、人間の判断にはあらゆるバイアスがかかり、少なくない非合理的な意思決定をする生き物だと言う事が判ります。それはユーザーだけでなく、サービスやデザインを考える私達の様な専門分野の人間でさえバイアスによって判断を誤ってしまう事があります。
統計学に基づいたデータ分析を活用する事によって、これらの様々な領域での意思決定を正確に且つフェアに行う事が出来ます。またデータはユーザーの営みから、手持ちの知識だけでは得られない数多くの示唆を与えてくれます。
現在、自分が学んでいる多くの事はこうした関係性の上に成り立っていると整理しました。もちろんこれが正解とは限りませんし、切り口によって別の関係性が成り立つと思います。
しかし現在の自分が得ている知識と知らない事、これからスキルを拡げる為に学びたい分野が一体どういう関係性にあるのか、自分なりのスタンスを持っている事は大変重要だと思っています。
なお、最近これら以外にもマーケティング・脳科学・マインドフルネス・仏教・人類史・ディープラーニング等の書籍を読み漁っており、今のところ綺麗に図式化出来ていない状況です... 知れば知るほど興味は尽きないですね。
行動経済学/認知心理学・統計学のおすすめ本
最後に、Twitterでたまにこの分野のおすすめの本を聞かれるので、幾つか鉄板をご紹介しておきます。私はバックグラウンドの無い領域の本を読む時は心が折れないように最初は大体入門本から始めます。
行動経済学・入門: 予想通りに不合理(ダン・アリエリー)
行動経済学と認知心理学の入門として一番お勧めです。
行動経済学・入門書の次: ファスト&スロー上下巻(ダニエル・カーネマン)
入門書で更に興味が芽生えたらファスト&スロー上下巻がお勧めです。文庫だと併せて900ページ程あるので読み応えがあります。更に興味を持った場合はファスト&スローの中で豊富な数の文献を参照しているので、興味を持った分野の書籍に進むと良いと思います。
統計学・入門: 原因と結果の経済学(中室牧子,津川友介)
因果の推論の基本的な考え方、統計がどのように発展してきたか多数の事例を交え解説しています。
統計学・入門の次: 統計学が最強の学問である全3巻(西内 啓)
基本編・実践編・ビジネス編の3巻構成です。もしこちらを極めたら関心のある分野の専門書に進むのが良いと思います。
以上になります。
この分野で「これも読んどけ!」等のお勧めがありましたらTwitterで教えていただけると嬉しいです。