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【海外】注目のフィンテックスタートアップ16選〜会計・財務編〜

yup株式会社でインターンとして働いている小林豪と申します!

今回は2020年CB insightsで2020年注目のフィンテックスタートアップとして特集されていた250のスタートアップの中から、会計・財務領域に絞ってご紹介します。

日本でもlayerXがlayerX Invoiceをローンチしたり、freeeがARR100億円を達成するなど盛り上がりを見せている、会計、財務等の領域のDX、クラウド化。

今後も大きく伸びていくであろう分野ですので、ぜひご覧ください!

AvidXchange

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会社名:AvidXchange
創業者:Chris Tinsley、Michel Praeger
従業員:約1500名
設立:2000年4月
主な投資家:ベインキャピタルなど

AvidXchangeは2000年4月にChris Tinsley、Michel Praeger によって設立されたユニコーン企業。

中小企業の請求書及び支払いプロセスの自動化するプラットフォームを提供しており、年間1400億ドルを超えるトランザクションを処理している。7年連続で年間40%の成長を記録。年商は約208億円を突破する見通し。

競合の一つがBill.comで時価総額約9000億円を突破しているが、AvidXchangeが株式公開に踏み切ればBill.comと同じレベルの評価を受ける可能性がある。

Avidの直近の調達ラウンドでの評価額は1650億円とされていた。

CF2O

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会社名:C2FO
創業者:Sandy Kemper
従業員:推定499人
設立:2008年
主な投資家:ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど
会社HP:https://www.c2fo.com/

C2FOは2008年にSandy Kemperによって設立されたユニコーン企業。

請求書を売りたい企業と買いたい投資家をつなぐマーケットプレイスを提供している。リアルタイムで請求書の販売価格を設定しているため、売り手企業は素早く資金調達ができる。

173カ国の300万社以上がC2FOを利用、毎週10億ドル以上の流通がある。

2019年8月にソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから約200億円を調達している。

ClearTax

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会社名:ClearTax
創業者:Archit Gupta、Srivasan Chari
従業員数:750人
設立:2011年
主な投資家:Y Combinatorなど
公式HP:https://cleartax.in/

ClearTaxは2011年にArchit Guptaによって設立されたインド、バンガロールのスタートアップである。財務を簡素化し、インドの人々や企業からお金や時間を節約することを目的としている。

100%クラウドベースで、その人に合った税金プランや投資プランを7分以内に算出するサービスが主力サービス。

ちなみにこのサービスは60万人以上の中小企業、1200社以上の大企業に利用されている。

またY Combinatorや、Paypal創業者のピーター・ティール氏などから出資を受けている。

CrossBorder Solutions

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会社名:CrossBorder Solutions
創業者:David Bukovac
従業員:約400名
設立:2016年(前身は2001年)
主な投資家:Insight Partnersなど
会社HP:https://www.crossborder.ai/

クラウド型税務ソリューションを提供する、米国はニューヨークにあるスタートアップ。

彼らの主力商品であるAIプロダクトFionaは、税務全般、特に移転価格税制について税務専門家をサポートしながらその人にあったソリューションを提供するものである。

設立された2016年からの1年で700万ドルを超える収益を達成しているほか、利益率が75%を超えるなど急成長を遂げている企業である。

Divvy

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会社名:Divvy
創業者:Blake Murray、AlexBean
従業員:約400名
設立:2016年
主な投資家:Paypal ventures、Insight Partnersなど
会社HP:https://getdivvy.com/

アメリカのユタ州から現れたSaaSユニコーン企業。

Divvyは経費管理ソフトウェアと企業向けクレジットカードを単一のプラットフォームに組み合わせることで財務プロセスを簡略化できるSaaS型プロダクトを提供している。

評価額はおよそ1600億円で、2021年1月には160億円規模のシリーズDの資金調達を完了している。(Utah's Divvy raises $200M to eliminate expense reports)

Fyle

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会社名:Fyle
創業者:Yash Madhusudan、Siva Narayanan
従業員:約400名
設立:2016年
主な投資家:Tiger Global Management、リクルートなど
会社HP:https://www.fylehq.com/

