読書感想文:幸せへのセンサー
吉本ばななさんのこれまでの作品に散りばめられていたこと、大事なこと、がまとめられた本。吉本さんの作品はをおおかた読んでいる私はおさらい気分で、この辺のこのことはあの小説のあの子が言っていたな、とか、これはあのエッセイで語られていたな、とか、思い出しながら読みました。
「幸せへのセンサー」、うまく聞こえて対応できるもある。めためたに混乱するときもある。
混乱するのは体のどこかからセンサー反対派が出てくるとき。反対派は横暴で、センサーに筋の通った説明を求めるが、当然センサーは応じない。すると反対派は力ずくでセンサーを押し殺し、自分らの主張を通してしまう。
またあるときは、センサーと単なる怠惰との違いが分からなくて立ち止まってしまう。生来私は怠惰で隙あらばサボろうとする傾向にあるのでこの辺の見極めが難しい。
それもこれもひっくるめて、弱っている/鈍っているということなのでそこのところは意識しつつも、そもそもどっちに従うから正解みたいなこともきっとないからキリキリやらずに気楽に構えていいんだろうなと思わせてくれた、やさしい本でした。
あとがきを読む限り、そのうち続編もありそうな感じ。期待しています。