インド、バンガロールに本社を置き、経費管理プラットフォームを運営するSaaS系スタートアップ企業。

Fyleが提供する経費管理プラットフォームでは、GsuiteやSlack、Office365などと連携しており、そこから経費を提出できる。

例)航空券の購入をChromeの拡張機能をクリックするだけでリアルタイムで経費を報告できる

また、その経費が会社が設定したポリシーと合致しているかを確認できる機能や、複雑なワークフローも提供している。

Fyleは急成長しており、17カ国、300以上の企業、25万人以上の従業員が利用している。

参考文献
India's Fyle bags $4.5M to expand its expense management platform in the US, other international markets
https://www.crunchbase.com/organization/fyle
https://www.crunchbase.com/organization/fyle/company_overview/overview_timeline

HighRadius

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会社名:HighRadius
創業者:Sash iNarahari
従業員:推定2128名
設立:2006年
主な投資家:ICONIQ Capitalなど
会社HP:https://www.highradius.com/

HighRadiusは米国テキサス州ヒューストンにあるSaaS系ユニコーン企業。

HighRadiusが提供するプラットフォームは、クレジット、回収、現金申請、控除、電子請求および支払い処理にわたる売掛金および支払いプロセスの自動化を機械学習を活用することで、企業のキャッシュフローの最適化を実現する。

2020年1月には、125億円規模の資金調達を実行し、ユニコーン企業に仲間入りした。

参考文献
HighRadius Brings In $125M in Series B from ICONIQ Capital
https://www.highradius.com/about/company-overview/
HighRadius raises $125m

Invoice2go

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会社名:Invoice2go
創業者:Chris Strode
従業員:95人程度
設立:2002年
主な投資家:Accel、Ribbit Capitallなど
会社HP:https://invoice.2go.com/

Invoice2goは、創業者のクリス・ストロードが2002年、28歳でフリーランスソフトウェアエンジニアとして働いていた時に、会社の請求書システムに不満を感じ、自身でソフトウェアを作り始めたことをきっかけにできた、オーストラリア出身のユニコーン企業。

Invoice2goの主な機能には、モバイルデバイスからの請求書、見積もり、注文書の作成と送信、カスタマイズ可能な請求書テンプレート、レポートと分析があり、これらのデータはクラウドベースで管理されている。

現在は20万を超える中小企業などが利用しており、毎年240億ドル以上の請求書が送信されている。

参考文献
https://www.crunchbase.com/organization/invoice2go
https://www.linkedin.com/company/invoice2go
SIX MONTHS ON: Here's how Invoice2Go is handling life after landing $35 million funding

Khatabook

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会社名:khatabook
創業者:Ravish Naresh
従業員:40人程度
設立:2018年
主な投資家:Tencent Holdings, Y Combinator
会社HP:https://khatabook.com/

khatabookは2018年10月にインドで設立された世界トップレベルの速さで成長しているSaaS企業。

インドには7000万人もの人々が小さな店などを経営していて、また売上の40%程度はクレジットカードで支払われている。インドの人々はこの取引を彼らが”Bahi Khata”と呼ばれるノートに記録している。

ここをデジタル化したのがKhatabookである。khatabookのモバイルアプリによってインドの人々の記録管理や売掛金回収をサポートしたのである。

アクティブな加盟店は800万人を超え、アプリの評価額は300億円となっている。

参考文献
https://www.ycombinator.com/companies/2007
With around US$84 million in funding, Khatabook is the early market leader for digital bookkeeping in India, ahead of rivals such as OkCredit and Vyapar
https://pitchbook.com/profiles/company/268570-63#overview
Khatabook

Pilot

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会社名:pilot
創業者:Waseem Daher
従業員:123人程度
設立:2017年
主な投資家:Index Ventures、Sequoia Capitalなど
会社HP:https://pilot.com/

pilotはアメリカ、サンフランシスコを拠点とするスタートアップだ。

2017年、中小企業の経営者や個人事業主が簿記に時間を割かれていることを課題として、創業者のWaseem Daherを含むMITの卒業生3人でpilotを起業した。ちなみにDaherはOracleへの事業売却経験がある。

pilotはソフトウェアによる会計の自動化のみならず、企業にパートナーを設置することで人間の手作業を外せない部分も代行している。専門家もいるため非常に安心できるサービスだ。

また、クラウドで提供しているためリアルタイムで会計の状況を見られるのもメリットだ。

ちなみに2020年2月には3つの新サービスを提供することを発表した。R&D税額控除、CFOサービス、拡張サービスである。

R&D税額控除では、年間最大2500万円程度の控除があるのにもかかわらず、その請求方法を知らないことを課題とし、その控除の請求プロセス全体をカバーしている。

CFOサービスでは、中小企業やスタートアップの財務専任人材不足を課題意識とし、資金調達戦略や予算編成や高度な財務分析などを代行している。文字通りCFOの代わりをしているのである。

拡張サービスでは、上記二つのサービスでは賄いきれなかったバックオフィス部分をカバーしている。例えば月次レポートの作成、請求書の作成、支払い、売掛金回収などである。

直近では2021年1月26日にセコイアキャピタルから60億円規模の資金調達を実施している。

参考文献
Pilot Raises $60M Series C to Modernize the Back Office
https://www.linkedin.com/company/pilothq
Pilot raises $15M to bring bookkeeping into the modern era

Recurly

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会社名:pilot
創業者:Dan Burkhart
従業員:240人程度
設立:2009年
主な投資家:Polaris Partnersなど
会社HP:https://recurly.com/

Recurlyはサンフランシスコを拠点に2009年に設立されたSaaS系スタートアップだ。

toB向けにサブスクリプションの管理プラットフォームを提供しており、顧客動向を分析したり、Salesforceなどの外部サービスとも連携することで営業やバックオフィスとも統合できるようになっている。

またPaypalやamazon payなどの決済サービスとも連携しているため、世界中から支払いを受けられるほか、価格設定や課金システムを柔軟に変えることができる。

2010年の発売依頼、42カ国、数千の企業にサービスを提供しており、サブスクリプション管理サービスの旗頭と言える。

参考文献
https://www.linkedin.com/company/recurly-inc-
https://www.crunchbase.com/organization/recurly
https://jp.techcrunch.com/tag/recurly/

Silverfin

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会社名:silverfin
創業者:Joris Van Der Gucht、Tim Vandecasteele
従業員:推定159人
設立:2013年
主な投資家:Index Venturesなど
会社HP:https://www.silverfin.com/

Silverfinはベルギーのゲントで2013年に設立されたスタートアップ。

Silverfinのサービスを一言で表すと、企業と会計事務所を繋ぐ中央データハブである。

まず企業からの財務データを1つのデータハブにまとめ、それをクラウドベースで保存するとともにデータを使いやすいように加工することで、会計事務所がリアルタイムで見ることができたり、会計事務所のタスクをしやすくする。

また、大手企業はSilverfinを使用してアドバイザリーサービスも強化している。クライアントのデータを使って企業の財務へのアドバイスできるのである。

techcrunchによると直近では2020年6月にはHgのリードでおよそ32億円の調達を完了している。

参考文献
https://www.crunchbase.com/organization/silverfin-2
会計事務所の仕事をクラウドサービスで現代化するSilverfinがシリーズBを調達
https://craft.co/silverfin

Spendesk

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会社名:Spendesk
創業者:Rodolphe Ardant
従業員:推定261名
設立:2015年
主な投資家:Index Venturesなど
会社HP:https://www.spendesk.com/en-eu/

Spendeskは2015年にフランスで設立されたスタートアップである。

Spendeskは社名の通り会社全体の支出をクラウドベースで一元管理できるサービスを提供している。

具体的には会社単位で既存の銀行口座からSpendeskウォレットに資金をチャージし、その会社にあったワークフロー、支出ポリシー、カードの制限などをカスタマイズした上で、従業員がSpendeskアプリ、もしくは物理的なカードを利用して資金を要求、支払い、領収書を送信し一元管理する、という流れである。

企業はこのサービスを利用することで、会社全体の支出を管理できるのはもちろん、リアルタイムリアルタイムで会社の支出状況を見られる。また支出の要求をシームレスに承認、拒否できる点も魅力的だ。

直近では2020年10月に約19億円を調達。シリーズB合計で59億円を調達し、シリーズを終えた。

参考文献
企業向け支出管理サービスを提供するフランスのSpendeskが約19億円を追加調達
https://www.linkedin.com/company/spendesk
French fintech startup Spendesk adds $18 million to its Series B round, closing at $38 million

Taxfix

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会社名:Taxfix
創業者:Mathis Büchi
従業員:推定243名
設立:2016年
主な投資家:Index Venturesなど
会社HP:https://taxfix.de/

Taxfixは2016年にドイツ・ベルリンで生まれたスタートアップである。

Taxfixはモバイルアプリを介して税金を簡単に申告できるサービスを提供している。ユーザーは小難しいフォームに記入する必要はなく、平均70の質問に答えることで簡単に確定申告をすることができるのである。ちなみにかかる時間は平均22分程度と圧巻だ。

また、毎週のようにユーザーはTaxfixを通じて何千もの納税申告書を送信しており、週に500万ユーロを超える払いすぎた分の税金の還付が発生している。

情報に弱く不当に税金を多く支払っている人々を救う画期的かつ社会貢献的サービスだ。

2020年4月には65億円規模のシリーズCラウンドを調達した。

TaxJar

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会社名:TaxJar
創業者:Mark Faggiano
従業員:推定177名
設立:2013年
主な投資家:Insight Partnersなど
会社HP:https://www.taxjar.com/

TaxJarは2013年に米国マサチューセッツ州で設立されたスタートアップ。

TaxJarはeコマースの売り手が消費税の管理を簡単にできるプラットフォームを提供している。

消費税はとても複雑で、eコマース事業者にとって適切な税率で税金を収集することはかなり難易度が高い。それを解決するのがTaxJarだ。

API連携に加えてAmazonやShopify、Walmartなどとも連携しているため、全てのデータを一つのプラットフォームに収集できる。そうすることで住所と正確な税率を照らし合わせ、99%の正確さで計算する。eコマース事業者が消費税について悩む時間を圧倒的に短縮できるサービスだ。

また、返品というeコマース事業者にとっての悩みもTaxJarで解決できる。

ちなみに2019年1月には60億円の資金調達を完了している。

参考文献
https://craft.co/taxjar
TaxJar Closes $60 Million in Series A Funding Round
2020 Review of TaxJar

Tipalti

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会社名:Tipalti
創業者:ChenAmitOrenZeev
従業員:推定405名
設立:2010年
主な投資家:Greenspring Associatesなど
会社HP:https://tipalti.com/

Tipaltiはカリフォルニアで生まれたユニコーン企業である。

Tipaltiは企業向けの決済自動化サービスを提供している。企業が一つのクラウドプラットフォーム上で、請求書、注文書、税務、支払い、その他会計サービスなどを管理するのを支援している。

他の決済サービスと似ているように思われるが、CEOのChen Amitは「Paypal等の決済サービスと競合しているのか」という問いに対し、

「我々は決済サービス自体を提供しているわけではありません。ですから、彼らは競合でなく、我々は一段上の層に位置していると考えています。今はニーズの大きな10〜11種類の決済サービスをシステムに統合し、サポートしています。将来的に新たなサービスが登場したら、それも我々のシステムに加わることになるでしょう。」

と回答している。

つまりTipaltiは様々な決済業務や税務、会計業務などを包括的に扱っているのである。

2020年10月にはおよそ2000億円の評価額で、150億の資金調達を完了している。

参考文献
https://craft.co/tipalti
Tipalti receives $150M at a $2B+ valuation after its accounts payable platform sees a surge in use
Tipalti(ティパルティ)の特徴・料金・評判 | 【プロキュア】 バックオフィス向けITサービス比較サイト
Tipalti - あらゆる通貨や支払い方法に対応した企業向けの自動決済システム

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は会計・財務分野に絞って海外フィンテックスタートアップ16選をご紹介しました。

以下に改めてまとめておきます。

・AvidXchange
・C2FO
・ClearTax
・CrossBorder Solutions
・Divvy
・Fyle
・HighRadius
・Invoice2go
・Khatabook
・Pilot
・Recurly
・Silverfin
・Spendesk
・Taxfix
・TaxJar
・Tipalti

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